愛の香り~I Feel You Linger In The Airドラマと原作小説の気ままな感想 かんたんアユタヤ編
どうも、気ままな感想なのに時間がかかっているnopopoです。
前回の投稿から約1ヶ月💦
書きたいことをどこまで掘り下げて書くかを考えていると時間が経ってしまって・・・
書くのには時間がかかりますが、感想自体は気ままなので気長にお付き合いいただければと思います。
ドラマ本編感想途中ですが、リクエストいただいたので、アユタヤ編を先に書きたいと思います。
アユタヤ編についてはドラマではほとんど触れられていません。
なので基本は原作小説の内容となります。
でも、この過去を知っているとドラマの見方が変わる気がするので、深読みしたい方は読んでみていただけるといいかと思います。
アユタヤ編には映像がほぼ無く、小説もタイ語と英語のみで日本語訳はありません。
なので、基本Google翻訳+私のつたない翻訳での考察になります。
歴史の内容が入るとタイの文化を知らない私には解読が難しい部分があります。
国も時代も違えば分からないことだらけで、分からないことは調べて考察する性格なので、アユタヤ編でその考察をしてしまうと書き終わるのは来年になってしまいそう・・・
なので、今回は愛の香りのアユタヤ時代のあらすじが分かる程度の「かんたんアユタヤ編」ということにさせてください。
※この回については最終話までの流れを知った上で読んでいただけるとより良いと思います。
まずは「愛の香り」小説の流れについてお話します。
原作小説 原題:「หอมกลิ่นความรัก(ホーㇺグリンクヮームラック)」
英語題:「I Feel You Linger In The Air」
パート1:現代→クンヤイの時代
パート2:アユタヤ時代→現代
番外編
という3部構成になっています。
ドラマになったのはパート1とパート2の最後です。
アユタヤ時代のエピソードは少しだけドラマの中に出てきています。
そのおかげで物語に深みが出ていますが、ドラマ内で深くは触れられていません。
小説番外編はパート2の補足やその後が描かれています。
主にクンヤイのその後や現代のヤイについてです。
なので、最後のシーンの謎を解くには番外編のアユタヤではなく番外編の方が参考になるかな、と思います。
今回掘り下げるのはパート2のアユタヤ時代の部分です。
ドラマで言うと、最終話12話でジョムがクンヤイの前から姿を消した後の話です。
ドラマではジョムは現代に戻りましたが、小説ではそのままアユタヤ時代にタイムスリップしてしまいます。
それでは、アユタヤ編について書いていきます。
アユタヤ編
アユタヤ時代とは
1話でジョムがクンヤイと出会ったタイムスリップ先は1927年でした。
アユタヤ時代はそれよりも数百年前です。
ちょっと前どころではなく、だいぶ前すぎます。
この時間軸をみる限り、きっとこの時代がジョムの時間の旅の原点なんだろうな、と予測できます。
1351年と言われても歴史に疎い私にはどのくらい前なのか分かりにくかったので、小説のアユタヤ時代を読み始めた時に日本の年号と比較した表を作りました。
日本だと戦国時代当たりの武士が台頭していた時代ですね。
そう考えると、ジョムがタイムスリップした所がどんなに現代と違うのかという事が想像しやすいです。
※小説やドラマでは仏歴で書かれていますが、分かりやすいように西暦に直してあります。
まずは、これを知ってからこの続きを読んでみてください。
クンヤイ
ジョムがクンヤイの目の前から姿を消した時、恐ろしいほどの静寂の後、突然風や香りを感じ、水の音や詩が聞こえてきます。
また水の中にいたジョムは水面に顔を出すと雷鳴と稲妻と雨・・・
ドラマEP12に出てくるシーンとはタイムスリップした時の様子は違います。
そんなジョムを見つけて剣を突き付けたのは、小説でもドラマでも同じクンヤイそっくりな兵士です。
ドラマEP12の最後にアユタヤ時代にタイムスリップしたジョムがクンヤイにそっくりな兵士に出会い「クンヤイ・・・」と言っています。
それを聞いたクンヤイにそっくりな兵士は「お前は誰だ?なぜ俺の名を?」というのですが、これを聴いた時、私は「?」と思いました。
なぜなら、これまでジョムが呼んでいたクンヤイとはタイ語でคุณใหญ่と書きます。
คุณ(クン:~さん、様)+ใหญ่(ヤイ:名前)
使用人が使うと「お坊ちゃま」という意味もあるようなので、この場合は「ヤイお坊ちゃま」と言う感じのニュアンスでしょうか。
別におかしくないんですが、アユタヤ時代でも本当にそんな言い方してたのかな?
