愛の香り~I Feel You Linger In The Airドラマと原作小説の気ままな感想 第3話
どうも、しばらくプライベートが忙しく文章を書く余裕がなくなっていたnopopoです。(ドラマは流し観できるのでずっと観ていましたが・・・)
前回の感想からだいぶ時間が経ってしまいました。
ちょっと落ち着いてまた書けるようになったので、今回もドラマを観て気になったことについて書いていこうと思います。
3回書いてみて分かったのですが、気ままな感想と書きながら気になることを調べながら時間かけて書いています。なので長いです。
これが私の気ままスタイルなので、お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです。
第3話
カムセンとフォンゲーウの密会
3話は「アーイ・カムセン」というフォンゲーウのセリフから始まります。
2話でロバートに嫁いだフォンゲーウですが、夜、人気のない船着き場で男と密会をしていました。
相手はカムセン。
これをジョムがたまたま遠くから見ているんです・・・
2人の会話から、
・フォンゲーウはロバートにお金で買われた
・フォンゲーウの家族の店が火事になり、全てを失った
・カムセンとフォンゲーウは良い仲だった
ということが分かります。
この時代、お金で人を買えてしまうんですね。
愛の無い結婚は悲劇です・・・
結婚の経緯も気になるけれど、この密会を見てしまったジョムはそれ以外のことが気になります。
カムセンは現代でジョムの元恋人だったオーム、フォンゲーウは現代でオームが結婚することになったカイムックにそっくりなのです!
ジョムにはこの密会が現代のつらい記憶のデジャヴ・・・
タイムスリップして忘れようと思った矢先にこの展開は辛すぎます。
そして、そんなジョムとは別にこの密会を目撃した人が。
ロバートの使用人の一人、カイムックです。
大きな声で騒ぎ立てるので、それに驚きカムセンは逃げます。
ジョムもバレないように立ち去ろうとしますが、見つかってしまいます・・・
カイムックは2話でフォンゲーウが嫁いできた時もフォンゲーウのことをすごく嫌な風に話していました。
きっと、彼女を見張って何か揚げ足をとってやろう位に思っていたんだと思います。
そうしたら、男との密会を見てしまった。
それは上司に報告するに決まっています。
ということで、ロバート家に戻ったフォンゲーウとカイムックはロバートとウアンプンの前で船着き場で何があったのかを話すことになります。
カムティップはフォンゲーウが男と会っていたことを話し、その証人としてジョムが呼ばれることになりました。
話に関係ありませんが、私はこの「アーイ・カムセン」というフォンゲーウのセリフが大好きです!
どうして好きなのかうまく説明できませんが、ただ名前を呼んでいるだけなのになにか惹かれるものがあるんです。
フォンゲーウ役の女優さんの言い方が好きなのか、フォンゲーウという人物が好きなのか・・・とにかくこのセリフが頭から離れず、何度見てもいいなあと思います。
ジョムの複雑な気持ちと発言
その頃ジョムはというと、隠れていたカムセンにつかまります。
その顔をみて驚くジョムはどんなことを考えていたんでしょう?
オームに似ているから驚いているのか、オームに受けている仕打ちに驚いているのか・・・
そして、ショックを受けるジョムに追い打ちをかけるように、カムセンがカイムックを助けるような発言をするように頼みます。
「彼女を助けてくれ
見たことを言わないで欲しい」
それだけでなく
「俺と彼女の愛を守ってくれ」
とまで言われてしまいます。
自分の元彼に新しい彼女との愛を守れって言われるの、辛すぎますよね・・・
クンヤイ登場!
そして、ミンに連れられてロバート邸へ行ったジョム。
浮気現場を見たのかどうかロバートに尋ねられ、困っていると、なんとクンヤイ登場です!
ベストタイミングすぎる!
そして、クンヤイが来た時の安心感!
なんでしょう?クンヤイが画面に登場しただけでこれ以上悪くなることはないと思えてしまう神々しいオーラを感じます。
ロバート「ヤイ、なぜここに?」
ヤイ「僕の使用人に関することですから、来て当然です」
ロバート「珍しいな、誰にも無関心だったくせに」
・・・このやり取りでクンヤイがジョムのことを気にかけているって分かりますよね?
