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「いや別に怒ってないし」というのがすでに怒っているやん、という話。

 こないだ、検察庁法改正案が話題になってまして。

 で、タレントの方々も意見を表明してたんですけど、そのことが炎上してたりするんですね。その現象について西澤千央氏がこう分析しています。

「悲しい」とか「辛い」と言われると「そうだよね~」と憐れみのような、若干上からものも言えますが、「こんなのおかしいですよね」と声を荒げられると、怯んでしまう。それは、たとえが正しいか分かりませんが、かわい~となでていた犬に急に吠えられたような感覚かもしれない。人々は芸能人が「怒」を表明するとなぜか突然怯むのです。
 「喜」「哀」「楽」は許されても、「怒」は許されない。芸能人に対する歪んだ感覚は、彼ら彼女らが何らかの「怒」を表明したときに一気に溢れかえります。「#検察庁法改正案に抗議します」とツイートしたきゃりーぱみゅぱみゅさんは、結果的にそのツイートを削除することとなってしまいました。

 タレントが怒りを表明することに戸惑う、怯むっていうんですね。<かわい~となでていた犬に急に吠えられたような感覚>とは言い得て妙だと感じました。炎上のトリガーは、政治的なコメントであるかどうかというより、「怒りの表明」というのは面白い見方だと思いました。

 身近な人の怒りに対し、大抵の人は、否定と暴力と排除の危険を予感し、恐れるように条件づけされています。身近な人の暴力と排除への恐怖を感じた人は、相手の怒りという感情を否定したいと思うでしょう。これもまた「怒り」の感情ですね。

 身近な人の怒りを否定したい、という怒り感情を、人はどのように表現するでしょうか。相手の怒りが無効であり、取り下げるべきである、ということを主張すればいいわけですね。

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