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瀬戸内の古民家 ゼロエネルギーハウスを目指して~断熱

家の作り様は、夏を旨とすべし。 冬は、いかなる所にも住まる。 暑き頃、悪き住居は、堪へ難き事なり。

誰〜もーこんな名言ぽいこと言ってしまったのは!!

吉田兼好さんですね。

まあ、エアコンどころか扇風機もない鎌倉時代は、そうだったのかもしれません。

確かに、築110年を超える我が日本家屋、夏は過ごしやすいです。

南北の窓を開ければ、常に風が動き、
杉皮に土、瓦を乗せた屋根のお陰で、日中もそこまで温度が上がりません。

といっても、エアコン無しで夜眠れていたのは、確か4年前まで。
その頃から、お盆あたりの数日は、エアコン無しでは超えられない夜があります。まさに気候変動のtippinng pointに立ち会った気分。

冬はといえば、窓を締め切っても隙間風。
玄関からキッチンにかけての土間は底冷え。
朝目を覚ますと、吐息は白く、室温1度とかもありました。瀬戸内だって寒い。

私だけなら兼好さんのノリで、なんとかなるさ!とやり過ごしていたかも。
しかし南国台湾から来た夫は、泣きそうになってました。
何より民宿業を営んでいるので、お客様を泣かせるわけにはいきません!


床下断熱2016

空き家を購入して改修したとき、しんしんと冷える床ではお客様が気の毒だということで、床下に断熱材を入れていただきました。
そのため、束材、大引、根太、敷居まで、やりかえる事になってしまい、想定外の大工事に。。。

ベテラン大工さんも何の木かわからないという固い材木が使われた束材が現れた。


海を渡ってきた天然素材の断熱材

入れていただいた断熱材は、ドイツ製の、木質で作られたもの。
今でもお世話になっている地元工務店のKBM久保田さんのこだわり。
そのまま朽ちても自然に還る素材で家づくりをしたい」
なんて言われたら、「お願いします」ってなっちゃいます!

おかげさまで、古民家でよくある「畳の隙間から風が…」という現象は皆無です。

お風呂部分の改築で高気密高断熱に!2022

畳2畳分くらいの脱衣場。床下・壁2面・天井に断熱材。床の杉材も分厚い!サッシもペアグラスに!!

現場感。

この広さに、大きなパネルヒーターが設置されたのだから、ぬっくぬくです。30度を超えちゃいます。

風呂場の窓もペアグラス!

改修直後は、「ここ私の部屋にしよう。布団持ってこよう」と思ったくらい。

広縁にはダブルハニカムスクリーンで空気層2023

”昔の建具萌え”なので、何としても表の木枠・昔のガラスの縁側は死守。寒くても死守!
カーテンを設置するのは個人的に好きではないので、これまでこのままやり過ごしていました。

ここにつけていただいたのが、セイキさんのハニカムサーモスクリーン
自分で設置することも考えましたが、現場合わせの絶妙な計測・調整・設置は、お任せしてよかった!

昼間は開けておけば全く視界に気にならず、夜は断然暖かくなりました。

DIYで二重窓化・内窓設置2023

2022に受講した都市経営プロフェッショナルスクールでお世話になった、断熱男(だんねつお)こと竹内昌義さん。

古い知人も関わっている南房総リパブリックで古民家断熱ワークショップをされたことを知って、俄然取り入らる気が湧いてきました。

環境省の「cool choiceに、具体的なやり方が紹介されていたので、それを参考に家中の窓という窓を攻略していきました。こちらも、竹内さんが登場されています。

使う材料は、中空ポリカーボネートの板、枠になる木材、レール制作のためのアルミアングル(プラスチック製もある)。

昔ながらの木枠・デザインガラスのものは、外側にポリカ。

これが
こうなって
こうなって
こう!

完成を急ぐ気持ちを抑え切れず、部材を塗装しなかったことが悔やまれますが、良しとします。


建具 on
建具。ガラス障子のガラスをとっぱらい、カットしてはめ込む。
「窓」にばかり注意が行き、見落としていた雨戸収納スペース。


ガラス障子枠がぴったり!

アルミサッシのところは、内側にポリカの窓を無理やり設置

キッチンからの景色
ちょっと視界がぼやけるけど・・・
アルミのアングルでレールを!我ながら良きアイデア
どこよりも効果を実感した、寝室横の縁側。朝起きて、寒く…ない!

内窓DIYに使った部材の紹介

中空ポリカーボネート版は、90mm×180mm×4mmのものを使用。最近内窓DIYが人気のためか、品薄でした!ネットで注文、最寄りのコメリで受け取り。

木枠をゼロから作るためには、4㎜の溝付き角材をゲット!ネットで注文して最寄りのナフコで受け取り。

私は室内木材の塗装にはいつもこれ!vaton。今回はウォルナットカラーを選択。布にしみこませて拭くようにすればきれいに塗れます。

「引き戸のレールとして使える、L字型の何か…」と求め続けてやっと見つけたアルミアングル。糸鋸などでカット可能。お店でも有料カットしてくれます。両面テープで付けました。



正解はなくとも、知恵を絞ってものづくりをするのは、ほんと楽しいですね!そして慣れたころに終わるのも常。

暖かくなった郷の家の冬。ぜひ泊りにお越しくださいませ♪


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