就活しなかった4年前の私へ
大学卒業と同時にフリーターになった。
”就活”に一切手をつけなかった。何もしなかった。
怠惰ではない。
意図を持って「新卒入社を捨てる」決断をした。
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大学2年の当時、ある友人から
「自己分析もうやった??」
と聞かれたことが決め手になったかもしれない。
「そんなん生まれた時からやってるわ」と思った。
皆が就活に向けて動き出す大学3年時に私が何をしていたかというと、コロナ禍でオンラインで単位が取れる環境下になったことを機に、ひとり岡山県の蒜山(ひるぜん)で田舎暮らしを始めていた。
当時コロナ禍を理由にオンラインで単位をとって卒業した大学生の先例がなかったし、在学中に田舎移住(1年限定だけれど)をした大学生というのも珍しかった。自分は珍しい存在だということも自覚していた。
だからこそ「ひとりで田舎移住を決めて行動した1年間」に自負があった。
しかしそれを面接官たちが正当に評価してくれるのか。自信がなかった。
そもそも「田舎暮らしの1年間」をアピールする段階まで進めなかったとしたら。その場面にすら辿り着けずに、周りの大学生たちに埋もれてしまうのも嫌だった。
働くことが嫌だったわけではない。むしろ早く社会人になりたいと早くから思っていた。私が就きたかった仕事は「地方創生」に携わること。具体的には、地方の暮らしをもっと若い世代の人に知ってもらうきっかけづくりに携わりたかった。地方創生熱は大学1年時から持っていた。(今なお)
だから田舎暮らしをした。
では「怠惰で就活しなかった人」と見なされないためにはどうしたらいいか考えた。大学卒業後のブランクを「欠点」と見なされないような、何かチャレンジをする必要があると思った。
「日本の田舎のために働く前に、まずは海外から日本を見てみる経験も必要なのでは」と思うようになっていたこともあり、ワーホリで海外に行こうと決意。目指したのは、その当時心の底から惹かれていたスペインのグラナダ。結局、卒業後は居酒屋のアルバイトでワーホリ資金を貯めていた。
そんな中!!!!
フランス人男性に出会い、
付き合って同棲して、
結婚して、
とんとん拍子で現在フランス・パリ在住だ。
(自分でもびっくりの展開!)
人生どうなるかわからない。
「就活しない」と決めた4年前、大学3年の私は、
フランス人と国際結婚をしてパリに住むなんて予想外中の予想外。
日仏英のトリリンガルになることも予想外。
(まだ道半ばではあるものの)
スペインのグラナダには未だ行けていない。
なんなら大学卒業からもうすぐ3年が経とうとしているが、未だにどこかの企業に属した経験がない。もう”新卒”の有効期限は過ぎようとしているが、今現在はフランスでフリーランスとして働くためにあれこれ動いている。
人生なんとかなる。
「いやいや、『フランス人夫と出会って〜』からは運じゃん!!!」と突っ込まれたら否定はできない。確かに運。
でも、途中途中でひょっこり出てくる”運”に乗っかり切れるか、というのも本人次第だと思う。私の場合は就職していないことで、ある意味、失うものがない無敵状態だったし、「いけるとこまでいってやる」という覚悟もできた。
後戻りできない状態にまで自ら持っていくことが覚悟であり、のちに思いがけずして自分を後押しするパワーにもなる。
私の場合は、きっと就活していたら海外志向になることもなかったし、国際恋愛することもなかっただろうし、フランス人夫とも出会っていなかったかもしれないし、パリ移住もしていないだろう。
結果論でしかないが、私の場合は就活しなくてよかったと思う。
自分が「なんか違う」と感じた方向は、進まなくて吉。
(♪ 待って〜鼻を利かせなよ〜(TOKIO雨傘))
何をもって”吉”とするかはそれぞれの人生、それぞれの価値観で違うと思うが、私の人生にとっての吉は今現在の生活であり、この生活を得るためには「就活をしない」選択は必要条件だったのかもしれない、と思う。
雨傘で椎名林檎も書いている。
(長瀬の声を思い浮かべながら)
「恐いことは〜〜〜流されること〜」
「五官が有るだろう〜〜〜〜なにより頼れば良いのに〜〜〜」
ということです。
思ってもいなかったフランスに流れ着いた私は、現地で初めて「フランス人の気質、めっちゃやりやっすぃ〜〜〜〜〜!!!」と感動している。フランス人の性格や気質が肌に合う。
それもこれも、日本で就職していたらわからずじまいの人生だったかもしれない。
なんとなく「就活したくないな」と思っている学生の方がいたら言いたい。
覚悟決められるなら、なんてことない。なるようになるよ!
そして、当時の就活しなかった私へ。
その選択で合ってるぞ!!!