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バゲット不足に嘆く夜【4度目のソロキャンプ⑧】

バゲットに合うソロキャンプ最後の晩餐、
メインディッシュはビーフシチュー!
これにバゲットを突っ込んで食べるんだと決めていた。

ビーフシチューを作るのは面倒だったので、お湯であっためる簡単なやつにした。あの手のビーフシチューは具が少なく心許ないと思い、湯煎で食べられるハンバーグを温めて、丁寧に切ってビーフシチューにinした。今宵も肉の祭典なり。

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なのに。
肝心のバゲットがもう無かった…。
何という失態!!!
アヒージョの汁にバゲットをタプタプさせ過ぎて、1切れしか残すことができなかった。そして米もない。
パンもねぇ、米もねぇ。おら、こんな飯、嫌だ。
もう少し早くに気づいていたら、片道徒歩60分のコンビニに行っておにぎりでも買ってきたのに。全くもって計画が甘かった。
どうすんねん、ビーフシチューとハンバーグ。
私は焼き肉を食べに行っても最初にライスを頼むし、居酒屋に行っても最初からごはんセットを頼むような、ごはんがないとどうしようもないタイプの人間である。今回のキャンプは「パン編」なので、ごはんをパンに置き換えているわけで、ごはん代わりのパンがなければ、私は一体何を軸にして食べればいいの…。マリーアントワネット様、もちろんケーキもありません。
途方に暮れた。

何か、ないかな。
クーラーボックスにアルミホイルで包まれた物体を発見。
パン、あった!

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そうや、昨晩、非常食にジョンソンヴィルウィンナーを挟んだホットドッグを2本作っておいたのだった。
現在、バゲット非常事態宣言を発令させたので、非常食のホットドッグを2つ食べることにした。
ちなみにケチャップの代わりに、マクドのナゲットのバーベキューソースをとっておいたやつを持ってきていたので塗った。
機内食の塩コショウとか、宿の朝ごはんについてるジャムとか、こういう「いつか何かで役立つかも知らんから取っておく」系を、私は割とちゃんと回収して役立たせて生きているタイプです。
しかし。
ハンバーグビーフシチューにホットドッグは合わなすぎた。
一緒に食べたが完全なる作戦ミスだった。
それぞれが強い。
最後の最後にバゲットに負けた。
ちなみに、ツナマヨやヌテラ(イギリスのホステルの朝食コーナーからちょっと拝借してしまった罪深きもの、賞味期限はたぶんとっくに切れている。これも、いつか何かで役立つかも系)や、焼き鳥缶ととろけるチーズなども実は持ってきていた。
これらのものや残り物をバゲットでブルスケッタみたいにしておしゃれにパーティーみたいに食べる予定だった。
絶対美味しい計画だったが、バゲットがもう1本(いや2本)必要だったとは誤算だ。米の保険も1合ではなく2合にすべきだった。情けない。これは悔やまれた。

だがだが、しかし。
試合には負けたが勝負には勝った、みたいなそんな感じの清々しさはある。
バゲット料理はどれも美味しかった。
ナイスプレーだ。拍手を送りたい。


バゲットを買い慣れていないし、食べ慣れていないこと。
ソロキャンプ2泊3日の食糧の適量をまだ掴みきれていないこと。
これが敗因。
バゲットもソロキャンプもまだまだ奥が深い。
うまくいかなかったことがある方が、次の楽しみになる。
次のキャンプと言わず、家で早速バゲット・リベンジしそうだが。
楽しくて美味しいソロキャンプの夜は、もうお腹いっぱいのため、その辺で拾ってきた小枝たちをひたすらに火の中に入れて焚き火をゆっくり楽しんでフィナーレを迎えた。


映画「奇跡の2000マイル」をタブレットで見ながら、焚き火に温まりながら極上はちみつ紅茶を飲む。
映画の主人公は、ボロボロになりながら女一人とラクダ4頭と犬1匹で砂漠を歩いて旅していた。
日焼け止めなどもちろん持たず、何かよく分からないものを食べて、ギリギリで生きていた。

それに比べて、私のキャンプは全くもって贅沢だ。
好き好んでわざわざ「KALDI」で買った食材など、美味しいものを持ち込んで外で食べて寝る。
ちょっとでもワイルドな雰囲気を出すために、小さいカマドで炭を燃やして枝を拾ったり薪を入れて焚き火気分を味わいつつ。
そろそろ、もう少しガチでワイルドなキャンプをしてみたいものだなあと思ったりして。
でも、今のこのご時世で医療現場に迷惑をかけずに安全に、そこまで遠出せず、車(今、事情があって車が使えないので)を使わずにキャンプをするとなれば、これが限界かも知れない。
本当は、荒々しい大自然の中で、不便だらけの中で、キャンプしてみたいなあ。

と、綺麗なトイレの洋式便所でゆっくり用を足し、トイレ前の自動販売機で水を2本買ってテントに戻りながら、そんなことを思う私。
揺れる。この矛盾。矛盾こそ私。
仕事で忙しい日々の合間に少しばかり現実逃避をする場所。
今の私には、コンビニが徒歩60分の距離にあるくらいの不便さがちょうどいいのだろう。
寝袋の内側で、USBで暖かくなるブランケットを腰に巻いてホカホカ温もりながら、眠る前にそう確信した。


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