ふくしま旅日記② 珈琲と観音と
ふくしま旅日記、つづきます
信夫山を下りてから、本当はもうひとつ行きたい場所がありました。
しかし!
一旦水分&糖分補給しないと暑さに負けて行倒れそうな気がしたので、行き先を変更。とにかく、ゆっくり涼みたい。
目指すは福島交通飯坂線の曽根田駅
こちらに、江口さんオススメの喫茶店があるようなのです。
冴えわたる青空、元気なお天道さま、ふたたび滲み出る汗・・・
う~ん、暑い!!
昭和レトロで、とても素敵な建物。
外だけじゃないですよ、中も往時の面影をのこす落ち着いた空間なんです。
白壁へ差し込む陽の光に、透明感あふれる待合室の雰囲気。
駅舎内に控えめにながれる音楽は、誰の曲かはわからないけれど、ラヴェルやドビュッシーのような印象派を思わせるピアノ曲。それが最高にこの場所に合っている。
この選曲をされたかた、どなたですか?
センス良すぎです!と伝えたいです。
レトロなソファに腰かけ、しばらく透明な時間を楽しんでから、「伏見珈琲店」開店と同時に席を立ちました。
店内へ入ってすぐにわかりました。
ここは心地よい時が流れている場所だと。
駅舎と同じ高い天井と白壁に、光沢のある深い青色のカーテンが目を惹く大きな窓。流れる音楽はjazz。
正面窓に面した席に座り、和菓子(練切)とコーヒーのセットを注文しました。
するとご主人が、
「どうぞ、あちらからカップお選びくださいね」
と。
カウンター奥のオープン棚に並んだカップ&ソーサ―から、好きなものを選べるんですって!
カジュアルなもの、〇〇焼き風なもの、どれも素敵だけれど。
気品あふれるカップとばちっと目があってしまったので、そちらでお願いしました。
目にも美しく、味ももちろん美味しい!
練切と珈琲、意外と合いますね。
あ~、山登りで疲れたからだに沁みわたる~
おかげさまで生き返りました。
ごちそうさまでした!
🎶
さて、それではふたたび信夫山方面へ戻り、岩谷観音へ向かいます。
岩谷観音については以前江口さんが紹介されていて、磨崖仏好きなわたしは、福島へ行くならぜひ実物を見たい!と思っていた場所。
水路沿いの整備されたみちを歩きます。
相変わらず暑いけれど、水の側というだけでちょっと涼しい。
透明な水の表面には、何匹ものアメンボがすいすいと泳いでいました。
岩谷観音のおおよその位置はあたまに入れてきたものの、念のためナビを確認しながら歩くこと15分。
最後までナビを開いておけばいいのに、それをしないのが悪い癖。
たぶんこの辺、というところで「観音寺」の案内が見えたので、着いた着いた~と浮かれながら長い石段を上りました。
しかし、
あれ?
観音さま、どこ?
そこにあったのは摩崖仏ではなく、お堂。
どうやら違う場所へ来てしまったようです。
また階段を降りなきゃなのかと気が重くなりかけたとき、地元の人らしきおじさんを発見しました。
これは、、、天の助け!
親切なおじさんは、そこから岩谷観音への抜け道を教えてくれました(結局すぐそこだった笑)。しかしそれだけでは収まらず、かれこれ15分ほど話を伺うことになったのです。
わたしが長野から来たことを伝えると、
「長野から来たの!?それはまぁ~。長野もいいところだよね、私も3回行ったよ」
と、長野県は好印象のようで嬉しい☺
対して、こちらから「福島市の見どころはどこですか?」と問うと
「春なら花見山と、あと競馬場? 福島はなんにもない田舎だなぁ・・・」
えー、そんなこと言わないで~
県庁所在地で、新幹線も通っていて、信夫山もあって、磨崖仏も温泉も果物もあるいいところじゃないですか!
おじさんの言うとおり、茶色の松を目印に墓地の細道を抜けてゆくと、目の前に鐘楼が現れました。
岩谷観音は、
想像していたよりもぎっしりと仏さまが並んでいる様子に圧倒されました。ここは祈りの場。ひとつ残念だったのは、草が元気すぎて磨崖仏が見えにくくなっていたこと。手入れもなかなか大変でしょうが・・
お堂の脇には昔ながらの水色ベンチもあります。福島のまちを眺めながら休憩タイムとしましょう。
さわさわと木の葉を揺らす風がさわやか~
羽黒神社につづき誰もいない祈りの場で、磨崖仏の気配を背中に感じながら、この眺めと静寂をひとり占め。
なんて贅沢なんだろう。
そのまま眠ってしまいそうな気持ちよさでしたが、そろそろ疲れもピーク。
街へ、もどろうか。
さて、ふくしま旅日記もそろそろ終わりです。
さいごに、ふくしまグルメの紹介を。
ふくしまもお蕎麦が美味しいと耳にして、夜の街へいそいそと出かけました。週に一度はお蕎麦を食べないと落ち着かないわたし、ふくしまの蕎麦はどんなものかと王道のざる蕎麦をオーダー。
食べた感想はというと、
つゆ ・・・好み!
そば ・・・のどごし・風味良し!
わさび・・・香り良し!
つまり、とてもおいしいお蕎麦でした☺
ごちそうさまでした~
<おまけ>
旅の想い出一句
みちのくの みやげは四つ 虫刺され
信夫山と夜の街で、蚊にさされたのでした・・・泣
ふくしま旅日記、これにておしまいです。
ありがとうございました!
お気持ちありがとうございます。大切に使わせていただきます。