社会福祉士の皆さまとソーシャルアクションについて考えた話
社会福祉士の勉強会にお招きいただいた
先日、縁あって社会福祉士の皆さまの勉強会にお招きいただき、講師を勤めることになった。テーマは「ソーシャルアクション」であるという。
「釈迦に説法」ということわざがあるが、ソーシャルアクションというのは、社会福祉士の試験科目に出てくるような専門用語で、私はソーシャルワーク、社会福祉理論は専門外だ。つまりこれは門外漢である私が釈迦に説法を頼まれるという状態だ。
しかし、改めて調べてみると、「新しい知識を提供する」「詳しく説明する」というより、「ソーシャルアクション」というキーワードで「今やっていることをとらえなおす」「自分たちの位置を確認し直す」ことはできそうだと思った。その点で、いつも市民向けまちづくり講座の講師の仕事でやっていることと変わらない。
初学者が勉強を始めるにはYou Tubeから
したがって、ここからは門外漢である私が、ソーシャルアクションという専門用語をいかに勉強したか、という勉強ノートと思っていただけるとよいだろう。
まず、初学者が最初に見るべきはYou Tubeだ。ここで概論をおさえる。ひとまず、ソーシャルアクションに関する社会福祉士国家試験対策講座の動画から始めた。
まず理論をおさえ、その次に事例として、福祉事業に詳しい動画チャンネルをザッピングし、ソーシャルアクションというキーワードを取り扱っているものを探した。
なるほど「オフィシャルに社会に抗える仕事」とは言い得て妙だと思った。こういう実感を伴った言葉を聞けるのが動画サービスのいいところだ。
ソーシャルアクション概論
他にもいくつかのウェブサイトを見て行って、おおよそ概論を掴めたように思う。
ソーシャルアクションとは、ソーシャルワーク技術の一つである。一般に、社会問題の解決のために制度の創設などを求める活動のことを指す。
ソーシャルワークとは大きく「直接援助技術」と「間接援助技術」にわかれる。
直接援助技術としては、ケースワーク(個別援助技術)やグループワーク(集団援助技術)がある。このあたりは区役所でまちづくりの仕事に関わっていると自然と耳に入ってくる単語なので違和感はない。
一方間接援助技術は耳慣れない言葉も多い。
まずコミュニティワーク(地域援助技術)。これは、地域住民を対象として、その地域生活上に生ずるさまざまな問題に主体的・組織的に取り組むとともに、問題解決に必要な資源の調達やそのネットワークを図ることを援助する方法であるとされる。
次にソーシャルアドミニストレーション(社会福祉運営法)。これは組織の運営管理者や社会福祉従事者、利用者および関係者を対象として、運営協議会や各種委員会活動を通じて、サービス計画や運営改善やニーズのフィードバックを行うことを目的とする技術であるとされる。
それからソーシャルプランニング(社会福祉計画法)。社会を構成する諸要素の変動によって多様化する社会福祉ニーズに対して、社会資源の確保などの課題を明確にして、将来における展望をもった社会計画をあらかじめ立てることで、その変動に対応しようとする一連の理論と技法とされる。
ソーシャルワークリサーチ(社会福祉調査法)というのもある。これは社会福祉の諸問題を科学的に明らかにする技術だそうだ。
こういう一連のメニューの一つにソーシャルアクション(社会活動法)がある。それぞれの技術は微妙に重なり合いながらも異なるので、このあたりが試験で問われるのだろうと想像した。
忘れられてきた技術としてのソーシャルアクション
ところで面白いことに、このソーシャルアクションという技術、長年、社会福祉士の試験から除外されてきたらしいのだ。
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