兵士のクンヤイはどう見ても他の兵士より格が上です。
そんな人の事、昔の人がヤイお坊ちゃまと呼んでもいたのでしょうか?
日本だと武士の時代、その時代の武将を一般人が○○お坊ちゃまと呼んで普通に返事するでしょうか?
「無礼者!」って怒られそうですよね💦
アユタヤ時代を知るために私が最初に読んだ愛の香り原作小説は英語版でした。
その本文でこのシーンはどうなっているかと言うと、
ジョム「Khun-Yai(クンヤイ)」
ヤイ 「Who are you? How do you know my name?」
日本語に訳すと先程のドラマのセリフそのまま
「クンヤイ」
「お前は誰だ?なぜ俺の名を?」
です。
ドラマと同じですね。
しかし、その後です。
他の人が「クンヤイ」ではなく
「Wait, Commander Yai(待て、コマンダー・ヤイ)」
と言っています。
その後ずっと読み続けても「クンヤイ」とは誰も呼びません。
あれ?クンヤイじゃない・・・
なのにどうして「俺の名を?」と言ったのか?
と、違和感が残りました。
そこでタイ語版原作小説の同じ部分を見てみました。
タイ語版のこのシーンのセリフはこうなっていました。
ジョム「คุณใหญ่(クンヤイ)」
ヤイ「มึงเป็นใคร เหตุใดจึงรู้ชื่อกู(ムンペンクライヘートゥダイジンルーチューグー)」
日本語訳はこれまでと同じなので割愛します。
でも、その後が違いました。
「ช้าก่อนขุนใหญ่(チャーゴーンクンヤイ)」
ああっ!
クンヤイって言ってます!!!!!
タイ語だと本当に「クンヤイ」って言ってるんですね!
そして、この後タイ語版ではアユタヤ時代もずっと「クンヤイ」呼びです!
同じ「クンヤイ」でも1927年のクンヤイとはタイ語の綴りと意味が違います。
ขุน(クン:司令官)+ใหญ่(ヤイ:名前)
タイの昔の官位制度パンダ―サックの中の一つにขุนがあるので、それでしょうか?
