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「忙しい」=心を亡くすという意味を考えてみた

インド人同僚との会話


先日インド人の同僚と世間話をしていた時に、みんな忙しくしていることが当たり前になっているね、という話題になった。日本語があまり出来ない同僚に、「忙しいを漢字で書くと、こころを亡くすと書くんだよ」と伝えると驚いていた。彼はもともと大きな目を更に大きくして、「こころを亡くすって、どういうこと?」と質問してきた。
「わたしなりの解釈だけど」と前置きして、「忙しいと自分のことで頭がいっぱいになりがちでしょ。気持ちに余裕が無くなってきて、家族や友達とか周りの人に目が向かなくなりがちじゃない。優しい言葉をかけたり、ちょっと思いやりを持った行動が出来なくなりがちだと思う。そういう状態を、日本人的にはこころを亡くすって言うのよ。」と話すと、同僚は「おお!」と声を上げていた。
彼曰く「忙しいと気持ちに余裕が無くなるという点は、納得できる」とのこと。国や文化が違っても、こういう共通点があるのは面白いと思った。

busyという単語の意味

「忙しい」を考えた時に、英語ではbusyという単語が使われる。英単語は1つの言葉でも意味が沢山あるので、このbusyにはどんな意味があるのかと思い調べてみた。忙しいだけでなく、「(街の)にぎやかな、活気がある、(デザインが)細かすぎる、うるさい」という意味もある。
物事が目まぐるしく変化し心が落ち着かない。そんな様子が浮かんでくる。

こういう状態に短い期間いるだけでもせわしないのに、長期間いると心身ともに疲弊してくる。その疲弊がストレスとして、心や体に影響を及ぼすことは仕方ないと思う。

心が麻痺する感覚

インド人同僚に伝えたように、「忙しいと自分のことで頭がいっぱいになりがちでしょ。気持ちに余裕が無くなってきて、家族や友達とか周りの人に目が向かなくなりがち」なわたし。
何か予想外のことがあると、冷静に対応できなくなることもある。
「落ち着いて、今やらなきゃいけないことの優先順位を考えよう」と、浅くなっている呼吸を意識的にゆっくりさせながら、目の前の状況を考えるようにしている。

感情が高ぶっている時は深呼吸をする方がいい、と英語圏の人はしきりに言う。深呼吸をすることで、脳に酸素が多く送られるので頭がすっきりするとのこと。確かに忙しい時や緊張している時は、呼吸が浅くなっていることが多いように感じる。

忙しい状態が続くことで、呼吸が浅くなり心や感情が麻痺している感覚がしてくる。こういう状態を、昔の人は「心を亡くす」と感じたのだろうか。日本人や日本語独特の感覚なのかもしれない。この漢字の意味の奥深さを感じると同時に、今まで以上にもう少し深呼吸を心がけてみようと改めて思った。










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