見出し画像

消しゴムバラバラ事件:子どものケンカから見るモノの捉え方

これは息子が小学5年生の時のエピソードです。

この日、息子は泣きながら学校から帰宅しました。普段は元気に帰ってくるのに、何があったのだろう?!と胸がドキドキしました。

話を聞くと、彼の大切な消しゴムがバラバラにされてしまったとのこと。その消しゴムは、昨年のハロウィンの時「消しゴムになりたい」と言って仮装し、通っている英語教室のコスチュームコンテストで大賞を取った思い出深いものでした。彼にとっては、ただの文房具ではなく、大切な宝物でした。

消しゴムの仮装(笑)


息子から話を聞いて「大切な消しゴムをバラバラにするなんて!!どんなやつだっ!」と怒りや悲しみが湧き上がりました。でも、私はその場にいたわけではないので、冷静になり、担任の先生から状況を詳しく聞くことにしました。

すると、クラスメイトのPくんが、教室の床に落ちていた名前のない消しゴムを手に取り、無意識にいじっているうちにバラバラになってしまった、ということでした。Pくんには悪意はなく、それが息子のものだとも知らなかったそうなのです。

この話を息子に伝えると、最初は「そんなのウソだ!」と悔しそうでしたが、だんだんと落ち着いてきました。そして、
「そっか…あんなにギザギザしてる消しゴム、簡単にバラバラになっちゃうよね」と、理解を示すことができました。そうなんです、息子の消しゴムは全体を洗濯板のようにギザギザ彫っていたため、とてもちぎれやすくなっていました。(もう少しモノを大切に扱ってくれ〜。母の心の叫び)

ただ、消しゴムがバラバラになったのは事実なので、後日、Pくんとそのお母さんが、わざわざ新しい消しゴム購入し届けにきてくれました。Pくんは息子に「ごめんね」と謝り、息子も「いいよ、大丈夫だよ!わざわざ届けてくれてありがとう!!」と笑顔で応えました。Pくんのお母さんは何度も申し訳なさそうに謝っていたけれど、本当にお母さんも何も悪くないんです。逆に申し訳ない思いでした。

子ども同士のケンカは、「加害者・被害者」という単純な構図ではなく、お互いの気持ちがすれ違った結果、起こる場合もあるのではないかと考えています。

息子は「壊された!!」と思い込んでいたけれど、Pくんは悪意を持って壊したわけではない。大人の視点では、「やられた側=被害者」「やった側=加害者」。そして加害者が「悪」被害者が「善」と捉えがちですが、今回の場合、ただそこに「誤解」と「すれ違い」があっただけだと思っています。

このような誤解が生じないよう、子どものトラブルはすぐに加害者、被害者と分けるのではなく、どちらが善、悪でもなく、まずは子どもに寄り添い、話をよく聴くことが大切なのではないかと感じています。

いつも貴重な体験と気づきを与えてくれる子どもたちに感謝です。

お読みいただきありがとうございます!フォロバしてます。
https://note.com/noricocro330

井上法子リットリンク

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集