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誰のせいでもないことが一番やっかいなの。



そう。
わたしはいつものように誰かのせいにしたかった。


子供のころ、よく母に言われていた。

"ほら、またヒトのせいにして!"


わたしは、わたしが悪いことをしても、

"○○があんなことしたから、仕方ないじゃん"
"○○が先にしたんじゃん!"

なんて、ヒトのせいにしてしまう子だった。


子供ながらにも、ヒトのせいにしてしまうたびに、なんだか分からないけれど、自分の価値が少しずつ少しずつ下がっていくような感覚を持っていた。
でもそれを感じながらも、自分の悪いところをまるっと受け入れて、言葉として発することができずにいたし、心の中も同じだった。
そう。
わたしは捻くれていた。

いつも素直になれずにいた。


大人になった今も、たぶんまだその思考は残っているし、どこかでいつも逃げ道を考えてしまう。




ドラマ silent 第五話を、見逃し配信で昨日見ていたのだけど、出てきた言葉に、心がズキッとした。

誰のせいでもないことが一番やっかいなの

ヒロインの相手役で"耳が聞こえなくなった男性"のお母さん役、篠原涼子さんの台詞。



ズキッ。



そうだ。わたしはいつものように誰かのせいにしたかった。



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