日常的に話す機会をつくり続けることが「もしも」の時のセーフティーネット
20年越しに仕事になる
みなさんこんにちは。こんばんは。瀬沼です。
私は新潟県の小千谷市(おぢやし)生まれでして、2004年に発生した中越地震で被災してしばらく避難所生活をしていたことがあります。その後2011年に東京に引っ越した直後に東日本大震災が発生し、ETIC.も取り組んでいた被災地支援に入るかと思いきや、その時はまだ自分の中で中越地震の経験を仕事にするほど消化しきれていなかったのでほとんどタッチせず、東日本も落ち着いた去年頃から災害や防災といった分野に関わり始めております。
地域にコーディネーターという役割を担う人を増やしたい!というのが私のかねてからの願いなのですが、
東日本大震災の際にチャレコミが自主的に動いていた、足りないものをすぐに全国の仲間から集められたり、人手が足りないところに人を送り出したり、といった動きはまさにコーディネーターたちの得意分野でもあり、それを通してコーディネーターとしての武器になる知見や経験、様々な地域の中でのネットワークも構築してきました。
もちろん人命にかかわる現場でもあるので、そうした支援をされている専門家の方々とも連携しながらも、この10年間で東北のコーディネート団体が増え、災害から力強く立ち上がる経営者や地域を支えるコーディネーターをたくさん見てきた中で、中長期的に地域に根差して活動をする人たちを支える仕組みをつくれるといいな、それはチャレコミのミッションでもある地域の挑戦の現場を耕すことにつながるのでは。と腹落ちし、20年越しに仕事になりました。
日常的な会話がもしものときの信頼関係になる
そんなこんなで私自身も最近防災という切り口で様々な方とお話させていただいているのですが、
話せば話すほど日常的にどのくらい話しているかが信頼関係の構築につながり、それが災害以外にも「何かあったとき」のセーフティーネットになっていると痛感しています。
本当に地域で新たにチャレンジする人、それを支えつなげるコーディネーターを担う人は少しずつですが着実に増えている感覚はあるのですが、増えてきたがゆえにお互いのことを知っている人と知らない人同士の差が生まれているという問題意識もありました。
「防災」を切り口に日常的に話す機会をつくる
防災は本当に全員が当事者になる可能性があることですが、実際に経験したことがある人はそんなに多くはないのかもしれません。
だからこそ、経験したことがある人も、無い人も、一緒に話しながら「自分として/自分の団体として/地域として」どんなことをできたらいいかを考え、対話できるといいなと思っています。
最近エンパブリックの仕事をしていて続くづく思うのは違う分野や視点だからこそ新しい発見につながるということ。違う意見を正面切って言われると受け入れ難いのが普通だと思いますが、(そして私も昔だったら全く受け入れられていなかったと思いますが(笑))「防災」というみんなで一緒に考えるお題があることで、違いが価値になっていく様子を体感しています。エンパブリックが提唱する「正解のない問いを共に生きる」ことをおぼろげながら理解しつつある今日この頃。
なので毎月勉強会で会話するのが意外と大事なんじゃないかな
昨年4月から取り組み始めた「だれ一人取り残さない防災研究会」は、業種も立場もバラバラ都市部の大企業の方も参加しながら、研究者の方もいらっしゃったり、地域の現場で活動する中間支援組織の方々もいらっしゃったりと、とてもバラエティに富んだメンバーで構成されています。
ただみなさん「自分の地域や他の地域で何か災害が起こったときに、自分は/自分の組織は、何ができるんだろうか?」を真剣に考えて取り組んでいるのが共通するポイントです。
毎月第3月曜日に開催しているのですが、次回6月19日(月)16時‐17:30で開催する定例会では、5月5日に発生した能登半島珠洲市での地震について
能登半島を中心に活動する株式会社御祓川の森山奈美さんをお招きし、震災発生後の地域の被害状況や、森山さん自身の動き、現在の地域のニーズなどを改めてお伺いしながら、ご参加いただく皆さん一人ひとりや企業・チームとしてどんなサポートができるのかを考える、とてもこの研究会らしい会にできればと思っていますし、ぜひこれをきっかけに新しい方々の違う視点も取り入れながらより実際の被災地にとって必要で大切なサポートを届けられる体制を整えるきっかけになれればと思っています。
気になった方は以下の概要をご覧いただき、ぜひみなさまお誘いあわせの上ご参加くださいませ。
ありがとうございます。喜びます。