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年末にお笑い番組を見て、敏腕プロデューサー気分で、勝手にあれこれ考えたりしたことを。

昭和生まれのお笑い大好きTVっ子の大阪人たちの間では、年末と言えば、「月亭八方のよしもと楽屋ニュース」(今は今田耕司と八方が司会)のスペシャルと、「オールザッツ漫才」を見てああだこうだ言うのが常なのだが、知らない人は今日は置いていくとして。

この辺の話を毎年、年末になるとしめちゃんを含めた地元界隈で語り合っているくらい、よしもとクリエイティブ・エージェンシーがファミリーだと思っている人たちとの共通の見解があったりする。

「楽屋ニュース」という番組は、テレビ朝日系列でナイトinナイトという平日の夜に日替わりでやっている帯番組のうちの一つで、昔からある。年末にやる長時間のスペシャル番組で年の瀬を感じる。
私が子供の頃は、木曜に楽屋ニュースで月亭八方や現在の師匠クラスの芸人が楽屋でああだこうだあったという面白話を聞いて、金曜に上岡龍太郎のナイトスクープを見て、土曜の昼に吉本新喜劇を見て過ごすというお笑い英才教育を受けていた。
また、「オールザッツ漫才」というのは、年に一度、大体12月29日あたりに毎日放送で夜中から朝までの生放送で、ひたすら吉本の若手が漫才などのネタをするという番組で、これまたこの日を楽しみに生きていたものである。
最初は確か「朝まで働けダウンタウン」という番組で、当時の2丁目劇場メンバー(今田耕司、東野幸治など)がワイワイやっていたような記憶。どうにかして年齢をごまかして深夜からの生放送の観覧を見に行こうと燃えていたのは中学生だったかな。懐かしい。

その年末の大阪の風物詩とも言える長寿番組であるその二つの番組が、近年稀にみるほど今年はしょうもなく感じたのである。

それはなぜか。
楽屋ニュースに関しては、密を避けるためにスタジオの芸人を最小限にしていて、私の大好きなダイアンのユースケが外されて津田だけが参加していたりと、コンビでの面白さや醍醐味がなくなっていた。
そして、楽屋でのエピソードがコロナ禍のせいであまり多くなかったし、シンプルに面白くない。これも、コロナ禍の影響だと思われる。人が集まるところに笑いが生まれがちだから仕方ない気もする。

また、オールザッツ漫才に関しては、大体ここから面白い芸人が発掘されて、翌年に活躍したり、東京へ行ったりする流れになっているのだが、そういう人たちがみんな去ったあとみたいなラインナップだった。
千原兄弟、フットボールアワー、小藪、千鳥、かまいたちが次々に去った後、今は和牛とアキナとアインシュタインが司会をしている。
ブレイクしている人たちが華やかに司会をして笑いを操る年も面白いし、今後ブレイクしそうな人たちがまだ土の中で蠢いているような状態のメンバーの集まりの時は、来年こそは売れたるでという意気込みが伝わり、それはそれでガチンコな感じがして面白い。
ところが、今年は、そういう人が巣立っていって去った後、ブレイクしないままの人がいつまでも残っていたり、ブレイクしかけて東京でうまくいかずに帰ってきた人や全国区のブレイクを諦めて地道にやっている人たちばかりの集団となっていて、のびしろがないような感じがしてしまった。
いや、もちろんこれから面白くなる若手芸人もたくさん今年も出ていたのだろうけど、そこへのアンテナも私自身鈍ってきていて、昔のように青田買いする気力もないし、どちらかというと落ち着いて安心して笑いたい。
紅白歌合戦にしたって、男でも女でも、複数のメンバーで構成されたグループの顔も名前も一切分からなくなってきているし、下手っぴな歌にヒヤヒヤする。氷川きよしや石川さゆりのような落ち着いて聞ける安定した圧倒的な歌唱力のある人をずっと見ていたいと思ったし、昔、親や祖父母が言っていたような「若者の歌は分からん」「やっぱり演歌やで」現象が私にも起きつつあった。
とりあえず藤井風という人は注目されるアーティストだと学んだので、最近は「きらり」を聞くようにしているが、それでももうついていけていない。

職場でも、力のある、これから伸びそうな若い人たちがどんどん退職して巣立っていき、別の職場で活躍している中、のびしろのなさそうな人たちだけがいつまでもいる時期は結構キツイ。その中からやる気のある人が出てきてぐんぐん成長することは起こりうるけど、それまでの時期は結構大変だし、誰がどういうリーダーシップを取るかにもよるし。
昔、月亭八方が、出演している芸人の中で面白いことを言って一人でバシバシと仕切って笑いを取っていたが、それが難しくなってフォロー役に今ちゃんが入ってだいぶ経つ。今ちゃんも今ちゃんで歳を取り色々と衰えてなかなかしんどい部分も見えてきたし、番組は違うがさんまなんかもそんな感じだし、世代交代とかも難しいところ。
私がお笑いをキャッチする能力が落ちてきているという面も往々にしてある。
M-1も関西芸人贔屓でまだ見てしまうので、標準語の漫才である時点で少し気後れするから、私のお笑いレベルも全然アップデートされておらず、いつまでも大阪のしゃべくり漫才こそが笑いの醍醐味と思っているから、こんな人間は、巨人師匠とともに審査員から下りるべきだなあと思っている。あ、私も審査員気分でM-1を見ているもんで。

