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「水曜どうでしょう」に感動した大晦日

私の愛してやまない番組の一つ。
「水曜どうでしょう」
「どうでしょう」は「ロードショー」のイントネーションで読む。ただの素人大学生だった大泉洋を大人たちが振り回して旅する番組だったが、今や、スター大泉が大人たちに振り回されてボヤくおじさん番組になった。
前回、と言っても6〜7年前の「初めてのアフリカ」の回は、アフリカロケにぞろぞろと4人以外の大人がついてきていたのが分かったから、少し冷めた。ビッグになった大泉洋には、あゆのように何人もお付きの人がついて回らないといけなくなったのかーと寂しくなったのが正直なところ。
アフリカはとても魅力的な場所で、「どうでしょう」を見ていて、ンゴロンゴロとか行きたいなーと思ったが、「どうでしょう」としてはイマイチだった。
この番組は旅番組として見て楽しいんじゃなくて、洋ちゃんとミスターとヒゲとうれしーの4人の旅が面白いんだなぁと改めて再確認した。
サイコロを振ってそこへ旅するのも、ベトナムを原付で走るのも、ヨーロッパ全制覇の旅も全部好きだが、洋ちゃん含め4人がとにかく面白くて、何回見ても笑う。
私もこの番組の影響で、海外限定で原付レンタルをして旅することもあるし、「ここをキャンプ地とする!」宣言もするし、トロリーバスに乗ると「トローリー!」と言う。
猿岩石のユーラシア大陸ヒッチハイクを見てハードな旅に憧れ、沢木耕太郎を読んで旅の浪漫を学び、水曜どうでしょうでゆるゆるのおふざけ旅に笑い続けた私が、今のような旅好きになっているのはどう考えても必然だ。影響力が大き過ぎる、いや影響され過ぎていると言うべきか。
旅猿も好きだが、「水曜どうでしょうみたいな旅番組にしたい」というひがしのりの考えで始まった番組だから、元祖はやはり「どうでしょう」だ。
2020年の久しぶりの最新作は、2018年に4人だけで行ったアイルランドだった。
洋ちゃんとミスターとヒゲとうれしーの4人だけ。
スター大泉洋がまだ北海道の陽気なただの大学生だった頃に始まったこの番組で、1997年にパリの凱旋門の前からヨーロッパ20カ国制覇の旅に出た。アイルランドだけを残して終わっていたその旅を21年後の2018年に「ヨーロッパ21カ国完全制覇の旅」に出る待望の最新シリーズ。
録画して撮り溜めしていたものを夢中で一気見して、見終わったら大晦日になっていた。
パリからロンドンへ行き、レンタカーでひたすらに進んでアイルランドへ。そしてレンタカーでロンドンに帰ってくるという旅だったが、一日中レンタカーを走らせていたから、コッツウォルズも湖水地方もダブリンもリバプールもサラッとした紹介のみ。「そうそう、ここはこんなだった!」とテレビを見ながら私の過去の旅を重ねて思い出したいのに、そういうのはチラッとしか見せてくれないのが「どうでしょう」だ。
大半が車の中でヒゲが洋ちゃんに「ポテチくれよ」と言ってたり、おじさんたちがダラダラ喋っているだけだし、ごはん場所を洋ちゃんのスマホで探させてことごとくインド料理屋が閉まっていたり、忖度なしに「飯が美味くない」とぼやいたり、運転するからビールを飲めないヒゲが瓶ビールの匂いを嗅いだり、やたらとバーガーキングを食べてたり。うれしーはずっと撮影してるから大変だろうと思いつつ、居眠りしてカメラがガクン、となったり。
ああ、アイルランドに行きたい!と思わせる番組構成じゃないのに、旅に出たい!と思わせる不思議な番組。
まあ、見てもらえるのが1番いいのだけど、とにかく、結論から言うと、非常に感動した。
なんなら、「どうでしょう2020」の最終話の、いつものエンディングテーマ、樋口了一「1/6の夢旅人」が流れて24歳の大泉洋と45歳の大泉洋の写真が曲に合わせて走馬灯のように旅を振り返る映像を見てると、何故だか涙が出た。

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この21年間で、彼は北海道を飛び出し日本の名俳優、スターになり、あと何時間かすれば紅白歌合戦の司会をするという大出世。ガキの使いと洋ちゃん目当ての紅白は、私もちゃんと録画予約してある。
ガリガリで顔も汚くて(ごめん)髪もわやくちゃな垢抜けない北海道の青年は、この21年で老けはしたが(ミスターほどじゃない)、明らかに垢抜けた。
スタイルはいいしスーツが似合う。余談だが大泉洋のスタイリストさんは、マオカラーのスーツとかサルエルパンツみたいなのを堅めの服に合わせたりと、いつも一癖あるデザインを選んでいてセンスがいいなぁと思っている。今年の紅白の最大の目玉は大泉洋の衣装だと思っている人は、私だけじゃないはずだ。と思う。多分。むしろ私はそれだけが目当てな人。
わやくちゃな髪も、少しマシになりむしろ遊ばせている感があるし、スタイリッシュにすら見える。
アビーロードを歩いている姿なんかも認めたくないが、華がある。
シンデレラストーリーもいいところだが、周りの3人が、大学生だった頃の洋ちゃんと同じように雑に扱い、くさす。スター大泉洋が「お前、やれよ」とかディレクターに言われる。
扱いが昔とあまりにも変わらないから、洋ちゃんもぼやき続ける。
のびのびしている。
自分の状況が変わっても、変わらない人たちが自分の近くにいることってこんなにも大切で貴重なことなのだなぁとしみじみした。
人生、長く生きてると、どうしても変わってしまうことが増える。自分自身も、周囲の人も、社会情勢や世界も。
だからこその変わらない部分は貴重だと思う。
うわぁ。
ありきたりで使い古されている言葉を書いてしまっていてめちゃくちゃ不本意。だけど、本当にそう思ったのよ今日。「どうでしょう」を見て「1/6の夢旅人」を聞いて。
昔から何度も聞いてきた、「どうでしょう」のあのエンディング曲も色々あったコロナ禍の2020年の年末に聴くと妙に沁みた。
今日の紅白のトリでこの歌を歌ってほしいくらいだ。トリは多分嵐なんだろうけど、嵐に思い入れが全くない私にとっては、これを聴く方が泣いてしまいそう。
いつもこの曲を聴くと楽しい気持ちになったが、今年からは少し胸にジーンとくるテイストが混ざることになるだろう。

まわるよ まわる 地球はまわる
何も無かった頃から 同じように
いつも いつでも 飛び出せるように
ダイスのように 転がっていたいから

泣きたくなるよな時も 君に会いに行きたくなっても
強がるだけ 今は何も 何もわからない

世界じゅうを僕らの涙で埋め尽くして
やりきれない こんな思いが 今日の雨を降らせても
新しいこの朝が いつものように始まる
そんな風に そんな風に 僕は生きたいんだ
生きていきたいんだ

一生「どうでしょう」したい。
そんな風にそんな風に私も生きたいんだ。
生きていきたいんだ。

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大晦日に大泉洋愛、水曜どうでしょう愛を語るという、自分でも予想外のニッチな内容のnoteを書いてしまい、びっくりしている。
締め括りだけ、年末感を出すとしよう。

皆様、2020年、お疲れ様でした。
新しい朝がいつものように始まりますように。





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のりまき
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