使用人のことで夜中に呼び出されてすんなり来るのは、きっとジョムだからですよね?
この一件で、クンヤイとジョムの関係が普通でないことに勘のいい人なら気づきますよね。
そして、ジョムは何と言ったか・・・
ここまでだんまりだったジョムですが、クンヤイに質問されてやっと口を開きます。
クンヤイ「見たのかどうか答えられるかい?」
ジョム「はい、見ました。フォンゲーウが男といるのを」
このやりとり、クンヤイの聴き方が優しすぎると思ったのは私だけでしょうか?
使用人にこういう聴き方しますか?
ロバートなら「答えろ!」と言いそうだし、他の人なら「答えなさい」と命令しそうです。
でもクンヤイは「答えられるかい?」と相手を尊重する聴き方をする。
これはクンヤイの元々の優しさなのか、ジョムだからなのか、想像すればするほど答えが出ずに妄想の沼にハマっていきます・・・
話を戻します。
ここのセリフ、一言一句から色々なことを想像できるので書き残します。
ロバート「相手は誰だ?」
カムティップ「船着き場で抱き合ってシクシク泣いていましたよ。
まるで運命を嘆くかのようにね」
ジョム「でも僕には彼が誰で本当に浮気相手かは分かりません。
遠かったので。これがすべてです。」
ジョムはフォンゲーウをかばう義理はない、むしろ恋敵なのでそんなことはしたくない。
でも、カムセンに頼まれてしまったし、カムセンのことはかばいたい。
そして、この状況で正直に全て話すのは良くないというのは分かる。
だから、彼がこの時にできる精一杯のかばい方をしたんだと思います。
カムセンのことはかばえたけれど、フォンゲーウについては男と会っていたという事を言ってしまったので全くかばえていません。
このときのジョムを見るフォンゲーウの顔がまた想像をかきたてます・・・
怒りなのか諦めなのか失望なのか・・・
ウアンプンとムーイ
フォンゲーウの密会騒動の後、ウアンプンはムーイを連れて部屋へ戻ります。
そこで耳にしたムーイの「ウアンプン」呼び。
使用人なのに対等に相手の名前を呼んでいます。
友達なのかな?
と思ったけど、会話のやりとりを見ているとなんだかそれ以上の関係のようですね。
小説ではこの2人の関係性はないので、これはドラマだけのお楽しみです。
2人きりになるとウアンプンがムーイに甘える立場逆転がたまりません。
フォンゲーウの悲劇
ロバートから部屋に突き飛ばされるフォンゲーウ。
みんなの前では一度終わりましたが、その後また責められています。
ロバートが言った
「まだ本当の妻になっていない。きちんと自覚させてやらないとな、俺はお前の夫だと」
という台詞で、フォンゲーウはまだ貞操を守っていたけれど、ここで失ってしまうのだと想像できます。
好きでもない相手と無理やり結婚させられて、好きな男との密会が見つかった後にこんなことになるなんて、フォンゲーウの立場からしたら地獄ですね・・・
ロバートがフォンゲーウに
「お前みたいな女を妻にしたばかりに同業者の外国人たちから軽蔑の目で見られてるんだ」
というセリフがあります。
これは原作小説では、ロバートがウアンプンと結婚したことについてこういう内容のことが書かれています。
ロバートのような西洋人の材木商人がラーンナー(※下で説明)の女性と結婚することはほとんどなく、結婚するときも友人たちは2人の結婚式への出席を拒否していたようです。
ロバートは嫌な奴ですが、時代的に西洋人と結婚したウアンプンはとても恵まれていたようです。
呼び方いろいろ
2話の感想の時に人を呼ぶときに名前の前につける言葉について説明しましたが、この3話の最初はそれが色々出てきます。
フォンゲーウはカムセンには「アーイ・カムセン」と言ってるけど、ロバートのことは「ファラン」呼び。
ロバートはムーイもフォンゲーウも「イー・ムーイ」「イー・フォンゲーウ」と呼んでいます。
ムーイもミンのことを「アイ・ミン」と呼ぶけれど、ウアンプンは「ウアンプン」呼び。
そして、使用人たちからは「ファラン」と呼ばれているロバートもクンヤイからは「P’ロバート」と呼ばれています。
