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古式製法の梅干し

昨年、梅干しを仕込みましたが、
今までと違う方法で
作りました。

今、手元に本がないのですが、
神田の古本街で見つけた本に書かれていた通りに作った古式製法の梅干しです。

第二次世界大戦中、海軍のある戦艦内で
謎の疫病が発生したそうです。

その中に、梅の博士とも呼ばれていた人が同船されていました。

博士が梅干しを用いて対処したところ、
疫病(下痢や腹痛、発熱などの症状)が一気に改善したそうです。

そのような、当時の梅干しの製法について
の事が本に書かれていました。

三日三晩干す、と言われていますが、
現在言われているように、三日三晩を干しっぱなしにするわけではありません。

それぞれ干さない時間帯は、梅酢の壺の中に梅を戻します。

三日晴れた日の天日に干す
夜になると、梅酢の入った壺に戻す。
(干さない間は、梅酢の中に漬けておく。)

そして、逆に夜干す時は、
夜が明けると、日中は梅を梅酢の壺に戻す。
この作業を3回繰り返して、三日、三晩の天日干し、というわけです。

つまり、単純に三日間で梅干しができるわけではないということです。

梅から出た梅酢の水分を何度も吸わせ、
日中、夜、それぞれ三日分干すわけです。

当然、塩分は爆上がりです。
減塩や18%、10%未満と言った、現代によく聞く塩分ではありません。

40パーセントともそれ以上とも言われています。

昨年度、梅干しを
この古式製法で仕込みました。

結論から言って、
すごく良い梅干しです。

しょっぱい、辛いを通り越した梅です。一粒を口にいれられません。

白湯と合わせて、梅干し湯にするくらいが食べやすいです。

何とも言い難く、すごい味がします。
(説明が下手で申し訳ございません。)

底からググッとくるような、力強さを感じます。

おそらく、一般ウケは悪いでしょう。

辛すぎる、干し過ぎ、などいろんな批判の声がかかりそうです。

見た目も美味しそうには見えません。

でも、
おそらく海軍を救った梅は、
きっとこのような梅干しだったのではないか、と想像します。

梅酢の成分に太陽と月の力を加えて
梅に再度、戻しているように思います。


白いのは、塩分や梅酢の結晶です。
一気に一粒を口に入れられないくらいです。薬とも言えず、ただの梅干しではないです。

 今は甘口の梅干しもあるそうです。
食べやすいそうですが、
薬効や健康にどれだけ良いかは疑問です。

今年も梅干しは仕込みます。
人のウケは狙わず、体に良いと思える方法、
古式製法でいきます。

長期保存だけでなく、長期熟成できます。

信長の時代の梅干しが残っていた話も聞いたことがあります。

梅干しは、塩分が高ければ腐りません。
時間をかけて、塩が熟成し、まろやかになるそうです。
古ければそれだけ、良い梅干しになると言われています。

そのため、作りすぎても全く問題なく、困った時のためにも用意しておこうと思います。

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