ขุนについて私の知識ではこれ以上詳しくは分かりません💦
タイ語の本に解説が無いことを考えるとタイの人には分かるものなのだと思います。
英語訳のCommanderから推察して、読み方は同じ「クンヤイ」でもこちらは「ヤイ司令官」「ヤイ指揮官」といったところでしょうか。
※実はคุณとขุนでは「クン」の発音が違いますが、そこは文字で読むには必要ないので省略します。
小説日本語訳が出ていないので、とりあえずこのnoteではขุนใหญ่(クンヤイ)は「ヤイ司令官」として書いていこうと思います。
登場人物
登場人物とその相関図を簡単にまとめました。
同じ顔の人が何人かいます。
その人たちが中心となって物語は進んでいきます。
ジョム以外の年齢については詳しい表記はありません。
(ジョムはどの時代でも24歳)
ヤイ司令官については「顔も身長も同じなのに大人びて見える」とあるし、タイ語版ではジョムと話すときに途中から自分のことを「พี่(ピー)」と言っているので、ジョムより年上という事は分かります。
※พี่(ピー):年上の人を呼ぶときに使う
義理の兄弟だったり、国と国の関係性だったりなかなか複雑ですが、文章で書くには限界があったので、少しでも図で伝わると嬉しいです。
ヤイ司令官とジョムの出会い そしてマン
ヤイ司令官たちは自分たちの故郷であるゼーハシンコーンという場所まで体調不良のアンファン王女を連れて帰る途中でした。
そんな時、目の前にいきなり見たこともない服装をしている色白の男ジョムが現れたので、ヤイ司令官たちは警戒します。
ヤイ司令官たちはジョムのことを盗賊だと思い、手枷と足枷をつけて拘束します。
その時に逃げないようにジョムを見張るのがミンと同じ顔をしたマン隊長です。
マンは見た目も中身も1927年のミンと同じ、すごく良い人です。
この話は素敵な人がたくさん出てくるけど、一緒になって平凡に毎日小さな幸せを感じて暮らせるのはミンだろうなあと思います。
なかなか振り向いてくれないヤイ司令官
最初にタイムスリップした1927年のクンヤイは、ジョムを初めて見た時から何かを感じていましたが、アユタヤ時代のヤイ司令官は何も感じません。
怖い顔をして見てくるし、ジョムのことを警戒しています。
ジョムはそれが悲しくて、毎日つい最近まで一緒にいたクンヤイとの幸せな時間の夢を見ていました。
しかし、毎日クンヤイのことを思い出し、そっくりなヤイ司令官を見ていて、ジョムはある仮説にたどり着きます。
クンヤイは出会う前からジョムに深い愛着を持っていた。
ということは、これは輪廻転生が関係していて、ヤイ司令官の時代からジョムを愛していたのではないか?
と。
凄い仮説!
それから、ジョムはそれからヤイ司令官に対してアプローチを始めます。
ジョムはそれほどまでにクンヤイとの愛を信じて疑わなかったんだなあ、とアユタヤ時代を知ると余計にクンヤイとジョムの愛の深さを感じます。
ジョムのアプローチ大作戦
毎日、部隊の中で生活するジョムを見て、ヤイ司令官も周りの人たちもジョムは悪い人ではなさそうだという事がわかり、手枷足枷は外され、ジョムは普通に暮らすことができるようになります。
クンヤイとの愛について仮説をたてたジョムは、急にヤイ司令官を振り向かせようとアプローチを始めます。
それは、なかなかうまくいきません💦
でも、ジョムはあきらめません。
そこで、ジョムはチェスを真似したゲームを自作し、部隊の中でそのゲームを流行らせます。
面白そうなゲームが気になったヤイ司令官はジョムを自分のテントに呼び、二人でチェスもどきゲームをやります。
そして、そこから二人の距離は近づいていきます。
愛の為なら知恵を振り絞る策士ジョムです。
ジョムはついこの間まで愛し合っていたクンヤイとの思い出が忘れられず、クンヤイが恋しくてたまりません。
なので、クンヤイと同じ顔をしたヤイ司令官と距離が近くなった時に思わず酔った勢いで
「愛している」
と言ったり、
「別の人生で恋人同士だった」
と話したりしてしまいます。
ヤイ司令官は驚き警戒しますが、何度も言われるうちにジョムの話す内容が気になり、ジョムに転生のことを尋ねます。
最初は話を聴いても信じられませんが、ヤイ司令官もジョムのことを気にし始め、だんだんジョムに対して優しくなってきます。
呼び方の変化
1972年ではクンヤイはジョムに好意を抱いてから「ポージョム」と呼んでいました。
アユタヤ時代では、ヤイ司令官はジョムのことを気にし始めてから「ジョム・ジャオ」と呼ぶようになります。
ドラマを観た方はこの言葉に聞き覚えありませんか?
ドラマEP12の最初での夢の中でクンヤイとジョムが指輪を掘り当てたシーンです。
指輪を指にはめたジョムの目の前にヤイ司令官が現れ「ジョム・ジャオ」と言っています!
