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八助梅3 (梅と松. )

梅干しづくりに松葉を
入れています。

梅干し作りに松葉を
加えることに関しては、

古い本に書いてありました。

その中の一冊が
一日一粒梅干し健康法。


松本紘斉(こういさい)さんの話は
どれも興味深く、読みやすい。

古本市などで昔の本を探すのもいいですね。

ただ、実際に松葉を入れたのは、
今回が初めてです。

松葉の栄養と梅干しの
相乗効果があること、
また松の風味と梅がよく合うそうです。

松葉は梅の邪魔をしない程度の
の量にしました。

梅を塩漬けして、
赤紫蘇を入れたすぐ後に
松葉を入れました。

鮮やかな黄緑色の若松葉は、
すぐに色が落ちました。


まるで梅酢に松が
溶け込んだかのようです。


梅干しを干す時に、
松葉も赤紫蘇と一緒に
干すのかどうかは不明です。

ただ、松葉って赤シソに
絡まっているし、赤紫蘇を
絞るときに手に
刺さって少し痛い。

一緒に干すことにしました。
全て取るのは時間が
かりすぎる。

とは言っても、後で松葉を取る必要は
あると思う。

松葉は適当にとりながら
梅を干していこう。

梅酢の中にも松葉は
たくさん残っており、

赤シソにからまっているものだけ、
松葉を干す。

実際に梅干しはどんな感じになるのか、

松葉が加わってどうなるのかは、
きっと後日わかって
くると思います。

梅肉エキスの元祖、
梅丹(めいたん)本舗の
2代目社長さんが、

塩を炒ったり、松葉を入れるのは当社ぐらいだろう、と言われていました。

参考お手本として、梅丹本舗さんの梅干しがあればと思ったのですが、

今や製薬会社の傘下に入り、
梅干しは扱って無さそうそうです。

松葉を入れるのは
企業秘密だったそうですが、

美味しくて薬効のある梅干し作りを
知ってもらいたいから、
書籍で紹介されたそうです。

当時、梅干し大ブームだったそうで、
知っている人はいるはずです。

でも松葉を入れて干す人は
今のところ知らない。

後で気がつきましたが、
松葉を入れると良さそう、
ただ、手間は増える、ということ。

さて、梅干しの天日干しを
進めています。

昔の梅干しの漬け方で
今と違うのは、
天日干しのやり方です。

三日三晩、梅干しを干す、
というのは、
3日は日光の光に当て干す。

3日は夜に干す。
ということだそうです。

3日間、ぶっ通しで干す(干しっぱなし)ではない。

日中干したら、夜は梅酢の中に
梅を戻す。

3回日中に干し終えたら、
今度は逆、つまり夜に梅干しを干す。

そして、日中は梅酢に
梅を戻して梅酢につけるという。

複数の本で、干しっぱなしは
間違いだって
書かれていたので、

おそらく、いつからか
3日間そのまま干し続ける、
と変わってしまったようです。

「三日三晩」よく文字を見れば、確かにそう。
もし干し続けてするなら、

三日三晩ではなく、
三日間と言った方がわかりやすい。

ただ、夜間、そして日中に
梅酢に漬けるやり方ですが、

実際にやってみてわかるのは、
手間が増える。そして
梅酢がなくなっていくことです。

梅が梅酢を吸い込み、
干す。

梅酢は日中外に出すわけだし、
さらに水分は減る。(梅酢も干します)。

梅酢が梅のなかにまた
入るようなものですね。

梅酢がどんどん濃厚になっていくのと、
量が減って、
どろっとした梅酢に
なっています。

そうなると梅干しの塩分は
どれくらい上がるのか、
わからない。

私は梅の重さの約20%の塩分で
漬け込んでいますが、

松本こうさいさんによると、
20%に減らして作って良い、
腐らずにできる、という。

要は塩分20パーセントは減塩梅干し、
ということですね。 

失敗せずにでき、
尚且つ梅の長期保存ができる、
ギリギリのラインだそうです。

となると、世間で見かける10%の
塩分なら、
長期保存は無理だと思う。

江戸時代の梅干しが残っていて、
食べてみた話もありました。

昔からの作り方で梅干しを作れば、
ほぼ永久に保存、受け継がれていくことがわかります。

さて、通常のつもり(昔ながらの梅干し)のつもりが、

実は減塩梅干しを作っていた、
ということに
気がつきました。

夜に梅酢に漬ける。
また昼も梅酢に漬ける工程を繰り返す。

これだと20もう30%でやろうが、
大差ないと思います。

濃厚な梅干しに
なっていくのは明白です。

実際に3日の昼干しを終えて、
1日目の夜干しで色は
濃い赤です。

赤の着色料でも使ったかのように
