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北京入院物語(14)


この病院の配食システムはどうなっているかというと、国際医療部にはレストランがあり、一般病棟の病人には広い厨房で作られた廉価な病院食があり、どちらも気に入らない人はこうした屋台形式のお弁当屋で食事を取ることができました。
 また病院のすぐ近くにあるレストランで食事をとることも自由です。
1人20-30元です。
 私はこの屋台形式のお弁当屋で昼食と夕食をとることにしました。
朝食だけは、近くのスーパーマーケットで食パンとバターを買い、周さんが出勤の時に牛乳を買ってくれ、これですましていました。
1日15元(225円)もあればおつりが来ましたので、1ヶ月の食費は7000円弱でした。


 

平成12年9月7日渡航の日がきました。
まったく1人で北京まで渡航するつもりでしたが、介助してくれる人に連絡ミスがあると、中継地点には誰もいないということになります。
地元のJRの駅から京都駅までは、特別に嫁いでいる妹に同行を頼みました。

 すると地元の駅であれほど連絡を頼んだのに、待っているはずの京都駅に駅員の姿がありません。
おろおろしていると、出勤を急ぐ乗客に「車椅子に乗ってくるな」と捨てせりふを言われました。
この日はまた電車とプラットホームには見たことがないほどすごい段差があって、傾斜板なしには降りられません。
もし妹がいなければ、どうなっていたことか?

 あわてて駅員を呼びに行ってもらいましたが、やっぱり連絡が行っていなかったようです。
旅行鞄を持ってドアを開けたとたん、玄関先でひっくり返ったような気分です。
縁起が悪いこと、この上もありません。
頭の上でカラスが大群で飛んでいる気がしました。
北京入院物語(15)

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