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研ぐと変わる
刃物を研ぐようになると、
世界が広がると思いました。
農作業では、土地の草管理がどうしても
必要となります。
普通なら草刈機というところですが、
鎌を使うと、程よい運動になる。
前提として言えるのは、
事前に刃を研いでおくことです。
鎌は研げば、かなり切れる
ようになります。
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研ぐ時は集中力するので、
何か、いい気がします。作業前の心の準備、書道で墨をするのと同じ感じです。
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荒い砥石で研ぐのが一般敵ですが、
複数の石で研ぐと、当てただけで切れるようになります。
しっかり刃をつける、これだけで後の仕事が全く違ってきます。
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ちなみに、鋼には種類があるのですが、
もっとも柔らかくて研ぎ易い、
鋼のものです。
ホームセンターで見かける、300-500円前後の安いものですが、
柔らかい鋼は、すぐに研げる。
ステンレスだと、錆びなくていいけど、ほんの僅かな時間では研げない。
高級な硬い鋼、青紙などは、
長切れすると言うけど、硬いから欠けやすい。
要は、手で刈る草であれば、安いもので十分です。
5年経ってますが、まだ折れず。
折れるまで使えますし、燃料がいらない。
毎回、使う前にさっと研ぐ。ほんの1-2分程度で済むのが大半ですが、
毎回研ぐのは、大事な道具を扱うかのようで、
何かいい感じです。
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使い分けます。
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見かけました。
とても器用につくっています。 これで昆虫を捕まえる。ワナ造り。
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また違った感じのする蜘蛛の巣。
クモの巣ばかり見て回るのは
きっと面白いと思う。
蜘蛛の巣は、写真を撮ろうとしても、
オートフォーカスではピントが合わない。
逆光で撮れば、
また雰囲気も変わる。
レンズを変えて
あれこれやってもいいですね。
大きなクモは迫力ありますが、
思いのほか、模様はきれいです。
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ヘビは怖い感じですが、見慣れると
模様や動きははとてもきれいです。
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色々とみてしまう。
つい作業が遅くなりますが、実はこの間に休憩、
エネルギー補給ができているようです。
鎌を使い始めて、自然を見る機会、時間は大幅に増えた。
これだけでも、大きい。
それにしても、クモの巣であれ、ヘビであれ、
どれも単に美しいと表現するだけでは追いつかない。
どう言葉にあらわすか、語彙力の少なさを
感じるが、自然は人を超越した存在に感じるから、
人の言葉では表せないものかもしれません。
目で見て、音を聞いて、
実際に直接何かを感じる。
私は、この自然をみて何かを感じる時間が
もっとも大事だと思う。
その何か、が単なる昆虫、という枠には
おさまらない。
ただ言えるのは、圧倒的な快の時間であることです。
おそらく、私も含めて、多くの人に欠けていること、
自然に触れる瞬間ですが、
結構大事だと思っています。
鎌は体が慣れるまで、
またある程度のコツはありますが、
鎌を使っていると
途中で何かと必ず出会う。
チョウであったり、クモ、
また稀にヘビも。
たぶん、音が静かだから色々と
気になってみてしまう。
エンジン音がないから、視界や聴覚でストレートにくる。
音、結構大事かもしれません。
歯医者の音は不快だろうし、
音に影響されて疲れる、
ってきっとある。
途中での些細な出会い、
スッと聞こえる草を切る音。
またその時の気分、
要は、草刈り鎌には
不自然な音がない。
身体と精神、ともに疲れにくいのは、
草刈り鎌だと思います。
研いで尖った刃であれば、
当てるだけで草は切れます。
音は静かで、騒音はない。
疲れないとは言い切れないけど、
疲れにくいのは事実です。
刃物研ぎは集中する機会、
刈る時は、作業が程よい運動に
なるのと、
良い呼吸ができること、
そして、ついでに自然観察も
できてしまう。
要は考え方か視点でも変えれば、
鎌をつかう利点は結構出てきます。
農作業を運動としても考える。
鎌など使えば、農作業と運動も兼ねています。
運動するためにジムに通う必要がない。
ジムに1時間通うとするのと、外で農作業、草刈り鎌で1時間するのと、
どうだろうか、と思う。
ジムのシステムは知らないけど、仮に1時間であれば、
おそらく、さまざまなマシーンを使う、あるいは、誰かの指導のもとに
効率よく筋肉はつけられるのかもしれない。
ただ、室内で良い空気が吸えているかといえば、わからない。
外であれば、程よい風が吹き、また自然観察もできる。
運動しているとは思わないけど、
気がついたら汗をかいていた、
知らないうちに腕の筋肉がついていた、
といった感じです。
そして夜はよく眠れるものです。
もし、ジムのように
計画的にしたいのであれば、
時間を制限して作業する、たとえば、1時間でどこまでできるか、
今日はこの列の草を管理しよう、などできます。
慣れれば、作業にかかかる時間も早まるし、
かかる時間もわかるものです。
無心になってすることも、計画的に進めることもできる。
私は計画的に進めることもあるけど、それでもつい、 植物をみて作業を止めてしまうことがある。
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野生のネギや玉ねぎの
ようなものですが、
これでもいいおかずになるものです。
以前、ネギの農薬散布の
様子を見てましたが、
食べて本当に大丈夫か、
と思ったくらい。
だから自分で栽培しようとなる。
忘れたら、生えている代用の野草でも
行けます。
旬の植物とうまく付き合うと
いいと思います。
それと、鎌で作業している時に野草にであうもので、
色々と活用しようと思うものです。