真っ赤な梅干しになりつつあります。


よく考えてみれば、梅干しづくりで
梅酢が出る。

梅酢の中には、梅のさまざまな成分がきっと含まれている。

梅を干して水分を減らしていく。

そして、梅酢を再度梅に吸わせるというなら、梅酢に出てしまった成分が
再度梅に入る。

そして、また天日に干す。
夜にも干す。

これは、考えるとやっぱりいい梅干しになると思った。

とにかくいい味、濃厚です。

実際にやっていて、途中で結構面倒に思う時がありました。

特に夕方は、夜に梅を
干す準備をします。

涼しくなれば、蚊やブヨもくる。

かゆいし、日が沈みかけるとき、夕飯前に一休みしたいときに

梅のツボから梅を取り出し、
干す作業は少し大変だと思いました。

もう「3日間、梅は干しっぱなしで
いいんじゃないか」、

って誰かが作り方をねじ曲げて
広めたのかもしれません。 

作業中、蚊に刺されて
私はそう思いました。



邪魔くさくて、
作り方を変えた、

あるいは、
伝言ゲームのように、
いつしか3日間の干しっぱなしが
一般的になったように思う。

量が少なければ、
たいしたことないのですが、
量が多いとそうもいかない。

私は小粒の梅が多くて約20kgですが、
それでも夕方が
ちょっと大変に思ってしまった。

大粒だったら、
楽だったと思う。

ただ、後々考えるといい作業です。

色も、真っ赤で味も濃厚。

作業の合間に、ときどきつぶれた梅を
口にする。

これがまたうまくて、
疲れが飛ぶように感じる。

やっぱりこれでいこう。
説明できないけど、
とてもいい味。 

何か体に良さそうなのは、
間違いない。これだけはよくわかる。

なるほど、塩分は
多いかもしれないけど、
腐る感じが全くない。

色も濃くなり、
梅の皮がだんだんと
柔らかくなるようです。

暑い気温と強い夏の日差しを
浴びた梅、

梅酢が梅の中に
戻っていくかのような作り方。

これなら梅干しの良さが
伝わってくるようです。

とってもいい梅干しが、
目の前で出来上がってくるのが
見える。

松葉はどんな風味がでるのか、
わからない。

松葉が入っている梅干し。
珍しいかもしれません。

塩を炒って、
また松葉を入れて作るのは、
おそらく当社(梅丹本舗)だけだろう、と書かれていました。

松葉のフラボノイドと
梅の多数の有機酸が
どう働くか、わかりません。

とにかく良いものができそうです。



20%の減塩梅干しであっても、
塩分は濃くて、
味もかなり濃厚な梅干しになるはず。


3年以上置いてから
食べ始めるのが正解だと思う。

いろいろやってみて思うのは、
梅は大きい方が楽。

それでも、実になる梅は
大中小が混ざる。

つまり、サイズがバラバラだと、
より自然に感じる。

小さい・大きい梅が良いとか
悪いというのはない。

ただ、梅の本来の良さ、
特に薬効成分を得たいと思うなら、なるべく良い梅をつかう。

そして古い本を探してみるのも
いいと思いました。

1000年以上の歴史がある梅干しなら、
昔の文献にこそ
答えや発見がある、

ネット検索では答えがない、
と個人的に思います。

図書館などには、
いろいろといい本が
kあるかもしれません。

今は食べやすさ重視の作り方が
多いように思う。

外国人に梅干しを味わってもらうと、
ほぼ全ての人が梅干しが苦手に見えた。

日本人にしかわからない、
日本にしかない梅干し。

原点に変えって
梅干しの価値を時に考えてみる、
調べてみようと思う。

古くなれば、さらに良くなるという、
梅干し。

塩分が高いだろうが、辛いだろうが、
3、5年以上たった梅干しは
まろやかな味。

もし、3日間の日中/夜間の
干しっぱなしであれば、
今回のような濃厚さはない。

まして口当たりがいい、食べやすい減塩や砂糖入りの
梅干しは私はどうも苦手なのと、

せっかくいいものなら、梅の良さを引き出す作り方がいいと思う。

随分前の話だけど、
私は熱射病になったことがある。

熱射病ってもう立てないくらい、
つらいもの。そして横になるのも、どうも辛い。

熱射病になったことがある人なら
わかるかもしれない。

そんなときに、古い梅干しで
助かったことがある。

水から梅干しを煮出し、飲む。
梅の種を割り、中の仁もいただく。

そして、寝るだけ。 

翌朝には何もなかったかのように
復活しました。

死にかけたら梅干し。

いざという時の梅干し。

あると結構いいものです。

常備薬として持っていてもいいけど、
年月が経った梅干しは、
結構おいしいものです。


さて今年は八助梅と
南高梅(自家製の梅)も作っています。