日本語訳ではただの「ジョム」になっているので、ドラマでの呼び方の違いはタイ語が分かる人にしか分からないです。
このシーンのセリフについてはまた後で書きます。
ジョム・ジャオは、タイ語でจอมเจ้าと書きます。
เจ้าを辞書で調べてもこれに相当する意味は出てきませんが、英語訳の注釈に
と書いてあります。
この呼び方の意味を知ったら、ヤイ司令官がジョムを「ジョム・ジャオ」と呼んでいるだけでドキドキしてしまいます・・・
小説の24章の最後に初めてヤイ司令官が「ジョム・ジャオ」と呼んでから、その後はずっとジョムのことをそう呼び続けます。
そして、ジョムと話す時、ずっと自分のことを「กู(グー):俺」と言っていたのに、急に「พี่(ピー)」と呼ぶように。
タイドラマを観たことある人は「พี่(ピー)」呼びになったという事は親しみが増したという事が分かっていただけるかと思います。
クンヤイの時と同じで、呼び方が変わるということは関係性もここから変わっていきます・・・
ヤイ司令官からのアプローチ
ジョムがアユタヤ時代の生活に慣れた頃、ヤイ司令官がジョムを無視することが無くなり、目が合うと微笑んでくれるようになります。
そしてある日、ヤイ司令官とジョムが馬に乗って戻る時に急にヤイ司令官がジョムの頬にキスをします。
え!?急展開!
その翌日、滝で入浴をしていたジョムのところへヤイ司令官が現れ、一緒に入ってきます。
他の兵士の声が聞こえたとき、ヤイ司令官がジョムの腕をつかんで抱きしめ、唇を口で塞ぎ水中に引きずり込みます。
数秒後、ヤイ司令官がジョムを水面に持ち上げ、夜自分のテントに来るように誘います。
このシーンがEP1の水中キスシーンの原案なのかなあと私は思っています。
ヤイとジョムの関係性も違いますし、ドラマでは助けるけど原作ではだいぶ強引にやりこめる感じ・・・
でも、水中でキスをしてその後水面に押し上げるというのが同じなので。
このエピソードを読んで分かるように、ヤイ司令官は自分からアプローチを始めるとすごく強引です。
クンヤイとはまたタイプが違いますね。
ジョム自身も小説の中でその変容ぶりにびっくりしています。
ジョムからヤイ司令官にアプローチしていたので、ジョムはすぐに応じるのかと思いきや、急にこのまま先に進んでよいのか迷ってしまいます。
そして、ジョムはヤイ司令官と距離を置こうとします。
クンヤイとタイプが違うから戸惑ったのでしょうか?
ラントムの花
ラントム(プルメリア)の花と言えば、愛の香りドラマでも小説でも象徴的な香りです。
アユタヤ時代のある村でジョムはラントムの花を見つけます。
ジョムがラントムの木が好きだと知ったヤイ司令官は、自分の家の周りで育ててその花をジョムに取ってあげると約束します。
まだ心を全ては許していないけれど、ヤイ司令官にだいぶ口説かれているジョムです。
きっとこのエピソードがあるから、1927年のクンヤイはプルメリアの香りが好きなんだろうなあと思います。
この花を見た帰りに、儀式の声が聞こえてきます。
その儀式は体に32の霊があってそれが失われると病気になるので呼び戻すというもの。
これって、EP2の招魂の儀式ですね!
