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#短編小説
【微艶小説】記憶のかけら
私のことを見つけたあの子は
誰なんだろう
誰が仕組んだ悪戯なのか
運命の糸はつるつると
あの子と私を出逢わせて
私はあの子に発見された
お互いに忘れてしまっているだろう
けれど、きっと、
私のどこかに残されたsignを
あの子はちゃんと読み取った
私のことを見つけたあの子は
誰なんだろう
時間が経つにつれ
私もsignを感じる様になった
胸の奥の大釜を
ゆっくりとかき回されるような
【微艶小説】好きが溢れます
好きが溢れます
好きが溢れます
今にも飛び立ちそうな心に
恥ずかしさを覚えます
そこここに気配を感じます
そこここに手触りを感じます
こんなにも幸福の極みへと
私を導く
咲き誇る薔薇の香りに
息が詰まってしまいそう
記憶の中に
大切に仕舞ってある
あの温もりを
今夜も取り出して
私はもう
ひとりではない