干して梅酢につけての繰り返しで
真っ赤な梅干しになってきました。

味はなかなかのもの。

八助梅は江戸時代に作られた品種で
あんずと梅の交配だそうです。

ただ、あんずのようで、
やはり梅です。

そのままだと
味気ない杏みたいなものでした。

ただ、梅干しにすると、
見事に化けますね。南高梅とは
食感が明らかに違う。

八助梅のわずかな甘さと塩分が
良い感じです。 

特に黄色くなってしまったものは、
梅の甘さがあるのか、
まろやかな味です。

本来なら、もっと硬い段階で
梅干しをつけるのですが、

黄色くなってしまったものが
あったとしても、何かと
形になるものです。

八助梅、南高梅ほど
塩分は強く感じない。

初年度でも食べられる
辛さかもしれません。

2018年度の八助梅の大きな梅干しが
少し残っていました。


八助梅 (2018年)

年月が経った梅干し、
いい味しています。
食べやすい。 

辛いようでまろやかです。

これは八助梅の中粒くらいだったかと記憶しています。

種がスルッと取れるのが特徴なのと、
とにかく大粒です。


2018年は、確か八助梅20kg
南高梅20kg、合計約40kg漬けました。

それでも、残りわずかです。
毎日朝晩梅干し湯、

料理に使う、

ご飯を炊く時に梅干し一粒入れる、

実家にたまに送る、
その他、稀に来る訪問者に少しあげる、

こんな些細な使い方で
もう残りわずかです。

3、5キロなどではなく、
20、30、40キロくらい
仕込んだとしても、
毎日使えば、結構なくなるものです。

30キロは毎年つけていましたが、
10年前のものは残っていない。

ちなみの梅30kgの梅が
30kgの梅干しが
できるわけではない。

梅酢になるのと
天日干しで水分は減る。

今年は合計で約20キロにも満たないくらいですが、
自家製の梅が足りなかった。

思った時点で、早く梅を
調達しておくと
良かったかと思う。

でも少なかったから、
より丁寧にできるとも言えます。

梅干し一粒健康法の
本を再度読むと

新たな気づきや
著者の梅に対する気持ちが
伝わってくるというもの。

さて、松葉も、
松葉サイダーをきっかけに
いろいろと使う機会が増えた。

まさか、梅干しと松葉の関係があるとは思わなかったけど、
いい組み合わせかもしれません。

そんな松葉入りの梅干しに
タケノコって合うんだろうか、
ってふと思う。

タケノコと梅干し、
ありかもしれません。

それなら、もう松竹梅となるわけです。


自家製の梅。
斑点が目立つ。
まだまだ皮が厚い。


赤紫蘇は、天日でカラカラに干して粉にしてみます。
古い赤紫蘇を干すと
良いそうなので、
ゆかりもついでにやっておきます。


さて、天日干しですが、
真夏の暑さがあってこそ。

暑い中ではあるのですが、
冬物の服を干したり、いろいろとしたいところです。

そういう夏の暑い作業の時、梅干しがあるだけで随分と違う。



八助梅は、つぶれたら種が出てしまう。作業の合間に梅を少し口にする。




松葉の量がわからなかったけど、多ければ、それだけ作業は手間取ると思う。ただ、梅と松、合いますね。
いろいろな道具をつかってましたが、スダレをよく洗って干して使うのがやりやすいと思いました。
今のところ、ホームセンターで道具は
安く揃う上、一番やりやすい。
急な雨でも、一気にまとめて
移動ができる。


下に梅酢がしたたれ落ちてしまう。今回、途中から赤紫蘇を下に敷いて干すようにしたところ、
ほとんど下に梅酢は落ちなかった。
後日に赤紫蘇を干すのもいいと思う。


2018年度の八助梅の梅干し。
ついでに少し干します。

大きいけど、色はもはや赤とは言えない。
ただ味はこの上なくいい。

辛いようで甘い。
塩がまろやかになっているようです。

余裕あれば、古い梅干しも干してみます。

まろやかな味になるのは、
年月がかかる。そのためには、しっかりと塩漬け、天日干しをしていく。

今年は八助梅が多いのですが、
熟しすぎたものがあって、どうかと思いました。

熟したものは、
潰れやすい。

干す時に手間は出る。
ただ、熟したから、わずかな甘みあるのか、塩辛さが少ない気がしています。

南高梅とはまた違った
梅干しです。

梅干しは塩、赤紫蘇だけでできる。
多少の心配があっても、
作り方さえ守れば
十分のようです。

簡単と言えば簡単ですが、
作らないとない。

やっぱり毎年作って
いくのが良いと思いました。

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