字幕ではどれも名前だけの表記ですが、タイ語の呼び方を聞くと相手をどういう扱いしているのかが分かって、面白いです。
ちなみに原作小説だとロバートの「ファラン」は「Boss(ボス)」になっています。「ファラン」はきっと西洋人のご主人様という感じなんですね。
呑みながらミンが語った使用人の生活
その後、ミンが手作りの酒を持ってきてジョムと外で酒を飲みます。
ミンはジョムを元気づけようと酒に誘ってくれたんだろうと思います。
何ていい友達・・・
何気ないシーンなんですが、ここに当時の使用人の生活が表現されているなあ、と思ったので少しだけ触れます。
まずは、酒を自分で作って持ってきたという事。
自分が飲む酒は自分で作る。お酒を買うのは贅沢だったのかな。
以下、ミンのセリフからの抜粋です。
・以前はランパーンの権力者に使えていた
・中央集権でその方は力を失ってロバート様に助けられた
・俺たちの人生は2つだけ。何よりもご主人様、そして酒。
日が昇ったら仕事して、日が暮れたら酒を飲む
ご主人様にお仕えすることが彼らの生活のほとんどを占めていたことがこの短いシーンから分かります。
ジョムがこの時代の使用人の生活や気持ちを知るすごく重要なシーンだなあと思います。
翌朝のフォンゲーウ
昨夜の嫌な夜が明け、翌朝のロバート邸では、またカムティップが騒いでいます。
カムティップ曰く、昨夜ロバートがフォンゲーウの部屋に入り、その後ドンドンという大きな音がした。今朝川で服を洗っていた、とのこと。
カムティップはフォンゲーウがロバートにひどく殴られたと思っています。
でもその後、実際に川で泣きながら服を洗っているフォンゲーウの映像が流れたときに視聴者は殴られたのではないと察します。
スカートに血がついていましたよね。
それは、ロバートに襲われて処女を失ったということを意味しています。
それを見かけたジョムが近づき、声を掛けますが、フォンゲーウは
「誰のせいでもない。受けて当然の報いよ」
とジョムを責めることはありません。
その後のジョムの何とも言えない顔・・・
ここは小説でははっきり書かれています。
まず、フォンゲーウはロバートの新しいお気に入りの使用人になり、ロバートは彼女の気持ちを待つと言ってまだ処女は失っていないらしい、と。
しかし、男との密会が明らかになった後、ロバートはフォンゲーウを自分の女にしたくて彼女を襲った。
そのことを使用人たちの噂から知ったジョムは、心の中で
「これはレイプとどう違うの?
フォンゲーウの姿は(カイムックと同じだから)軽蔑するけれど、だからと言って彼女にそんなひどい仕打ちを受けさせたかったわけではない。」
と後悔の念に駆られます。
そして、
「自分は彼女に対して罪を犯したので、来世では彼女が私を傷つける番だ」とはっきり自覚します。
ここで、自分が現世でオームとカイムックの結婚で受けたショックはここからの流れだったのだと輪廻転生の呪縛を知るシーンです。
その後、小説では
「どうしてあの時男と一緒に逃げなかったのか?」
とも、ジョムはフォンゲーウに聞いています。
それに対してフォンゲーウは、自分が逃げたら11歳の妹が同じ目にあうのでそんなことはできない、と答えています。
そしてドラマと同じで「誰のせいにもしない」とはっきり答えているフォンゲーウ。
それを聴いてジョムはこの時代のフォンゲーウは人生の選択肢が限られている一人の女性だと気づき、
「いつか自分が役に立てるならあなたを手伝います」
とまで言います。
このフォンゲーウとの一件でジョムはこの時代に生きる人の自由度の無さと自分の現世とのつながりを一気に実感する、とても印象深いシーンでした。
ここで、泣くだけではなく心の中に確固たる信念をもつフォンゲーウは素敵だなあ、と私はここでフォンゲーウを好きになりました。
子ブタのホープとジョム
さて、このドラマの癒し担当子ブタのホープが出てきます。
「ホープ、僕は何してるんだろうな」と抱き上げたホープに向かって呟くジョム。
フォンゲーウの一件で落ち込むジョムにとってもホープは癒しなんですね。
