名画からはじまる一年
私が住む街には、世界に誇れる美術館があります。
大原美術館 OHARA MUSEUM OF ART
毎年の初めに、訪れることにしています。
常設されている名だたる名画たちですが、みるたびに空気感や印象が違うのが、たのしみでもあります。
見入る絵画も、そのときによって異なったりもします。
まるで絵画のなか側から、呼び止められるかのように、足を止めます。
三が日を過ぎた今朝の館内は、人も少なく、しかし少なすぎもせず、
私にはちょうど良い、快適な空間でした。
日本に2つしかないといわれるエル・グレコの作品のうちの一つである
「受胎告知」は、あまりにも有名ですね。大原美術館に在る絵画の中で、私にとっても、最も惹かれる絵画です。
此処に在る名画をあげればきりがないですが、
「赤い衣装をつけた三人の踊り子」エドガー・ドガ、
「パリ近郊の眺め バニュー村」アンリ・ルソー
の2作品は、とても好きな絵画です。
もちろん、
「睡蓮」クロード・モネは、見逃せない名画です。画家 児島虎次郎(大原美術館創設者大原孫三郎の支援で渡欧)が直接モネに会い、譲り受けたものだそう。
その、児島虎次郎の連作「朝顔」は、いつまででも眺めていたいと思わせる、光としなやかな線の、儚いような美しい何とも言い難い世界です。
本館、工芸・東洋館、そして分館(この時は休館中でした)をすべてまわると、少なくとも3時間はかかってしまい、体力的にも疲れるので(苦笑)、私は年初めには本館のみ、訪れます。
倉敷川沿いに厳かにたたずむ大原美術館はその姿も美しく、名画たちとともに、訪れる人々の心を静かにつよく動かしてくれるはず。
ぜひ、一度は訪れてみてください。
原田マハ著『楽園のカンヴァス』に登場する名画の数々にも、出会えます。読書からの、名画鑑賞もおもしろいですね。
お好きな方は、こちらもぜひ。
村上紀子