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♯1【KASAGI wool textiles】はじめましてのみなさまへ🐏笠木真衣のウール専門会社&試験農場について自己紹介します。

はじめまして。ウールテキスタイルデザイナーの笠木真衣です。
私の運営するウール専門会社&試験農場【KASAGI wool textiles】についてご紹介します。(Instagramものぞいてみてください)


どんなことをしているの?

会社案内

【KASAGI wool textiles】は、ひつじを大切に育てて、羊毛を作るところから取り組んでいるウール専門会社&試験農場です。夫とふたりで運営しています。

子ひつじを見つめる母ひつじのまなざし


コンセプトは、「ひつじの幸せが見えるウール製品」です。

手洗い加工した羊毛

製品は3種類あります。生地(textile)・ウールソックス・カーペットです。

ウール生地(wool textile)自然の色だけで作っています。

ひつじカーペット(雪の日に地面に残ったひつじの寝跡からデザイン)
ノンノンのウールソックス オンラインショップ

製品は、HPで詳しくご紹介しています。

どうしてひつじを飼ってるの?

わたしは、羊毛が大好きだから、ひつじを飼っています。
2018年に、島根県大田市の三瓶山(さんべさん)に移住しました。
2019年に4頭のひつじを迎えて、ひつじ飼いになりました。それから少しずつひつじを増やして、いまでは23頭のひつじがいます(2023年3月現在)。

夫が毛刈りをしているようすです。


わたしはひつじを飼っているからウール製品を作ることができると思っています。ひつじがいないと、なにを作ればいいか、わからなくなってしまいます。羊毛はひつじが生み出したものです。ひつじを知らなければ、羊毛の特徴を知ることができないと思っています。
 ひつじを毎日観察することで学んだ羊毛の特徴を生かしたウール製品が、わたしが届けたいウール製品です。
 そこで、ひつじたちの試験農場を作りました。試験農場では、「ひつじの幸せとウールの品質」を両立させながら、農場の自然環境への影響について様々な視点から研究データの収集を行っています。このデータを使って、農場からウール製品を開発しています。

ウールソックスを開発していたときのようす🐏

受賞歴

ジャパンテキスタイルコンテスト2020グランプリ 経済産業大臣賞

生地のデザインや品質を競う国内最大のテキスタイルコンテストで、グランプリの経済産業大臣賞を受賞しました。生地の名前は「MERRY」です。

授賞式会場の写真。受賞記念衣装製作(デザイン縫製・渡辺瑠璃RURI W.

農林水産省「ディスカバー農山漁村の宝」個人部門優秀賞

アパレルではめずらしい農林水産省管轄の表彰でした。

官邸での交流会で岸田総理に生地(texile)の説明をさせていただきました。

出展

Première Vision Paris2023&2024 Maison d’Exception出展

世界最高峰の国際ファッション見本市に2年連続で出展しました。
欧州ハイメゾンのバイヤーやデザイナーから高い評価をいただきました。

2024年2月出展ブース(会場:Paris Nord Villepinte)

KASAGI wool textilesのウール製品の特徴

最初は全部「手」で作っていました。

 私の運営するウール専門アパレル会社【KASAGI wool textiles】は、2016年に創業しました。最初は全部、手で行っていました。
 手作業で行っていたときのわたしのウール製品作りをご紹介します。
 〇羊毛の仕入れ~羊毛の洗い加工~カーディング(とかす工程)~紡いで糸にする加工(紡績)~織って生地にする(製織)~生地を洗って仕上げる(縮絨)~包装・販売
 ここまでをすべて「手」で行い、自宅でひとりで活動していました。
 このころの年間の生産量は、洋服の生地(75㎝×3m)1点、ショールマフラー(70㎝×210㎝)3点ほどでした。
 量が少なくて、売上もほとんどありませんでした。
 