その後、ホープのしつけや子ブタのレースについての話が続きます。
ここが小説と全く違うので、ドラマと小説との違いをまとめたいと思います。
ホープについて
【ドラマ】
・クンヤイの弟レックが飼っている子ブタ
・名付け親はジョム
【小説】
・ロバートが子ブタレース用にジョムとスヤ爺さんに市場で買ってこさせた3匹の子ブタ(ゴールデン、ポルカドット、ホープ)の中の1匹
・名付け親はロバート
ホープのしつけについて
【ドラマ】
・音でしつけ。
・鈴を鳴らしてから餌をあげると鈴を鳴らせば来るようになる
【小説】
・任務遂行すればバナナケーキを与える餌付け方式
・ホープのためにシェフに特製バナナケーキを焼いてもらう
ブタを飼っていたかどうか
【ドラマ】
・ジョムの妹が飼っていたので、ジョムは豚のしつけに慣れている
【小説】
・ジョムはペットを飼ったことがないので、しつけについても本や動画で見たことを真似てやっている
子ブタレースについて
【ドラマ】
・ジェームスからクリスマスの催しでブタのレースがあることを聞く
・ジェームスとロバートは豚の調教師を探しているが、ジョムはその調教師にはならない
【小説】
・ロイクラトンデーの1か月後に毎年開催される大イベントの中の一つに子ブタレースがある
・ジョムはロバートの使用人として3匹の子ブタを調教し、スヤ爺さんと一緒に本番のレースにホープを連れて参加する
・ジェームスに来年のレースのために子ブタを調教してほしいと頼まれる
(これだけドラマと同じ!)
ホープが出てくるシーンについて
【ドラマ】
・いつもクンヤイが後ろで見守っている
【小説】
・ジョムがロバート邸で働いている時なので、基本クンヤイはいない
・豚を買うためやホープの餌のバナナを買うために市場に行く途中でパビリオンで読書をしているクンヤイを見かける
・子ブタレース当日、クンヤイは観客として参加し、そこでジョムとホープに会う
小説ではホープが出てくる時はジョムはロバートの使用人でクンヤイとは生活空間が違うため、ほとんど会いません。
でも、子ブタレース当日にジョムがホープを撫でているときに観客として観に来たクンヤイが現れてジョムと会話するシーンがあります。
ドラマの中でもジョムがホープを撫でているときにクンヤイが現れるシーンがあって、細かいところ一緒にしてるなあ・・・と感動するばかりです。
ドラマで話に出てくる子ブタレースは小説の中では実際に行われていて、アナザーストーリーとして楽しめます。
それについては「小説からの追記」で書きます。
Mr.ジェームス
ジョムがホープの名前を呼んだ時、たまたま近くにいたジェームスにそれが聞こえ、ジェームスは「ホープ」という英語の名前を付けたジョムに興味を持ちます。
この時にジェームスは
「おもしろいな(น่าสนใจดีนะナーソンジャイディーナ)」
と言っています。
「น่าสนใจ(ナーソンジャイ)」って、よく聞きますね。
興味深いっていう言葉なので、ジェームスはジョムに興味を持ったという事ですね。
ここでジョムの名前の由来についても分かります。
「ジョムは、何かに秀でた人という意味」だそうです。
すごく素敵な名前です。
私はジェームスをこのドラマの中でとても重要な意味を持つ人だと思っています。
ロバートのよき理解者であり、西洋人なのに偉ぶらずとても感じの良い人。
めちゃくちゃ好感度高いです!
そして、ジョムの魅力にすぐに気づき、それがクンヤイの気持ちを刺激する。
ジェームスがジョムに話しかけている時にクンヤイが来た時のやり取りが好きです。
ジェームス「クンヤイ、僕が来ると知ってたみたいですね」
クンヤイ「僕はただ・・・うちの者に何か?」
クンヤイ、きっとジョムの事ずっと見てたんですよね。
そしたらジェームスが来て親しげに話しているから気になって間に割り込んできたのでは?
それをすぐさま察知したジェームスとジョムが気になって仕方ないクンヤイのマウントの取り合いにしか見えない!
その間に挟まれたジョムはどんな気持ちだったのかなあ?
