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音読 『感受体のおどり』 第17番

 第17番を音読します。

(前半は略)  栄えている遠い歌城うたしろとおもいながらふりそでを身づくろった.

単行本『感受体のおどり』024ページより

第17番: おどり・後期/物書き(歌城うたしろ・私)

 主人公の「私」が、物書き一本に絞りきれず、また踊りそのものや師匠の月白への思いを断ち切れずに舞台を務め続けている章を、このnoteでは「おどり・後期」というタイトルでまとめています。

 華やかなおどりの世界ですが、舞台裏や楽屋はバタバタとしていろいろなにおいが混ざる「現実」。そうした場所で、夢の世界からのように涼しげな姿の、今をときめく物書き・歌城と初めて言葉を交わす。

ふりそでなりには気をひきたてて,しかしまたひきたたせたいとおもうくらいにはめいって,

本文より

  音読してみても「ん?」となってしまう時があります。上のくだりもそうです。華やかな舞台衣装をまとっている表側と、様々に思い乱れて、放っておくと沈んでいってしまう内面を捉えた、というふうに私は想像しました。

 

 「脂粉(しふん)」という言葉が出てきます。勝手に「おしろい」と読んでいたけれど、調べてみると白粉だけでなく、紅なども含む化粧全般を指す言葉だそうです。

 あと、「階(きざはし)」。きざはし と読むのは知っていましたが、始めは「かい」と読みました。きざはしって、自分に縁のない、お姫様が住んでいる宮殿とかにある階段のことだろう。と、抵抗感(?)があり、口に出し難かった。
 この物語には「階(きざはし)」で間違いないと思われます。

ほかに読みにくい漢字は
  鵞鳥(がちょう)    痩身(そうしん)


  『感受体のおどり』試し読みサイトは第35番まで。今のところ、電子書籍はありません。文藝春秋さん、出す予定はないですかー?
(同じく長い作品でも、新潮社の『組曲 わすれこうじ』は電子書籍があるようですよー)

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