クラフトと工業のハイブリット

洋服用の生地をすべて手作業で作るときの大きな課題は、「均一にすること」でした。糸は、同じ太さで同じ回転数(撚り加減)のものを大量に作る必要があります。織るときも、同じ密度で織らないと洋服にしたときにきれいな仕上がりになりません。
 10年ほど前のある日、わたしは生地を作るために羊毛を紡いで糸を作っていました。そのとき、自分がつぶやいていることに気が付いたのです。「わたしはマシン、わたしはマシン」そうして、ハッとしました。「わたしがマシンになるよりも、本物のマシンにお願いするほうがいい。」
 これが、わたしのウール製品作りの答えでした。

 この構想を実現するまでに、5年ほどかかりました。
 一番むずかしかったのは、紡績会社を探すことでした。インターネットサイトで紡績会社を探して、電話をかけ、メールを送り、断られ続けました。断られる理由は、見ず知らずの個人であること、量が少ないこと、前例がないことが理由でした。どの答えも「当然だ」と思う理由ばかりでした。けれどあきらめられませんでした。妊娠・出産しながら(三子を出産)身動きの取れない状況で活動を続けました。
そんなある日、ふとパソコンの画面にある「少量生産が得意・三河紡毛株式会社」の文字が目に飛び込んできました。すぐに電話しました。そのとき電話で対応してくださったのが、いまも大変お世話になっている濱谷社長でした。「40㎏の羊毛から30㎏の毛糸ができます。」この言葉は、わたしの命運を分けた一言でした。

 この電話から、2年後に完成した最初のクラフトと工業のハイブリッド・ウール製品「1/10綾織服地MERRY」は、ジャパンテキスタイルコンテスト2020でグランプリ(経済産業大臣賞)を受賞しました。

こうして、KASAGI wool textileのウール製品作りは、
「羊毛の洗い加工(下処理)は手で行い(クラフト)、糸作り(紡績)と織り(製織)・編み(製編)は機械(工業)に委託する」
になりました。

 羊毛を手で洗うことで羊毛と環境へのダメージを軽減しています。また工業機械で加工することで、製品の強度があがるため、長く使えるウール製品を作ることができます。これがKASAGI wool textileのウール製品の主な特徴です。
 

今後の目標

RWS(Responsible wool standard レスポンシブル ウール スタンダード)世界基準のひつじの飼育環境を目指して

羊毛のためのひつじ牧場は、国内で、とてもめずらしい存在です。また海外でも少なくなってきています。わたしは、RWSが掲げる世界基準アニマルウェルフェアに基づく厳しい条件をクリアする環境で、ひつじたちを育てたいと思っています。そのためにレポートを書いています。

RWSの4つの柱
・ミュールジングの禁止
・5つの「動物の自由」を尊重
・土地の健康
・サプライチェーンの確保

「動物の自由」
1 空腹やのどの渇きから守る
2 不快を与えない
3 痛みや怪我、病気から守る
4 生物の習性に則している
5 恐怖や苦痛を与えない

RWSは、厳しい「USER MANUAL」を作り、基準を設定しています。
このUSER MANUALをもとに、農場実態を確認してレポートを作成します。

田んぼのあぜに放牧して除草しています。ひつじ米(コシヒカリ)も販売中。おいしいよ。

新しいウール製品の開発

まだどんな製品ができるかわかりませんが、取り組んでいるところです。
リクエストなど、あれば教えてください。
メッセージやメールをくださるととってもうれしいです。
お待ちしています!

さくらが咲くころ。ひつじの親子


これから、noteを通して、KASAGI wool textile、ひつじ、羊毛、わたしのこと、試行錯誤、紆余曲折、失敗談などを、みなさまに少しずつご紹介していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

Instagramをメインで発信しています。
ぜひフォローしてお楽しみください。

ノンノンのウールソックス「ごほんゆび(左)」「さきまる(右)」

 

「ノンノンのウールソックス」オンラインショップ
https://non-non.farm/


ショールームにて(島根県大田市)

KASAGI wool textile
ウールテキスタイルデザイナー 笠木 真衣

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