こんな良い男2人に取り合いされるなんて、ジョムはすごい・・・
クンヤイのライバル的存在なんだけど、それを上回るクンヤイとジョムの世界があるので、終始あまりハラハラせずにみられる三角関係です。
でも、ジェームスがいないとクンヤイとジョムの関係はもっとゆっくりペースだったんじゃないかな、と思います。
原作小説にもジェームスはロバートの友人として出てきます。
フレンドリーで、地元の人々を見下したり、多くの外国人のように優越的に振舞ったりすることのない威圧感の無い人と書かれています。
ドラマと全く同じです!
小説でもロバートの元で働くジョムに興味をもち、親しく話しかけ、子ブタレースなど色々なことを教えてくれます。
ロバートがすごく嫌な感じなので、この当時のタイにいた西洋人はみんな威圧的だったのかと思ってしまいますが、ジェームスが出てくることで、良い人もいたんだと分かります。
そして、ラーンナーの女性と結婚して西洋人からは馬鹿にされ、ラーンナーの人たちからは主人として恐れられているロバートにとっても、ジェームスは唯一心許せる仲間だったのかなあ、と思います。
クンヤイとジョムの間には割り込めませんが、ジェームスはお金持ですごくかっこよくていい人だし・・・彼氏や結婚相手としては最高です!
クンヤイとのお出かけ
クンヤイから突然カード・ルアンに連れて行ってくれ、と頼まれたジョム。
2人だけでお出かけです!
何をするのかと思ったら、クンヤイがジョムの服を選んでいます。
これはデートでは?
ご主人様が使用人の服をわざわざ一緒に買いに行きますか?
「外出するときに新しい服が必要だろ?」
誰と外出するんですか?
あ、クンヤイとですよね。
しかも、自分で選んでジョムに服を当て「どう思う?好きかな?」とか。
特別扱いすぎます!
こんなことされたらそりゃあジョムも照れますよ。
このシーンで思い出したのは「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」4巻に出てきた初デートで黒澤が安達に服を買ってあげるシーン。
安達の服の支払いを黒澤がしようとした時に安達が聴いてしまった店員の心の声、
「男が服を贈る時・・・それは脱がせたいって意味なのさ。
気を付けなよボーイ」
そっくりそのまま、ジョムに言ってあげたくなりました。
悲しみでジョムを襲うカムセンと母の言葉
そんな幸せなデートも長く続きません。
クンヤイが少し離れたすきにたまたまフォンゲーウとの駆け落ちが失敗し酒におぼれたカムセンに再会します。
元恋人と同じ顔をした人に「お前は本当に人でなしだ」と言われただけでなく、「殺してやる」とまで言われてしまうジョム。
辛すぎます・・・
現世の失恋から抜け出せないのにまだ自分を苦しめるカムセンに怒り爆発して、殴り返すときのセリフが痛々しい。
「僕に同情を求める前に僕に同情してくれた?」
そりゃ、そうです。
でも、カムセンとしては、そんな未来のことは知らないのでいいとばっちりですよね。
ここでカムセンがフォンゲーウからの手紙の内容を話しています。
「私のことは忘れて。今世は外人野郎の妻だから」
これはカムセンの言葉なので、フォンゲーウは外人野郎とは書いてなかっただろうと思います。
そして、カムセンも
「今世で俺たちが不幸になるなら、お前も幸せになれると思うな」
と言っています。
ここで「今世」と2回も出てきたのが輪廻転生を示唆しているなあ、と聞いた時一人で興奮しました。
このカムセンとフォンゲーウの言葉、小説ではこの時代ではなく、もうひとつ前のアユタヤ時代まで遡ります。
アユタヤ時代は次回まとめて詳しく書こうと思うので、ここでは簡単にしか書きませんが、アユタヤ時代にもカムセンとフォンゲーウ(名前は違う)が出てきます。
そこでもクンヤイとジョムの2人が二人の間を引き裂いてしまう事になり、今世だけでなく来世までも苦しむという呪いの言葉をかけられます。
それがずっと輪廻転生して続いているのがこのドラマの世界。
アユタヤ時代を出さない代わりに、この時代にカムセンの世代を超えた呪いの言葉を入れてきたな!と気づいたときはまたもや一人で大興奮でした。
クンヤイにどんどん惹かれていくジョム
カムセンとフォンゲーウの件で現世の失恋の痛みを引きずりながら、この時代を生きる2人の人生を台無しにしてしまったことで苦しむジョム。
それをいやすのはやはりクンヤイです。
ジョムの気持ちに共感した上で言ったクンヤイの殺し文句。
「君の幸せを祈ってる。たとえそれが夢の中でも」
見つめ合う二人のBGMはASIA7「จอมขวัญ(ジョムクワン)」のインストバージョン。
この曲が流れるときは、決まって幸せシーンです。
そして、みんなが大好きなクンヤイのセリフに必ず登場するおやすみのセリフ。
「ราตรีสวัสดิ์(ラートリー サワット)」
最近のドラマで「おやすみ」は「ฝันดีนะ(ファンディーナ)」が多いので、この言い方はドキッとしました。
ジョムも同じかな?
