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音読 『感受体のおどり』 第27番

 第27番を音読します。

  すぐに離れて衣裳屋のじゃまにならないところまですさってから, (以下は略)

単行本『感受体のおどり』035ページより

第27番: おどり・中期(練緒ねりお月白つきしろ・私)

 月白の愛弟子としての競い合い。練緒と「私」のせめぎ合いについて、こまごまと書くのは気が進まないでいろいろ調べたりしていたところ、こんな動画を見つけました。
 着替えの主役が練緒、控えて水分などタイミング良く手渡す人が「私」と置き換えることもできますし、小説の内容は別にしても、舞台袖での早着替えの様子が、本番の緊張感とともに伝わってきます。前半は舞台上での早変わり。動画の2分50秒くらいからが舞台袖の様子です。


 また、以下のような装いの描写から、実際の舞踊はどんなものなのか、探るのもおもしろいです。 

 かぶり毛の上には小すずを噛んだ二まいがさねの扇が飾られ,さらにその上には一りんの大ぼたんが咲く.

本文より

調べたところ、バッチリ同じ様子の浮世絵を発見。浮世絵を全画面表示して、見てください。↓

 

ことば、漢字について
 すさって: 「すさる」は母が使っていたような気がしますが、漢字が「退る」とは知りませんでした。
 したたかな: 「したたか者」とか「肩をしたたかにぶつけた」という使い方をすると思います。漢字は「強か」。これも知らなかったです。意味は、「ひどく、つよく」「強くて手強いさま」「しっかりしている」など。

 ほかには、
衣裳(いしょう)  剥かれ(むかれ)   勁く(つよく)   
深山(しんざん)  大曲(たいきょく)  重る(おもる)




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