築43年マンションのお直しは続く
先週末は友達との時間や、横浜と東京の散歩に時間と歩数を費やしたため、部屋のDIYは少しお休みしていた。
一度中断すると、なかなか再開させるのが腰が重いタイプで、何から手をつけたらいいのか分からないし、もう納得しているような気がして、あんなに寝ても覚めても壁のことを考えていた情熱はどこへ行ったのだろうとすら思っている。
今週末は、家を買うことに向けて、住宅ローンの本申し込みという用事と、換気扇の木枠が腐食しているのでその取り替え工事と、インターホンの音が鳴らない問題についても見にきてもらうことになっている。
忙しい。
今私が10年間住んでいるこの築43年のマンションを、ほぼほぼ夏までに買うことに決めたのだが、買ってしまうと修繕にかかるお金は自腹になってしまうので、自分が家主になる前に、賃貸契約のうちに今の家主(不動産会社)に無料で修繕しといてもらおうと思い、気になるところを電話して修繕を頼みまくっている。
すると、我が家の方も協力体制に入り、古ぼけた台所の蛍光灯が取れかけたり、エアコンの壁の穴のパテがごそっと取れたり、古ぼけた昭和の電話の受話器みたいな形で変色したインターホン(10年間一度も使わず)が完全に活動停止して、ピンポンが鳴らなくなったりしてくれている。
おかげで、今の期間だとまだ無料交換をしてもらえるので、滑り込みで大急ぎで直していっており、毎日私は、「どこか不具合はねぇかー」とナマハゲのようにのそのそと家の中を探し回っている。台風の時に取れそうなくらいガタガタ言う窓も、破れた網戸まで直してもらった。
換気扇の木枠の腐食はさすがのナマハゲも気づかなかったが、管理組合から交換した方が良いよというチラシが入っていて教えてもらえた。全方位で私の家の無料修繕タイムに協力してくれている。
大規模修繕のおかげでベランダの床を剥がして新しいものにしてもらって美しく生まれ変わり、ついでに室外機や窓まで綺麗にしていただけた。これはベランピング実現も夢じゃないな、と新たな野望が浮かぶ。だからIKEAのかわいいタイルを敷いておしゃれベランダにするのが次の目標である。
今のベランダはこうだからベランピングは無理だけど。
しかし、それにしても次々と劣化や不具合、故障、腐食が見つかる43年物の家を、今から買うっていう選択は正しいのかしら。と今更少し迷う。修繕貧乏になり、リフォーム破産しそうだ。
業者の人が来て色んなところを直す作業を私は毎回凝視して、弟子のように手順を学び、何か見慣れないものを使う時は、「それ、コーナンで売ってますか?」と聞きまくっている。家を買ってしまったら、DIYのレベルを上げ、守備範囲も広げて、できる限り全て自分で家のお直しをやりたいと思っているから。サッシの交換くらいはできるのではないかと思っている。
だが、以前からやりたいと思っているトイレ改修に関しては、トイレにコンセントを増設させるとかは修繕ではなく工事だし、無資格の素人が手を出せるものではないので、それは自力でやるのは諦めることにした。
安い値段でマンションを買っても、リフォームなど何かとお金がかかる。楽しむしかないよなと思いつつ。
最近学んだのは、築古のマンションを買う際に大事なのはマンション全体の管理費がどれくらい貯まっているかだということ。
うちのマンションは73戸あり、ほぼいつも空室なしで(空室がいつもないということは、売ってもすぐに買い手がつくということで、それも強みの一つと言われた)、空室が少ないとそこまで高くない管理費でも貯まりやすい。
現在、うちのマンションの管理費は、2億円以上(1戸あたり約300万円分)のプール金がある。だからメンテナンスやマンション全体の大規模修繕を定期的に行える。
それは、築古の物件を買う際の強みだとのこと。
常時、空室が多いマンションだと、管理費を高く設定したり値上げしていかないと、ここまで貯まらないらしい。築古でも立地の良い我がマンションの底力を見た。
個人個人でお金を追加で出さなくても、ベランダや次はサッシの交換まで管理組合が手配し無料で大規模修繕をやってくれるから、買った後も、少しは安心していいかなと思う。
そう思うとこの何ヶ月にも渡るマンション中のペンキ臭もありがたいような気がしなくもない。
ペンキと言えば、マンション中、あちこちがペンキ塗りたてで、夜寝る前に、玄関でAmazonの段ボールを抱えた時によろけて頭を壁につけて体を支えてしまい、そのままベッドで眠った。翌朝起きた時に、関口宏のように前髪の一部だけ真っ白になっていた事件が起こった。
私はストレスのあまりマリーアントワネットになってしまったのか、と焦りまくったが、手触りがパリパリしていて一晩で白髪になったわけではなくほっとした。
しかし、なかなか取れず、その日は縮毛矯正の予約をしていたので、関口宏のまま電車に乗って美容院に行った。
「梅雨が思ったより早く始まったので、縮毛矯正をしてもらいたくて」とクールに伝えたが、美容師さんは私の髪についたペンキに視線集中。
「いつもセルフでカラーもカットもされるのりまきさんだから、大抵のことは驚かないですけど、まさかペンキまで髪に塗るとは予想外です」と言われた。
私だって梅雨が早くやってきたことと同じく、こんなことは予想外だ。
シャンプーを2回してもらってもペンキは完全には取れなかった。
美容師さんの名誉のために書くが、縮毛矯正は完璧で、雨の日も堂々たるサラサラヘアーになった。メンテナンスにお金も手間もかかるが、その分最高の気分になるのはくせ毛も同じ。築44年の人間もお直しすればまだまだ余裕。
何かと色んなことが起こる築古マンションだが、私は嫌いじゃない。手がかかって、予想外のトラブルが起こる家は親近感がわく。飽きなくて良いなと思っている。