原作小説だと、この儀式は声が聞こえてきてジョムがその言葉の意味をヤイ司令官に教えてもらうだけの話ですが、ドラマではそれが効果的に使われていてしかも素敵シーンになっていましたね✨
やっと恋人同士に
ラントムの花の話をしたあたりからジョムはヤイ司令官とちゃんと向き合う決心をします。
そして、夜、ヤイ司令官のテントへ行き、そこで告白され・・・
詳しくは割愛しますが、ココナッツオイルを使っていました。
そして、その後朝までヤイ司令官の胸の中で眠ったジョムでした。
何が起こったのか読みたい方は小説で楽しんでもらえるといいと思います。
晴れてお互い恋人同士になったジョムとヤイ司令官。
クンヤイと同じく、こうなるとジョムにメロメロなヤイ司令官です。
言葉も行動も甘々で、イン司令官を見るジョムの視線に嫉妬をしたりします。
嫉妬の感じはクンヤイと同じで、またクンヤイとの幸せ時間が戻ったみたいで読んでいるこちらも幸せになれました。
イン司令官の恋
オームとカムセンにそっくりなイン司令官。
アユタヤ時代ではヤイ司令官の血のつながっていない弟です。
イン司令官の母親が第1夫人で、ヤイ司令官の母親が第2夫人(愛人?)。
第2夫人に先に子供ができ、その1年後に2人の夫人が同時に妊娠します。
イン司令官の母親は産後2日でなくなってしまい、第2夫人が気の毒に思いヤイ司令官の妹と一緒に自分の子どものように育てました。
なので、3人は本当の兄弟のように育ってきました。
なので、この時代のイン司令官(カムセン)とヤイ司令官は仲良しです。
一緒に部隊を指揮しています。
現代のオームはカイムックと知り合ってすぐに結婚を意識し、
1927年のカムセンはフォンゲーウとの恋を実らせようと頑張っていました。
アユタヤ時代のイン司令官は、身分違いのアンファン王女に恋をしています。
もちろんアンファン王女の顔はフォンゲーウにそっくりです。
ジョムはインがこっそり女性用のヘアアクセサリーを買うのを発見し、それと同じものを後日アンファン王女が身に着けていたことでこの2人の関係に気付きます。
インは自分の想いを隠すことなく上司への愛を超えた視線を王女に送っていました。
ジョムはそれにも気づきます。
しかし、ヤイ司令官はジョムよりインや王女の近くにいるはずなのに、全く気付いていません。
ヤイはどの時代も自分の恋以外には疎いのでしょうか?
それもまた良きですね。
国王の兵士がやって来る
突然、ヤイ司令官が王女を連れ去った罪ということでチェンマイのカム国王の兵士2人がやってきます。
王女のために動いていると思っていたヤイ司令官は罪と言われても全く話が分かりません。
ヤイ司令官と国王の兵士は話が噛み合わず戦闘になります。
そこで、兵士の1人ハンケオがジョムを襲おうとしたのをイン司令官が見つけ、殺してしまいます。
そのことで完全に国王側はヤイ司令官たちを犯罪者扱い。
ヤイ司令官がこれ以上逆らうと故郷ゼーハシンコーンの民と街の命を消し去ると宣告を受けます。
ここまで言われて初めてヤイ司令官は弟のインを疑い始め、事情を聴きます。
アンファン王女がチェンマイの気候で体調不良になったので故郷で療養するために戻ろうとしていると信じてヤイ司令官たちは王女を護衛してきました。
しかし、それはインが作った嘘の話でした。
なんとアンファン王女は子どもを身籠っていました!
これまでの王女の倦怠感や吐き気はつわりの症状だったのです。
それを知っていたのは王女とその側近と侍医とインだけ。
ただ妊娠しただけではこんなことにはなりません。
これまでの2人の経緯から王女のお腹の中の父親はイン司令官だという事になります。
それを隠すため、インはアンファン王女を故郷に連れ帰ろうとしたのです。
ヤイとインの考え方の違い
インから話を聴いて全て知ったヤイ司令官は、インに足枷をつけ、アンファン王女をチェンマイの国王のところへ送り返すことにしました。
どの時代でもヤイは正義を大事にします。
たとえ弟であろうと、王の命令に背いた罰は許せません。
故郷を盾にされて国王に禁断の花に手を出したインとアンファン王女を連れて来いと言われたら、故郷のために罪人を差し出します。
たとえ弟であっても・・・
しかし、インはどの時代でも愛を一番大事にします。
何よりも恋人であるアンファン王女とそのお腹にいる子どもを守りたいのです。
ここまで愛にすべてをかけていると逆にかっこよささえ感じてしまいます。
でも、周りにとっては迷惑なのですが・・・
そして、アンファン王女は自分の意見をしっかり持って言える女性です。
足枷をつけられたインを見て、ヤイ司令官にそれを外してほしいと頼みます。
その上、この罪が死ぬのに値すると思うなら自分とお腹の子もこの場で殺してほしいとまで言います。
インよりかっこいいです。
フォンゲーウも芯が強かったですよね。
やっぱりこの人、どの時代にいても私は好きだなあ・・・
3人の想いが交錯する中、ヤイ司令官が最終的に下した結論は、最初に自分の主であるシーハラット王子から言われた命令に従う事です。
それは、2人の王女をチェンマイのカム国王の元へお送りするということ。
王女を国王の元へ戻す決断をしたのです。
輪廻転生の原点
その決断をしたヤイ司令官に対してイン司令官はこう言い放ちます。
ヤイ兄さん。
あなたには心が無いのか?