なぜかといえば、音が静かだから、
邪魔するものがない。いい呼吸が
できている。
きっと、旬の野草を見つけやすい。
研いだ刃物であるから、さっと切れる。 (切れない刃物は、初めは気持ち、あとあと、体も疲れます。)
要は、邪魔するものがなく、気分よく
作業などができています。
それに、この草原で育つなら、この場所の土で育っているわけです。
良い土で育ったものこそ、味わいたいと思う。
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手に入りました。 このみどりなら、まだ柿の葉茶作れます。
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冬のビタミンcは柿の葉で十分です。
そして刃物を研げば、使いたくなるもので、
魚の切り身を買うことが
ほぼなくなりました。
たまにスーパーに朝どれの
魚が入ってくる。
切り身にする時間がないのか、
とりあえず、格安で1匹まま販売されることが多い。
たら、サワラ、サバなど、3-40cmくらいの大きさです。
1匹の方が切り身や刺身より値段が
何故か安いのですが、
おそらく作業代みたいなものが入る
のだと思う。
というのも、刃物研げば
料理したくなるものです。
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料理もしやすい。
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研げば復活します。取り切れない錆はありますが、
研いで刃物を復活させると、刃物も生き返ったように見えます。
新品の刃物より、
研いて復活させる方が好きです。
魚の切り方など知らないけど、
やってみると
なんとかなるものです。
とは言っても、魚の丸々の姿をみると、
楽しくはない。
ほんの数時間前は海で泳いでいたはず。
複雑な気持ちも出るけど、
それを乗り越えて食事をする。
本来なら、釣ってきて
料理をする。
牛も誰かが殺して
下処理等するからやっと
食べられるわけです。
切り身や冷凍だと早いけど、
何も考えず、食べると思う。
食べ物を安易に残すのは、厨房にいた頃散々みてきましたが、
たぶん食べ物をあって当たり前、
何の貴重さも考えていないのかも
しれない。
以前、冷凍食品コーナーを
見てましたが、
カット済み、あるいは調理済みで
野菜から魚介類、焼き鳥、麺類、ケーキ、パン、その他デザートまで冷凍だけで揃う、と思いました。
包丁がなくても、
生きていける。
これはまずいかもしれない、
と思いました。
調理は、何も考えないようで
結構頭を使う。効率よく、時間も考えながら野菜を切ったりする。
複雑でなくていいけど、
包丁は使っていきた方がいい。
頭も手も使う。その間に何か感じているわけで、
食べ物を大事に扱う気持ちが
無意識で出てくる気がします。
草刈り鎌だって手を使っているから
色々と見るもの、
感じるものがある。
使わない筋肉は衰えるわけで、
頭も手も同様。 何かを感じる、感動する筋肉のようなもものも
きっとあると思う。
少なくとも、料理をすれば、
野菜や魚に触れるわけで、その僅かな時間でも
何かを感じる。
料理もある面、料理する筋肉、
食べ物の関心を持つ筋肉がつく。
筋肉といっても、
ジムみたいに通って鍛えるほどでもない。
普段から、何か洗い物や料理などの日常で十分なわけです。
あえて鍛えるまでもないが、
使わないときっと衰える。
極端だけど、使わないの積み重ねが
運動不足や病気であり、
下手すれば、大事なものをも失う。
となれば、
体を使うことをやめさせるもの、
便利なものは、ちょっとくせものだと
思ってもいいかもしれない。
ロボットに掃除してもらう、
食器類は手洗いすることで、丹田呼吸のトレーニングにもなる。
日常の家事ができないほどであれば、
何かがおかしくなっているとも
考えられる。
さて、鎌を使えば、
研がざるを得ない。
そのうちに、研ぎ方から、
研ぐ石の興味、収集が始まることもきっとある。
最近は刃物研ぎも人気だそうだけど、
石によって違う研ぎ心地、
研いだ刃物の仕上がり具合、
模様や色を楽しむ世界もあるわけです。
余計な出費もあるかもしれないが、
刃物に興味出てくれば、研ぐことから色々と広まる。
そこに退屈さや嫌な疲労もない。
切れ味が少し良いだけで、
何か生き生きとさせてくれる
ものがある。
料理は無理にするものではないけど、
したくなる、という気持ちはあったらいいと思います。
たぶん、皿洗いや刃物研ぎも実は同じようなもので、
料理するエネルギーになるのかもしれません。
草刈るというと、嫌う人が多いが、
鎌を使い始めて草刈りを面倒や
嫌なものと感じたことはこれまで一度もない。
結構な広いところも借りていますが、
200mのプールくらいであれば、
一人で鎌だけで十分行けると
思います。
それに鎌を使うようになって、
観察や写真などに興味が出てきました。
無駄な出費も
少し出てきますが、昔のデジカメで十分楽しめますし、
決して悪い気はしない。
自然の音に触れる、
そのうちに、不自然な音が良くわかってきます。
体を使えば、何かを感じます。
何か大切なことがあります。
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結局7-11月上旬まで毎日オクラです。種から簡単に育つし、
豊作。大きくて、味もいい。
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バケツにいっぱいのオクラが毎日。なかなかいいものです。
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植えなくても成長するわけです。
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色々と振り返ってみると、
便利なものから離れる、売って処分していくのも
ありかもしれません。
草刈機は売ってしまいましたが、
鎌で畑の管理は十分できてきましたし、
包丁も研いでスースー切れたら
料理も楽しいものです。
車に乗らず、歩いていたら、むかごを取ったり、
栗を拾えたり。
最近は手洗いで洗濯を済ませることが増えてきましたが、
脱水だけ洗濯機を使う、というのもなかなかいい。
掃除機は使いますが、室内でも
ホウキで掃くのはまた何かいいものです。
私の場合は、刃物を扱う機会がよくあるから、
研ぐことがきっかけになってますが、
他にもきっと色々とあると思います。