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動機善なりや、私信なかりしか

探究の形は3パターンある

本年度より高等学校において本格的に実施になっている総合的な探究の時間についてもっと詳しく知りたいと思い、札幌日本大学高等学校の横尾先生からお話を伺いました。

最近、私立の高等学校に伺うことが多いです。先生とおお話しをする中で、やはり話題に上るのが「総合的な探究の時間」をどのように進めていくかでした。
各学校共通しているのは1年生で探究的な学習の時間進めていくための心構えや探究の基礎的な部分を学ぶことが多いです。そして2年生からを発展編と捉えて様々な活動をしていくのですが発展編にはおよそ3つの形があるそうです。

1つ目は大学生と同じように研究に進んでいく流れです。個人探究とも呼ばれることがあるようです。様々なことを調べた上で自分独自の問いを立て、情報収集して論文を書いて発表するというのが多くの流れです。

2つ目はキャリア教育的な探究です。
これは企業から出されたお題をもとにその解決策を提案するような流れで実施することが多いです。有名なのはクエストエディケーションですよね。

3つ目は地域創生的な探究です。
地域課題を探して自分なりの考えを持って解決策を考えて発表するなり実際に行動を起こすような探求です。

札幌日本大学高等学校の特徴

学校によって考えが様々なので、どれが良いとは一概には言えませんが
札幌日本大学高等学校では個人探究を2年生で実施しているそうです。
個人で問いを立てて、情報収集して、整理分析し、解決策を発表するまでの流れです。ここまでは他の学校と共通していますが札幌日大高等学校では、その解決策を実際にやってみるところまで時間を取るそうです。(時間に余裕があれば)少なくともアクションプランを具体化するところまでは必ずやるそうです。
頭の中でいくら素晴らしい解決策を考えていても、実践しなくては意味がないですよね。そういった意味ではアクションプランをきちんと考える取り組みは大変すばらしいと思います。
また探究的なマインドを育成するために宿泊学習をしていたり、扱うテーマの見方考え方について因果ループスや氷山モデルなどのシステム思考のフレームワークを学ぶそうです。

探究を通してどのような大人になってほしいか

個人探究にしろキャリア教育的な探究にしろ地域創生型の探究にしろ、いずれも自分自身が何者であるかを問い続け、どういった価値観があるのかを知り、自分がどのように生きていきたいのかということが具体化できたらいいなと思います。卒業するときに、自分が将来どんな仕事につきたいのかではなく、その仕事を通してどのようなことを解決したいのか話せるようになってほしいです。仕事は手段でしかないのでどのような職業に就くのかは大きな問題では無いように思います。

また解決したい課題に関しては自分のためではなく利他的であったらいいなとも思います。

「動機善なりや、私信なかりしか」
これは京セラや、第二電々を立ち上げた稲盛和夫さんの言葉です。
以下は稲盛和夫さんのホームページからの抜粋です。
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大きな夢を描き、それを実現しようとするとき、「動機善なりや」ということを自らに問わなければなりません。自問自答して、自分の動機の善悪を判断するのです。
善とは、普遍的に良きことであり、普遍的とは誰から見てもそうだということです。自分の利益や都合、格好などというものでなく、自他ともにその動機が受け入れられるものでなければなりません。また、仕事を進めていく上では「私心なかりしか」という問いかけが必要です。自分の心、自己中心的な発想で仕事を進めていないかを点検しなければなりません。
動機が善であり、私心がなければ結果は問う必要はありません。必ず成功するのです。
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自分自身、公益性の高い仕事をしているつもりですが、
時折、自分中心になってしまうことがあるように思います。その時は「動機善なりや私信なかりしか」を何度も胸の中で唱えていきます。



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