この瞬間から俺たちはもう兄弟ではない。
いつの人生でも兄弟として生まれ変わることはない。
お前の恋愛が成就しないように呪ってやる。
もしお前が誰かに心をささげることがあれば、離れ離れになることを余儀なくされるように願う。
お前は今世と来世でみじめさと苦痛に陥るだろう
インが言った言葉は、今後の輪廻転生に大きく関わっている内容です。
確かにその後兄弟として生まれ変わることはないし、今世も来世もジョムを失って悲しむ人生になります。
アユタヤ時代でのことがこの輪廻転生の原点なんですね・・・
ジョムの決意と別れの予感
こんなことになっているのを見て見ぬふりをできないのがジョムです。
自らインの代わりに自分を国王の元へ犯罪者として送るようにヤイ司令官に提案します。
その時、もうすでにジョムには影がありませんでした。
この世の人ではなくなってきているという事です。
なので、国王の元へ行くまでに自分は消えてしまうのでは、という予想をしたのでしょう。
それは、ヤイ司令官との別れの時間が迫っているという事も意味しています。
ジョムはヤイ司令官に別れが近いことを話します。
その時にヤイ司令官は「このあたりにラントムの木を育てよう」と言います。
「やめて」というジョムでしたが、もしかして本当にヤイ司令官はその後ラントムの木を植えたのでは?
それがずっと残ってクンヤイの時代まで・・・と想像してしまいます。
本当かどうかは書かれていませんが、私はそうであったらいいなあ、と思っています。
誓約の指輪
インの代わりに国王の兵士に連れていかれたジョム。
そのまま連行されるのかと思いきや、ジョムが原因でハンケオが殺されたことを許せない国王の兵士ハンルアンはジョムに殺害予告をします。
それではジョムが消える前に殺されてしまうかもしれません。
そうなるとタイムスリップどころではなく消滅してしまいます。
怖くなったジョムはなんとか逃げ出そうとしますが、できません。
怖がっているジョムの元に黒ずくめで変装したヤイ司令官が現れます。
ジョムの殺害予告を聞いていた仲間がヤイ司令官に伝え、助けに来たのです。
ああ、かっこいい・・・
ジョムはヤイ司令官に無事でいて欲しいので、逃げるように言いますが、ヤイはその場に残ります。
そして、不安を感じているジョムに語りかけます。
「ジョム・ジャオ、きいて。
お前は俺と離れる運命にあるけれど、俺の愛は決して色褪せることなく精霊のようにお前についてきてお前を守る。運命がお前をどこへ連れて行こうと、お前が遭遇する危険がどうであろうと、それらの不幸が代わりに俺の霊に降りかかりますように」
そう言って、ヤイ司令官は自分の指にしていた指輪を外し、ジョムの指にはめます。
その指輪は獅子の頭のついたもの。ヤイ司令官がシーハラット王子からいただいた大切な指輪です。
この指輪、ドラマを最後まで観たことのある人なら分かりますよね?
