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メモ用詩『雪山の道祖神』

琥珀色に
透かして
見る雪の結晶
ウイスキーを
口にしながら
深雪の
奥羽山脈を懐う
裸になった木々のなか
秋田杉は緑を絶やさず
雪を纏って
山の巨人になる
吹雪の中にたつ
大きな道祖神のよう
麓の人間
その営みをつぶさに
見つめている
始まったばかりの
出羽の冬に
遠き春を待つ