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パラレルな世界への跳躍
前日のこと。成田凌くん主演映画『雨の中の慾情』をみにいった。
正直前半はタイトル通り「慾情」を表すシーンがイヤっというほど続く。成田凌くんの濡れ場をお目当てに来たならば最高なのだけど、ぼくはべつに作品をみたかったので、正直何度も身体を重ねあう姿をただただぼーっと眺めていた。
中盤からだろうか物語がどんどんと破綻しだす。物語は並行世界へいくつも展開し、設定も状況もどんどん狂っていく。これにはぼくも目が覚めて齧り付くように主人公が迎えるであろう顛末を予測しながらワクワクドキドキ。
原作はつげ義春の同名マンガではあるが、正直そうそうな脚色がなされているにちがいない(残念ながら未読)。本作は恋愛映画でも人間ドラマでも戦争ドラマでもある。
幾重にもつらなるストーリーラインに正直面食らったひとも多いだろう。ぼくもそのひとりである。作品にふれるとときに完ぺきな結末なんていらないと感じる瞬間があって、本作はまさにそのとおり。
観客が各々都合よく解釈して本作をたのしんだらいいと思う。いま大手配給映画館で上映している作品ではいちばんセンセーショナル。この機会に新たな映画に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
なんてね。