ミンの家に帰ってからもジョムは手首の紐を見てクンヤイのことを思い出しています。
ここは小説にははっきりジョムの変化が書かれています。
ずっとオームの夢を見ていたのに、クンヤイに出会ってからその夢を見なくなった、と。
ジョムの中でクンヤイの占める割合がどんどん大きくなって、失恋の痛みが消えそうになっています。
ポー・ジョム
長くなりました、3話はこれを書かないと終われません。
最後のジョムがホープを抱っこしているシーンでクンヤイが突然
「ポー・ジョム」
と呼び始めます。
ジョムも驚いている所を見ると、この呼び方はとても親しい間柄でしか使わないようです。
ジョム「どうしてそんな親しげに僕を”ジョム”(ポー・ジョム)と?」
クンヤイ「私にも分からないけど、そう呼ぶのがしっくりくるんだ」
クンヤイって、殺し文句をさらっと言えますよね。
こんなこと言われてときめかない人はいないんじゃないでしょうか?
そして、ジョムに執事としてもっと近くで働いてほしいと依頼するクンヤイ。
またもBGMはASIA7「จอมขวัญ(ジョムクワン)」です。
しかも初の歌つき!
この歌詞の部分だけ流れるのは絶対に考えられて使われていると思います!
クンヤイの心の声を歌が代弁している!
このドラマのOSTの使い方、絶妙すぎます!!!
小説で初めて「ポー・ジョム」が出てきたのは、ドラマにはないシーンです。
まだロバートの使用人でお互い顔を知っている程度の時、子ブタレースを観に来たクンヤイが落としていった懐中時計をジョムがクンヤイの屋敷まで届けた時に「ポー・ジョム」と呼んでいます。
この時の関係性はドラマより小説の方が少し関係は薄いですが、この「ポー・ジョム」呼びが始まった時から明らかにクンヤイの言動が親密さを増すのはドラマも小説も同じです💕
そして、エンディングはいつもの COCKTAIL「ลั่นทม (ラントム)」で締めです。
原作小説からの追記
3話はフォンゲーウの密会の話以外はドラマと小説では違う展開です。
でも、小説のエッセンスがちゃんとドラマになっているので、3話の内容に関係する小説の内容もここで書きたいと思います。
舞台になっている時代
小説ではジョムとジェームスが子ブタのレースをしている時、会話の中で時代についての話が出てきます。
ジェームスが来年のレースに自分の子ブタを出したいというので、ジョムが「来年はA.D.何年?」と尋ねます。
ジェームスは「A.D」を知っているジョムに驚いています。ラーンナーの人たちは仏歴を使っていたので、西暦をしっているのは珍しかったんでしょうね。
※A.D.:アンノドミニ。紀元後。西暦と同じ。
キリストが生まれた年から数えて何年かという年の数え方。
そこで帰ってきた答えは「今年は1927年なので、来年は1928年」
ドラマと同じ年設定です。
それを聞いたジョムはこの年のことを「第一次世界大戦の9年後で第2次世界大戦の12年前」だと知ります。
今後タイに訪れる悲劇、大東亜戦争で林業に大きな影響が及び今の西洋人の繁栄は戦争により失われることや、国民は日本兵によって強制収容所に入れられ数えきれないほどの人がそれを生き延びることができないことなどを思い起こし、ロバートやウアンプンのこれからのことをとても心配します。
※これを読んでいて、歴史が入ってくると日本とタイはこういう形でかかわることがあるんだな、と複雑な気持ちでした。
実際の子ブタレース
小説では、クリスマスの日に西洋人たちでポロや競馬、子ブタのレースなどが開かれます。
ジョムはスヤ爺さんと一緒にそのレースに出るための子ブタを3匹育てます。
しつける方法は、任務を遂行すればご褒美をあげるというもの。
そのご褒美がバナナケーキ。
普通のバナナの中にキャベンディッシュバナナを少しだけ混ぜたより甘い香りにしてある特製ご褒美ケーキです。
ジョムはロバート家のシェフに頼み込んでこのケーキを作ってもらいます。
訓練の結果、3匹の中で一番成績の良かったのがホープ。
ジョムはレース当日はホープを連れて行きます。
そこに、父親の代理としてこのイベントにゲストで来ていたクンヤイがやってきます。
これが、ドラマの中にも出てきたホープを撫でているジョムにクンヤイが話しかけるシーンです。
この時のクンヤイの衣装は黒のスーツに蝶ネクタイで夜のパーティーっぽいとあるので、こんな感じ?
