血中濃度が高い時のお話(のんびりの場合)

まず最初に、これはわたし個人の話であってPKUが皆こうなるかは医者ではないので知りません。

一意見として読んで楽しんでいただけると幸いです。

PKUならば絶対通らずに生きられない、血中濃度が高い日、時のお話です。

まず、わたしは古典的PKUど真ん中を生きている人間なので、パリンジックを始めるまではちょっとしたことでぽんぽん血中濃度が上がっていました。

産まれた時は当時の技術では測定不能でおそらく60(3600)オーバーは堅いだろうとのことです。

現在の成人のコントロール基準が3(180)〜6(360)とか8(480)とかだったと思うのですが、ちょっと熱が出た、ちょっと食べすぎたであっという間に10(600)〜15(900)とかに上がる人間です。

胃腸炎とかになれば一瞬で20(1200)とかになります。

ちなみにPKUじゃない人は0.いくつ(60以下)とからしいです。すごいですね。

じゃあコントロール基準値の範囲外になった時にどんな症状があるのか、どんな体感なのかということなのです。
結構大事で知りたい話なのですが、管理不良のイメージが先行しててあんまり語りたくない語れない空気があるように勝手に感じたので、あえてわたしの場合をまとめてみようかと思います。

自分の中で症状があるなと感じられるのは15(900)を超えたくらいからなイメージです。

それまでもちょっと食べすぎたなみたいな時はおしっこが臭くなって気づく時もありますがそれ以外にあまり気づく術はない感じがします。

とはいえ15(900)まで上がってたら結構なんですけど、そのくらいになると物忘れがひどくなります。

わたしはもともとおっちょこちょいで忘れ物とかよくするんですけど、ちょっと度を超えたおっちょこちょいとかいうレベルじゃない、病的な感じの忘れ方になっていきます。

過去にあったのは、仕事に行こうとして家を出て駅の改札を通ったらリュックも財布も持っていなかった(PASMOは持ってたから改札通れた)とか、ミルク飲んだか覚えてないとか、前のご飯どのくらいのたんぱくだったかさっぱり…とかとか。

それとともに衝動性が上がる感じがあります。
衝動性とか言うと物騒な感じがしますが、平たく言うと脳のリミッターがおかしくなります。
酔っ払ってる時？とか寝ぼけてへべれけな時？みたいな感じ。
我慢が効きにくくなります。

そして、この頃になるとこの物忘れとともに情緒不安定な感じになります。端的に言うと超ネガティブ発動。

いろんな刺激にネガティブ方向に過敏な感じになります。なので、その覚えてられないのもなんで自分はこんなだめな人間なんだ…みたいな気分になります(実際状態としてはだめだけど)。

周りもちょっと変だなと思うのかなどうなんだろう…。それでもなんとか仕事や学校は気合が入ってれば支障なくこなせると思います。
この、頑張ればやれちゃうがよくも悪くもなんです。

本当はすぐに数値を下げることに専念したほうがいいレベルで、上記の通り物忘れ＆リミッターぶっ壊れネガティブ人間が自力で食事のコントロールを改めてするというのは難しい状況です。

すると、さらに数値が上がりやすい状態の完成です。いえーい。

20(1200)を超えてくるとこれまでの症状にプラスして頭痛などの身体的な症状も出たりします。
あと自分で体臭？尿臭？を感じたこともありました。それが教科書とかに載っているネズミの尿の匂いなのかは知らないけれど。

それでも、日常生活がんばれなくはないんです。
自分は物忘れひどくておっちょこちょいで、我慢できないだめな人間なだけで。

でも、もうこの頃わたしは自分で食事管理なんて到底できる状態ではなかったです。
でも、そんなだめな自分を見られたくなくて誰かが介入するのも嫌でした。
そして、ストレス耐性が下がっているのでそのストレスを食にぶつけるという超悪循環が完成していて、長期化していました。
そもそも体力がないので仕事に体がついて行かなくて、もうなんでもいいから食べなきゃ！がわたしの場合発端でした。
本来食べられないものを食べたその罪悪感さえ長続きしなくなっていました。

どうやって元に下げたって？

入院です。
教育入院という名目で入院させてもらいました。

病院でミルクと出されてたものを食べていれば1週間くらいですっきりさっぱりします。
今、コロナの後遺症でブレインフォグと言われているけれどそんなような状態で、そこから頭の霧が晴れていくような感覚でした。
そして、その霧が晴れて初めて今までの諸々が血中濃度が高いことによる症状だったことに気づきました。
高い時はわからない。

じゃあ自分でやればいいじゃんと思うでしょう？
仕事とか学校とか休んで出かけずにそれだけに専念してていいなら頑張れると思います。
でも、他の刺激がある状態じゃ難しかったです。刺激にすぐ飛びついてしまう状態だから。

ちなみに今はパリンジックのおかげで、コントロール目安の下限くらいの値を維持するようになって、明日〇〇やろう思ったことが翌日ちゃんと思い出せたり、忘れたことを思い出せるようになったりして感動しました。
みんなこんなすっきりした頭で生きているのね…。

こんな高い状態の時、周りの人は異変に気づいているのかもしれないし、隠し通せてるのかもしれない(多分ない)けど、もう自分で自分の制御が効かなくなってたりするので、決して怠けていたりわざとひどくなろうとしてるわけじゃないことを知っていてほしい。

きっといつもより頑固でヒステリックで話を聞けないけれど、それが症状なので本当にだめな人になったわけじゃないから。

頑張れない時だってあるのよ。人間だし。
ただ頑張れない時のリターンが大きいだけなのです。