オルカンとのパフォーマンス比較に意味はあるのか?

2024年、オルカンことオール・カントリーは約30%(ファンドによって数%の差があるようです)も上がりました。オルカンのパフォーマンスを上回らないと負けという人が居ますが、本当にそうなのでしょうか?

オルカンの年平均リターンは9%

確かに2024年だけを切り取ればオルカンのパフォーマンスは驚異的です。しかし、これは円安や米国株高などでたまたま環境が良かったに過ぎません。当然のことながらこのパフォーマンスが毎年続くことはなく、オルカンの年平均リターンは9%です。これでは資産が2倍になるのに11年、3倍になるまでに22年もかかってしまいます。11年で2倍で満足できるなら良いのですが、私は40代なのでそのペースでは老人になってしまいます。

出典:日経電子版

オルカンには分配金がない

しかも、オルカンには分配金がありません。分配金を貰いながらゆっくり値上がりを待つならともかく、1円も受け取らずに証券口座の評価額が増えていくのを眺めながら気長に待つ、そんな投資は私にはストレスに感じます。その間に、病気や事故で死んでしまうかもしれません。オルカンへの積立投資の欠点はまさにこれです。1円も使わないまま死んでしまったらどうするのか? あの世までオルカンを持っていくことはできません。

出典:日経電子版

過去3年のリターンでは高配当株が有利か

オルカンの過去3年のリターンは約65%です。インデックス投資でこのパフォーマンスに勝つことは困難ですが、個別株ならそれほど難しくありません

その一つが高配当株です。割安な時に仕込むことができれば、値上がり益とインカムゲインを両取りすることができます。売却しなくても自動的に配当金が振り込まれるのは魅力ですし、節約に節約を続けてやっと資産が増えたのに全く使わないまま逝ってしまうなんてこともありません。

個別株は難しい? そんなことはありません。実際に日経平均やTOPIXコア30を構成する高配当株の多くが3年で2倍以上に株価が上がっています。例えば三菱商事、伊藤忠、三井物産などの総合商社5社は全て3年で2倍以上になっていますし、三菱UFJ、三井住友などのメガバンク、東京海上、SOMPOなどの保険株、ほかにも川崎汽船、住友林業、神戸製鋼所、コスモエネルギーなど探せば結構見つかります。これらは誰もが知る有名企業であり時価総額の大きい大型株です。

しかも、3年保有すれば年2回×3=6回(期末一括配当の場合は3回)受け取った配当金が加算されるので、実際のパフォーマンスは株価上昇分以上になります。実際にどれくらい違うのでしょうか?

私が保有するコスモエネルギーHDの場合

2024年12月30日時点で保有来パフォーマンスは2.86倍ですが、これまで受け取った配当金700円をプラスすると3.15倍になります。純粋な値上がり益と配当金を含めたリターンは3年で30%も変わります。これが高配当株投資のすごいところ。

3年前との比較では3.08倍、配当込みだと3.39倍、オルカンの1.65倍に圧勝です、すごいと思いませんか? 個別株投資は夢があります。もちろん安定的に配当を出せるだけの業績と財務体質は不可欠で、銘柄選別が必要であることを付け加えておきます。

結局パフォーマンス比較に意味はないのでは

2024年、オルカンは約30%も上がりましたが、円安や米株高など好条件が重なったことの影響が大きく、30%もの高いリターンが毎年続くことはありえません。オルカンの年平均リターンは9%です。しかもオルカンには分配金がないという欠点があります。一方でインデックス投資でオルカンのパフォーマンスを上回るのは困難でしょう。

しかし、個別株投資なら可能です。3年で株価が2倍になった高配当株はいくつもあり、5年に広げればたくさんあります。

何が言いたいかというと、時間軸を変えると見える景色が変わるよということです。日本人は区切りが大好きで、2024年のパフォーマンスはこうだった、他はどうなのか?とつい比較したくなります。しかし、投資は1年で終わりではなく、ずっと続けるものです。1年間のパフォーマンスを比較することに果たして意味はあるのでしょうか? 

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