集う場所
こんにちは。
今日のお話は、成人した当事者本人たちの集う場所についてです。
フェニルケトン尿症という疾患は生まれてすぐの採血で判明してから
医師「はい!あなたの子どもはフェニルケトン尿症です!今すぐ食事療法が必要です!量はこれくらい!」
親「えー!なにそれ!え!!少なっ!生きてけんのそれ!!」
からスタートしています。
そんな時に困った親御さんが立ち上げてくれた親の会が存在しています。
えー!!となったスターターたちとその経験者が集って意見交換をしたり、もう少し大きくなった子どもたちが自分と同じ境遇の友だちを作ったりできる場です。
そして、フェニルケトン尿症を取り巻く環境をよくするために署名をしたり、学会や政策提言などの場にも顔を出してくれています。
恐るべし子どもを想う親パワー。ありがたや…。
しかし、
フェニルケトン尿症当事者の会は今はまだありません。
なんででしょう🤔
いくつか理由があると思うのですが、
①障がいなく育つ成人が昔は少なかった
この病気の診断法が確立されて生まれた時に検査を受けましょうと決まったのが今から47年前、食事制限をすればある程度正常に発達しそうだ。と治療が始まったのですが、その頃は今と違って大人になったら食事制限はしなくても大丈夫というものでした。
生まれた赤ちゃんの全てが検査を受ける前はもちろん知らないまま暮らしていた人もいて、知的発達の遅れが出てしまうことがありました。おそらく、今も障がい者施設にいる人もいるのではないかと思います。
食事制限をして大人になってやめていいと言われてやめた人たちも生活に支障が出ることが少なくありませんでした。
そんな先人の紆余曲折を経て、現在は食事制限を続けていれば社会生活を送ることができる成人が増えてきたわけです。
②自分の生活でいっぱいいっぱい
毎食毎日の食事の計算をして(家族もやってます。本当にありがとうございます。)どうしても栄養が偏るため、体調が不安定になりやすく、他人より睡眠時間を多くとったりこまめに休んで維持していたりします。余暇の時間が少なくなりがちな気がしています。
③費用面
以前も書いたかもしtれませんが、医療費は幸い国の難病の制度で自己負担が少なく済んでいます(かからないわけではない)が、食費が高い。
お米が3kg5,000円です。パックのご飯は普通のお米同様さらに割高です。でもそれしか食べられるものはないし、普通米を食べ続けていたらあっという間にPheの値が基準値を超えて。身体に害がある状態になってしまいます。
その中活動費などを払っていくのは金額に大小あれどなかなか厳しいものがあるように思います。
④インターネットで情報が得やすくなった
コロナ渦を経て、情報を集めるだけならばお金を払って会に入らなくても手に入る時代になりました。(小難しい可能性はあるけど)
会に入るよさ、集うことのよさを再確認するターンにいるなと思います。
検索では得られない、同じ病気の人を目の当たりにして生の声でしゃべる場所って必要だなあ…と感じる昨今です。
いや、あなたは当事者でしょうよ。もっと頑張りなさいなと思いましたか?
ごもっともなんですけど、それをやるには体力のある身体がほしいなぁと思うのです。欲を言えばそれで食べていけるのなら最高。
仕事をして、食事管理をやって、+α活動というのはなかなか厳しくて、ややもすると生活も倒れてしまうような危険性がある気がしています。
みんな自分がなんとか生きていくのに精いっぱいというか。
もちろん未来がよくなれば嬉しいし、そのために頑張りたいとは思うんです。でも、【今】をそれなりにやっていくことにエネルギーを持っていかれてしまって未来に割くエネルギーが足りないなぁと思う今日このごろです。
まぁ、でもなんとかやっていけなくはないよね。というかこの身体とずっと連れ添う諦めというかが成人にはあるのかなぁ。それすらもなかなか共有しにくいのだけれど…。
成人PKUを取り巻く環境が変わった。
そんな環境から去年30年ぶりに新治療ができて、しかもそれは成人対象で、さぁどうする!と思ったところで連絡を気軽に取れる人がいない!大変だ!
となっている最近な気がします。
実際に始める前も始めてからも何せ新薬なので治験を経ているとはいえ、病院も自分たちも手探りな印象があって、
「説明文読むと随分怖そうな薬だけれど、これどのくらいの人に出るの?耐えられるの?」
「これは副作用なの?」
「副作用って聞いていたのと違う症状っぽいの出てきたけどこれは違うの?」
などなど…
聞きたいこと気になることがたくさん出てきて、診察の時間は限られているので聞きたいことが聞ききれなかったな…😢なんてこともしばしば。
そんな時に気軽にLINEできるような同じ病気の知り合い(友達?)がいたらいいなと思うわけです。
幸いわたしはそういう友達に恵まれていますが、おそらくとてもレアケース。
わたしはこんなに開けっぴろげに暮らしているけれど、オープンにしていない人の方が多いのかな?くらいの印象があるからです。(この辺の話もいつかしたい。)
普段自分の病気をあまり明かさずに生きていて、8万人に1人の他の人を見つけて、話しかけて、ある程度喋れるようになる。至難の業です。
話せる人がいないだけで困ってないわけでもないし、話せる人がいないから病気からくる悩みも個人の悩みなのではないかと思い込んでいたりもします。
くっちゃべってみて初めて「えー!?これってあなたも一緒なの!?」と気づくんです。
そんなことをほよほよと考えていたら、Qlifeさんという医療総合サイトを作っている会社が集う場所を、
PKUオンリーのLINEのオープンチャット
を作ってくださいました!!
すごくないですか!いつもひっそり肩身の狭い暮らしをしているわたしたちが、ここでは多数派!主役!いぇーい!やったね!✨
もちろんわたしも参加させていただいていて、ここと同じのんびりという名前で存在しています。(早寝なので夜はあまりいないけれど)
真剣な悩みから今日のご飯の献立思いつかん!助けて!みたいな日々の話までいろんな話ができる場所になったらいいなあと1人妄想しています…🤭
ここのQRコードからオープンチャットの画面に飛ぶことができます。
営利目的の人などが入れないように承認制になっていて、PKUならわからない人はいない!みたいな簡単なキーワードを入力すると承認されるようになっています。
入ったら発言しないと!ということもないので、参加者が増えるのをわくわく待っています🥰