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「二つの部屋」で感じた世界 江口敬写真展
きょうは、今週足を運んだ写真展について書きます。
これまで、
写真家とは、良い写真を撮るひと
だと思っていました。
ですが今回の写真展を体験して、そんな単純なことではないのだなと気付かされました。
正直に言えば、未だ会場で感じたさまざまなものを咀嚼しきれていませんが、それも含めて感想として残しておきたいと思います。
現在、福島市写真美術館では、写真家 江口敬さんの個展が開かれています。
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noteクリエイターでもある江口さんとは、note写仏部の活動をきっかけに、時折コメントのやりとりをさせていただいています。
投稿される写真はもちろんのこと、シンプルで的確な表現の文章や俳句を拝見するにつけ、いつか実際に写真展を見てみたいなぁと思っていました。
そんな折、江口さんお住いの福島市で個展が開催されるという告知が。
これはもう「行く」以外に選択肢はありません!
それにこう言ってはなんですが、こんな機会でもなければ長野から福島までわざわざ行くことは、まぁないでしょう(福島の方、ごめんなさい・・・)。そんなわけで、個展も観光もとても楽しみにしていました。
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手には、名産品のモモとリンゴ🍎
9月16日(月・祝)、14時から予定されているギャラリートークを目指して美術館へ。
会場の福島市写真美術館(通称:花の写真館)は、JR福島駅からバスで5分、歩いても15分ほどです。
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大正期建築のクラシカルな外観が、とっても素敵。
入場料は無料ですが、貴重な建築遺構(市有形文化財)保護のため、屋内はスリッパに履き替えて見学します。
中に入ってみると、なるほど。
外観も素敵でしたが、内装もこれまたわたし好み!
高い天井、赤色の絨毯、漆喰の壁、格調の高さがうかがえるこの空間で、江口さんの作品がどのように展示されているのか?わくわくしながら展示室に足を踏み入れました。
そして、驚きました。
これまでの浅い経験から想像していた写真展とは、あまりに様子が違っていたからです。
床に展示された作品
タイトルなし
キャプションなし
これは・・・
さて、どう見ていけばいいんだろう?
ひとまず入口近くの作品を眺めていたところ、ふいに声をかけられました。
「こんにちは」
穏やかな声の主の方を振り向くと、見覚えのあるお顔。
江口さんご本人です。
きょうこちらへ伺うことはあらかじめ知らせてあったので、すぐにわたしと気付かれたようでした。
はじめましての挨拶を交わしてからすこしお話し、ギャラリートークまでのわずかな時間、ふたたび作品をみて回ります。
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「二つの部屋」というタイトルにあるように、展示室はふたつ。
展示室1は、縦長の大きな窓から差し込む自然光を存分に生かした、明るい部屋。もう一方の展示室2は、ただひとつの窓を除いてカーテンで閉ざされた暗い部屋。
明るい部屋に掲げられた作家による本展の解説文、そのなかのいくつかの言葉があたまにピタッと貼りつきました。
有と無
ミクロとマクロ
美しいものとそうでないもの
・・・・
ギャラリートークでは、江口さんと学芸員さんのテンポ良い掛け合いに、ときに笑いときに頷きながら耳を傾け、あっという間に一時間が過ぎました。
この日、午前に続いて2度目のトークということもあり「2回同じことを話すって難しいですね~」と苦笑いされていましたが、作品への理解が深まるはなしを伺うことができて、ほんとうに良かったです。
明るい部屋と暗い部屋、
わたしがより気に入ったのは、暗い部屋でした。
そこでは、
建物、薄明り、写真、音楽、詩・・・
その空間を構成するすべてが調和し、展示室そのものがまるでひとつの作品として存在しているように感じました。
西洋的なガラスの祭壇のようでもあり、東洋的な仏教空間のようでもあり、それらはもともと同一だけれど、人が勝手に境界線を引いているだけなのかもしれないな、と。
いったい、なんのはなしですか?
ですよね。すみません。
会期は9月29日(日)まで。
気になる方は、ぜひ福島まで足を運んでみてください。
きっと、写真家 江口敬さんの哲学をひしひしと感じることができるはずです。
いまだ余韻から抜け出せないほど印象に残った写真展、ほんとうに行ってよかった。
江口さん、関係者のみなさん、ありがとうございました!
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