また別の年末の番組で久しぶりにチュートリアルの漫才を見たのだが、残念極まりなかった。
ネタのテンポ、間、徳井の声のトーン、表情など、何から何まで少しずつバレない程度に衰えていて、面白いネタなのに全てが少しずつうまく回っていないような、それでいてある程度はテクニックで誤魔化せていてそれなりに受けているような、でもきっと本人は不甲斐ないと思っていそうな仕上がりの漫才だった。
私はチュートリアルとブラックマヨネーズの漫才が大好きだったし、私個人は徳井が例の件でやらかしたことを実は全く責めてもいないし非難もしていなくて、早くテレビに戻してやらないと徳井の才能が死んでしまうよー、と叫んでいた、心で。
ポツポツと徳井もテレビに戻ってきているが、かつての彼にしかないお笑いの輝きが失われて、ああ、取り返しのつかないことになったのだと気づいて心底悲しかった。
もう、例の事件前の徳井には戻れないのだということ、まさしくあの才能が死んでしまったのだなあということを感じて悲しんでいる人が私の周りにも数人いる。
それでも、大多数には気付かれない程度だし、笑いを取ったり漫才で適度にそれなりに受けたりするくらいの力は残っているのがとても残酷だなぁとも思う。
トップアスリートが限界を知りつつ引退しないで続けるようなしんどさ。もちろん十分優れていて高いレベルなんだけど、トップオブトップの自分のパフォーマンスからは程遠い状態。
なんとかカムバックしてほしいけど、ブランクが大きすぎたのかなあ。
もう一回あの時のチリンチリンのように本気で笑わせてほしいけどそれは無理なのかなあ。
でも、私も、仕事で明らかに自分のピークを越えたことを実感する時が出てきた。
例えば、自転車に乗って進む下り坂で、ペダルを漕がなくても前に進んでいてそれなりに見えるけど、チェーンもはずれかかってるし、ブレーキも効かないし、タイヤに空気がないし、スピード的には全然落ちてしまっている。それでもバレずに進めているような感じ。
でも40代後半は止まってしまうのを必死になって少しでも遅らせる作業に専念するような、そんな感じかなぁとも思う。
とにかく、徳井、もう一度、頑張ってくれ。
一回の失敗で潰れてしまうなよ。
君の面白さはそんなんで消えてしまうものじゃなかったと信じたい。

あと、正月早々、嬉しいニュースがあった。
ずっと聞いてきた大阪のラジオ「ダイアンのよなよな」が10月で終了し月曜の夜の楽しみがなくなり途方に暮れていた。
それでも、きっと、東京進出したから東京の大きなラジオ番組のレギュラーが決まるはずだと信じて待っていた。
菅田将暉が月曜のオールナイトニッポンを降板すると知り、ダイアンがその穴を埋めるのではないかと勝手に期待していたがその予想ははずれた。そりゃそうか、菅田将暉の後釜がダイアンな訳がない。
だけど、TBSラジオで「ダイアンのTOKYO STYLE」というラジオ番組が元旦からレギュラーで始まることとなった。
わーい。
そしてspotify(podcast)でも聞けるというお洒落なシステム。
やるやん。

津田が嬉しくて本気で静かに泣いていた。
東京での初めてのレギュラーはラジオが良かったから、と言った。
私も嬉しい。
やっぱり芸人はラジオだ。
ラジオこそ芸人だ。
しゃべくりこそラジオだし、
ラジオこそしゃべくりだ。
だけど、よなよなは2時間半のラジオ番組だったのに、今度のラジオは30分間のラジオ。
むちゃくちゃ試されている感じがする。
まだ信用していいか分からない人に仕事を振る時は、私でもそうする。
シビアである。
でもそこで結果を出せれば信頼が積み重なってどんどん仕事を任せられるし、私が上司ならやっぱりダイアンにはまず30分番組だろうなあと思う。
ダイアン(ユースケ)にはまだまだのびしろがあるので、全力で応援したい。
頼むで。
信じてる、ユースケ。


なんのこっちゃ分からんので、読み返さずにこのまま勢いで夜に投稿しちゃうことにした。
とりあえず、私も仕事を頑張るし、藤井風も聞きつつ、徳井の蘇りを期待し、ダイアンの飛躍を願う。


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のりまき
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