EP12で夢の中のクンヤイが掘り当てた指輪です。
この指輪は、ヤイ司令官の誓約の証です。
そしてドラマでも言っていたあのセリフです!
※ドラマのセリフのタイ語(たぶん)と日本語字幕です。小説とはほんの少しだけ言い方が違いますがほぼ内容は一緒です。
そして、ドラマではここまでですが、この後小説では消える前のジョムに対してヤイ司令官が永遠の愛の誓約をします。
「俺ヤイ司令官は全ての聖なるものに誓って、全ての生涯でポージョムだけを愛することを誓います。」
結婚の誓いみたいですね・・・
でもこれはそんな短い期間の話ではなく、今後何度輪廻転生しようともずっとジョムを愛し続けるという永遠の愛の誓いです。
このセリフがこの永遠の愛の核なので、きっとドラマにもアユタヤ時代のヤイ司令官を登場させたんだと思います。
これにジョムも返答しています。
「もしヤイ司令官と再会する機会があるなら、お互いを忘れないで欲しい。
私たちが生涯で分かち合った全てのことを思い出してほしいと願います」
ジョムはこの愛をヤイが忘れずにいて欲しいと願います。
きっとその思いが通じて、クンヤイも現代のヤイもジョムを愛するという感覚を覚えていたんじゃないかなと思います。
そして、「お前は俺と離れる運命にあるけれど、俺の愛は決して色褪せることなく精霊のようにお前についてきてお前を守る。」と言っていたので、事故で水の中にいたジョムをアユタヤ時代のヤイが助けたんでしょうか!?
ヤイ司令官の愛は時代を超えています!
このときの二人の会話は読んでいるだけで涙が止まらなくなります。
愛を伝え合うだけでなく、お互いがそれぞれの人生で幸せに生きて欲しいという願いを込めたセリフを言っています。
私がこの小説で一番号泣したところです。
これはぜひ小説を読んで感動を味わっていただきたいです!
英語とタイ語ですが、自動翻訳でだいたいのニュアンスは分かります。
ちゃんとした日本語でも読んでみたいので、ぜひ日本語翻訳本も出て欲しいです!
別れの時
そして、ハンルアンがジョムを殺そうと現れ、ヤイ司令官がジョムを守ろうとハンルアンの指を切り落とします。
ひぇぇぇぇ~・・・
このまま映像化したらアユタヤ時代の回は血がたくさん流れます・・・
これがきっかけで国王の兵士たちとヤイ司令官の戦いになります。
それを見ながらジョムは体が浮き上がり、消えてしまいます。
ヤイ司令官、その後どうなったのか・・・
気になります・・・
そして、目が覚めると現代で酔っぱらって車を運転している所に戻ります。
その後はドラマの通りです。
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ということで、かんたんアユタヤ編でした。
なんとなくあらすじは伝わったでしょうか?
詳しく知りたい方は是非原作小説を手に取ってみてください。
ヤイとジョムの輪廻転生の起源とその呪いが分かるという回でした。
すごく重要なので、ドラマに全く入れないというわけにはいかなかったんだと思います。
でも、時代が違いすぎるし、話も長いし、予算も時間も色々ドラマ化するには難しかったんだろうなあと勝手に思っています。
適当に作ればできないことはなかったと思いますが、このドラマの衣装や時代設定などのこだわりをみていると、やるならちゃんとやりたかったんだろうなあと思います。
色々な制約がある中、ドラマではクンヤイの時代の中にアユタヤのキーポイントを上手く入れ込んでまとめてあって素晴らしいと思います。
この動画の8分48秒からアユタヤ時代のドラマへの入れ込み方について語られています。
イースターエッグとして入れ込んだということは、ドラマの中のアユタヤ時代を見てワクワクしてより楽しめるようになっているという事ですね。
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いつも長い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「愛の香り~I Feel You Linger In The Air」をより楽しんでいただけたら嬉しいです。
※画像はDeeHupHouse公式X、公式YouTubeよりお借りしました。