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北京入院物語(24)

 古い話になりますが、今から10年ほど前に読売新聞主催の医療ホーラムがありました。
北里大学の学長がその基調講演の中でこういうことを言われています。
「皆さんは病気が治って元気になったと言われるが、私は違うと思う。元気になったからこそ病気が治ったのではないでしょうか?

 病気といい、この元気といい、「気」が関係する話です。
しかし私はそれを展開して、精神修養や低俗な新興宗教に解決法があると考える立場にはありません。

 それらは非常に論証のし難い、あいまいな世界であり、病気を治したい一心の患者の心理につけ込み、怪しげな商売が横行する世界でもあるからです。
なかには科学的な根拠を売り物にした怪しげな商売というのもあります。
「気」については、前に引用した酒谷先生の著書に西洋医の考察が詳しく書かれています。

 私が言いたいのは、病気を治す本源の力は自身の中にあるということです。
しかしその力はじっと待っておれば出てくるというものでもなく、日々自分を変えていく不断の努力を必要とするものです。

 要は自分が変わることです、それはいい意味で誰が見ても「あなた変わったね」と驚かれるほど変わることです。
しかしそのことは、そう簡単でないことも事実です。
北京入院物語(25)


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