会社の人事部を部活に例えてみた③配属

新人を採用して、育成して、配属して、評価して~という人事部の仕事と、部活動を並行して考えてみている。
今日は、③【配属】について考えてみたい。

会社に入社し(採用され)、新人研修を終え(育成され)、次は、職場への【配属】が行われる。では会社(人事部)は、どのように配属を決めているのだろうか。

そこには2つの視点があると思う。
1)会社としての視点と、2)配属される社員の視点だ。
そして1)で詳しく見ていくが、配属には「増員」と「補充」の2つのうちのどちらかしかない。

では、1)会社としての視点。
まずは「増員」の観点から。
会社として力を注いでいきたい部署には大勢を配属するものだ。
・今まさに伸びている事業をさらに伸ばしたい、
・これから新商品を世に出していく、一気に伸ばしていきたい、
などがそのパターンだ。

「補充」でいうと、今まさに人手が足りていないところへの配属だ。
・近々定年退職する予定の社員がいるから、今のうちに補充して引継ぎをしよう。
・すでに辞めてしまった枠が空いたままなので、そこに配属しよう。
などがそのパターンだ。

2)はたらく(配属される)社員個人の視点。
会社から見たときの、「お前はどうしたいの?」の視点だ。
やりたくないことを(嫌々)やらせても、本人も打ち込めないだろうし、仕事の成果もあまり出ないだろう。
かといって、全員を希望の仕事に配属できるか、というと、決してそんなことはないだろう。そんなことしていたら、配属は部署ごとにアンバランスになり、会社として調和ある運営は難しいだろう。
「全員の希望を聞いて、かつ、かなえる」ということが、どれくらいあり得ないかというと、
野球部で、全員がピッチャー。
サッカー部で、全員がフォワード。
アメフト部で、全員がQB(クォーターバック)。
というぐらいあり得ない。。。

では、1)と2)、2つの視点を合わせて考えた上で、どのように【配属】がなされるのだろうか。

恐らく多くの中小企業(※)は、
2)社員の視点を踏まえつつも、
1)会社の必要の視点でもってすり合わせていくことが多いだろう。
まずは希望を聞いて、将来、その仕事につけるようにサポートしていく、というイメージだ。

(※大企業は人事部が一方的に配属を決め、ローテーションするケースが多いようだ。まさに今日、メガバンク入行10年目の方の話を聞いたのだが、配属、特に部署異動は、3営業日前に告げられて、従うか銀行を辞めるか、の二者択一だそうだ。つまり、働き続けたければ、会社の配属に従うしかない、らしい)

例えば、たいていの中小企業の人事担当は社員に下記のような質問をし、対話を深めて、配属に同意を得ていくことだろう。

人事担当
「☆☆さんは、将来どんな仕事ができるようになりたいの?」

☆☆さん
「〇〇職の仕事がしたいです!」

人事担当
「そうか~。君は将来、〇〇な仕事ができるようになりたいんだね」

☆☆さん
「はい!」

人事担当
「では、将来〇〇の仕事について、活躍できるようになるには、どんな能力を身につけるいるといいと思うかな~?」

☆☆さん
「う~ん、ちょっとよくわかりません」or
「そうですね、△△の能力があるといいと思います」

人事担当
「そうだね、△△の能力を身につけるには、△△業務で、どのくらいの期間(時間)が必要だと思う?」

☆☆さん
「う~ん、ちょっとよくわかりません」or
「そうですね、◇年くらいだと思います」

人事担当
「そうだね、では、配属から◇年間は、まずは△△業務を頑張ってみよう、そして将来希望の〇〇業務につけるように、頑張っていこう!」

☆☆さん
「はい!将来の希望に向けて、目の前の仕事を頑張ります!」


・という感じだろうか。

この会話、☆☆さんの希望を聞きつつも、すぐには希望がかなうわけではないわけです。将来の話をしているわけです。

でも、この会話、あなたはどう感じるだろうか?
「まずは、希望と異なる仕事だけど、将来希望の仕事に就くために頑張ろう!」と思えているのではないだろうか。

こうして、意欲を引き出しつつ、【配属】をする、というのが、イメージだ。
(ちなみに、もし意欲を引き出さずに「これをやれ!答えはハイはYesのどちらかだけだ!」とやってしまうと、意欲を引き出すことはできないだろう)

以上が、学生にもわかるように書いた(つもりの)、【配属】のイメージだ。

さて、あなたの部活はどうだろうか。
新人ポジションを決めるときにはどんなやり取りをしているだろうか。
新人の意欲を高めつつ、チームの事情を踏まえたポジション決定ができているだろうか。

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