冷やす作用で暑さ解消|産経新聞連載「薬膳のススメ」(97)
どんどん気温が上がってきて、もうすぐ7月。
暑いと、つい温度的に冷たいものを食べたり飲んだりしがちですが、そればかりだと内臓が弱ってしまいます。
体を冷やすとか温めるというのは、実は温度は関係ありません。
冷やす作用のあるものを食べたら、温度的には冷たくなくても、体の熱感はクールダウンできるのです。
この時期の湿疹につて、97回目の産経新聞連載「薬膳のススメ」に書かせていただきました。
自然界に存在する6つの「気」
心を笑顔にする薬膳師、漢方カウンセラーで国際薬膳師の池田のりこです。
私たち人間は、自然界の気の影響を受けて生活しています。
その自然界には、「風、湿、暑、燥、寒、火(熱)」の6つの気が存在し、湿の気は重く下がる、濁らせる、めぐりを悪くするという性格があります。
前回は、湿邪について書かせていただきました。
今回は、暑邪のお話です。
暑さ対策をしっかりと
暑邪は、体を熱くしてのどが渇き、発汗させます。
脈も早くなるので、血圧が上がったり動悸も出やすいです。
外からやってきた暑邪を外に追い返すことを、「解暑」といい、体にこもった熱感を取ることを「清熱」といいます。
暑い夏は、この2つの対処法をする必要があります。
解暑の食べものは、いんげん豆、緑豆もやし、トマト、苦瓜、いちご、すいか、まくわうり、メロン、レモン、ハイビスカスなど。
夏に旬のものが多いですよね。
暑い国で、ハイビスカスのお茶やジュースを飲むのも納得です。
清熱の食べものは、トマト、きゅうり、なす、ズッキーニ、青梗菜、冬瓜、豆腐など。
湿邪対策も!
日本の夏は、ただ暑いだけでなく、高湿度を伴います。
前回も書いた、湿邪対策も必要なのです。
むくみや重だるさの原因の湿邪を取り除く「化湿」の食べものを一緒にとると、蒸し暑い日の薬膳になります。
いんげん豆、枝豆、そら豆、唐辛子、バジル、さば、しじみなどです。
前回の記事で詳しく書いているので、こちらも読んで下さいね。
おすすめの食べもの
まくわうりやきゅうりの浅漬に唐辛子を入れる
苦瓜と緑豆もやしで炒めもの
冬瓜といんげん豆の煮物
いんげん豆とトマトのサラダにレモンを掛ける
サバのトマト煮込みにバジルを載せる
しじみと緑豆もやしのお味噌汁
…などがおすすめです。
キウイフルーツ、バナナ、すいか、メロンなどのフルーツは、体の熱を取るものが多いので、食後のデザートにしてみてください。
温度ではなくお仕事で選ぶ
食べものの働きは、温めても冷やしても変わりません。
温かい料理でも冷やす仕事があれば、体を冷やしてくれます。
これから暑くなりますが、熱中症にならないように水分もとりながら気をつけて過ごしましょう。
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