ジョムと2人で話していた時、遠くにいるジェームスがジョムに微笑みかけ自分を応援するように頼んだのを見て表情が曇ります。
ドラマと同じ、ジェームスへの嫉妬です。
そして、もっとジョムの気を引きたくて、家にラントムの花を取りにおいで、と誘っています。
この時にクンヤイが高級懐中時計を持っていて、それを落としてしまい、それをジョムが後日届けることに・・・
私はこれはクンヤイがまたジョムに会いたくてわざとやったと思っているんですが、真相はいかに?
子ブタレースの話に戻ります。
実際のレースでは、ジョムはゴールでバナナケーキをもってホープの名前を呼びます。
ホープはお腹を空かせているのでご褒美のバナナケーキに一目散!トップを走っていました。
しかし、ここは西洋人たちの娯楽イベント。
風に乗って100%キャベンディッシュバナナのケーキの香りが流れてきました。
ジョムが持っていた少しだけキャベンディッシュバナナがまざっているだけのバナナケーキよりおいしそうなバナナケーキの香りがしたので、おなかをすかせたホープはもちろんそちらへ走ります。
という事で、そこからホープはゴールへ向かわず観客席へ走り、おいしいバナナケーキを食べようとウェイターをよじ登り、テーブルクロスを引っ張り、テーブルの物を落とし、見事バナナケーキを食べることができたのでした。
観客たちは笑っていましたが、ロバートにとっては笑いものにされたことが屈辱で、ジョムもショックを受けます。
小説の中でも、ホープは天真爛漫で可愛い癒しの存在でした。
クンヤイとの再会、そして何かを感じる・・・
クンヤイが落としていった懐中時計を見つけたジョムは、ミンと一緒にこれを届けに行きます。
そこでクンヤイが懐中時計を受け取るときに、懐中時計を持っているジョムの手の甲を掌で包み込み、もう片方の手を上に置きます。
ジョムの手をクンヤイの手で包み込んだ形です。
クンヤイがジョムの手を包み込んでいる映像、前に観たことあります!
この時です!
これ、紐を巻いただけなのに手をずっと握ってて離さないなあ・・・と思っていたら、原作では時計を受け取るだけなのに手を握って離さない・・・
クンヤイ、やりますね。
気持ちを抑えきれないタイプなのかな?
そして、見つけて持ってきてくれたお礼に褒美をあげたいというクンヤイ。
でも、ジョムは欲しいものはないと言います。
何気ない会話ですが、ここから2人の関係がどんどん変わっていきます。
そのやり取りの後はこんな文章で締めくくられています。
せっかくなので、タイ語原文を。
という事で、ここから2人の運命の歯車が合わり回り始めたようです。
欲しいものは物でもお金でもない・・・2人がこれに気付く日はいつなんでしょうね。
2話の招魂の儀式の2人もこんな感じだったのかなあ、と妄想が広がります。
・
・
・
ということで、3話の感想はここまでです。
いつも長い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
愛の香り~I Feel You Linger In The Airをより楽しんでいただけたら嬉しいです。
※画像はDeeHupHouse公式X、公式YouTubeよりお借りしました。
2024.06.03追記
ドラマの中のタイの記載を原作小説と同じように「ラーンナー」に変更しました。