DELTAKO
大阪は南巽駅から歩いてほどない場所に、一件のお洒落なたこ焼き屋がある。
屋号を『DELTAKO』。店主は "ジュリワタイ" さん。
カメラマン、電子工作士、モデル、歌手など、多才な経歴を持つ女性アーティストだ。現在はたこ焼き屋を切り盛りするオーナーであり、一児の母でもある。
近い位置に共通の知人は数多くいれど、僕がジュリさんと初めて出会ったのは、2013年に "牧歌電子" 名義で出演した『ファミ詣』というイベントでご一緒させてもらった時。
その時の彼女は、MIDI 信号に合わせて光る蛍光灯を装着し、旧世代ゲーム機の音源部分だけで構成された "チップチューン" の楽曲をバックに歌い踊っていた。
スターパインズカフェの2階から遠目に観ても、近未来的で美しく、目を奪われるようなとても素晴らしいショーだった。
しばらくは東京を拠点に活動されていることもあり、その後約7年ほど(!)特に絡みのない関係が続いたが、ほどなくして帰阪し、次の段階の活動を始める報を聞いた。それが「たこ焼き屋」だった訳だ。
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始めは「モデルとして名を馳せた人がたこ焼き屋を始める」ということに正直ビックリしたものの、ある日意を決して覗きに行ってみると、とてもお洒落で都会的な洗練された店内に、深い納得感を得た。
白を基調としつつもデジタルでニューウェーブ感溢れる内装、店内には DJ ブースとともになんとテーブル筐体が置かれ、ギーク(オタク)なファンへのメッセージもきちんと残している。何より、たこ焼きが本当に美味しい。ユニークなコンセプトだが、味も保証できる "真剣そのもの" なお店だった。
ジュリさんも僕の事を覚えていてくれた。
久しぶりの再会を果たし一度打ち解けると、その後は空白の期間の答え合わせに花が咲き、お互いの活動の記録の断片どうしを紡いだ新しい記憶が生まれることが楽しく、定期的に通うようになった。
そんな折、イベント出演を打診され、主催者承諾のうえでジュリさんにも DJ としてオファーをかけたところ二つ返事でOK。さらには主催者よりダブルゲストとしてコラボ出演を提案され、あれよあれよと言う間に「ユニット」の結成となる。
それが『DELT▲TUNes』。
一夜限りの結成とはいえ、今後の可能性を感じるとても楽しい夜だった。
この日のために作った曲「STAR CAR▲VAN」も、良い曲に仕上がった。
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縁というものは、とても数奇であり面白い。
これまで紹介してきた人たちすべてに共通しているのだが、僕は基本的にテンションを変えずに付き合える人が好きだ。そしてそこにきちんとした利害の一致があること。テンション自体が「程よい緊張感」を基軸とした関係性。繊細と大胆の間を綱渡る絶妙な感覚。これが気持ちいい。
第一線でやっている人たちだからこそ、恐縮ながら言わせてもらうと、その目線が合致した状態でスタンドアローンかつイーブンに語り合うことができるのが嬉しい。
飲食店は、地元の人たちに愛されると同時に、おのずと似た者たちも集まりやすい拠点となっていく。
そんなアジトとして、これからも DELTAKO から先端性高い企画が発信されるとともに、自分もできる限り力になることができたらと思っている。
今日はこんなところで。
※27曲目に『STAR CAR▲VAN』が収録されています
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