50mmレンズのメートル原器|90年前のレンズ|LEICA ライカ Elmar ニッケルエルマー 50mmF3.5 L ドイツ製 1933年~
「模造品、フェイク品、偽造品にご注意下さい、なレンズ。」
と表してもいいかもしれない、この一本でランチ散歩へ向かいました。なかなかの立体感です。
一時期はロシア製の模造品が大量に出回ったとのことに、
加えて、近年はネット流通や個人間売買が増え、真贋不明品も多いのではないかと推察しますが、
または本物だとしても、オーバーホールがどのようなスキルのところで、どのように何をされてきたのかヒストリーも分からず、
90年という年月の間に、中身だけが変わっていることもあろうかと思われ、
しかし比較的安価な部類なので、真贋含め遊んでみる気持ちが必要かもしれません。この多肉植物における肉々感、他のレンズと一線を画する描写に思いました。
私のニッケルエルマーは1)怪しいフォントが見受けられる、2)年代の割りに綺麗すぎるところがある、という二点から贋作の可能性を感じなくもないですが、真実はミステリー、そしてロマン、として、
しっかりとピントを合わせれば質感表現や隅々まで解像するあたり、その描写性に驚きます。
これはこの個体として、個性として、いつか真偽がはっきりする日まで楽しんでいこうと考えています。
ランチ到着です。麺大盛に気を取られて背油大盛を忘れてしまい意気消沈の中に撮りました。レンズ本来の最短撮影距離1mを装着しているアダプターのヘリコイドで、さらに縮めた最最短。
スタジオ風景。NEX-5×LEICA Elmar (ニッケルエルマー) 50mmF3.5 L そもそもAPSにつけているので隅が流れようがないかもしれません。
このライカエルマー50mmF3.5は「50mmが標準レンズ」という地位を築いたレンズとされています。
50mmレンズ好きな方なら「50mmレンズのメートル原器」といえなくもない、エルマー50mmF3.5を一度試してみるのも一考かもしれませんが、
ピントリング半周タイプ、一周タイプなど年代によって差異があるとのことに、
開放F3.5と被写界深度がそれなりありそうな中に、
ピントリング一周タイプであれば殊更に、まずピントリングがなかなかに回しにくく、合わせて絞りは絶望的に回しにくく、
アダプターでヘリコイドもかませようなものならさらに拍車が掛かって、ピント調整に時間がかかり「だいたいこれぐらいかな」としゃがんで行きよりもこちらのひまわり少し被写界深度に入ってくれましたが、
ご家族連れ、仲間連れ等、「おいまだ?」「ねぇなにしてるの?」と周囲に迷惑をかけアクティブシーンにはまったく向かないレンズとも言えます。「1人でじっくり気楽に」というシチュエーションを選ぶレンズかもしれません。
今回はNEX-5という古いソニーAPS-Cにつけましたが、ファインダーがなく、日差しで画面が見えず、時間が経過する中でピントが合っているのか分からないシーンが多くありました。最低でもファインダーがあるNEX-6以上がよさそうです。なおレンズ先端にある極小のつまみが絞りリングとなります。
小さいフィルター付きで、その存在からして恐れ入りました。ソニー機につける場合はアダプターが一つ入りディスタンスが確保され安心材料といえますが、沈胴式のためライカのミラーレスであるMマウントへの装着はセンサーやマウント内部、シャッター幕を破損または痛める危険性があり、下記「M10インタビュー」URL先にあるとおり「ライカも公式にせり出したままの使用を呼びかけている」ようですが、不意に縮んでしまうこともあるので注意が必要かと考えられます。※古いレンズのため個体差もあり、メーカー問わずミラーレス機装着時の沈胴には注意が必要です。
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