非常識のデザイン | Xデザイン学校マスターコース2024 #6
"良いアイデア"というのは、様々な視点から何個も探し続けた結果ふと見つかるものだと思う。
3個のアイデアから選ぶか、それとも100個のアイデアから選ぶか。どちらが良いアイデアがありそうだろうか。もちろん、何を考えて出したかや過去の経験によっても精度は変わってくるものの、同じ人間が出したアイデアであれば100個のほうが良いアイデアが出てくる"可能性は高い"だろう。
だが、100個アイデアを考えるのは労力がかかるし、様々な視点がないと100個も考えることは難しい。そこで、発想方法の工夫が必要となる。例えば次のようなものがある。
発散と収束やそれらの組み合わせ:ロジカルシンキング、ブレインストーミング、KJ法、ダブルダイヤモンドやリフレーミング
ヒトやモノから客観的に発想:ペルソナ手法、インタビュー、商品ロードマップ、テクノロジー
ここで注目したいのは"リフレーミング"である。注目した理由は「常識的で凝り固まった人ほど、奇抜なアイデアを発散できるポテンシャルを持っている」と考えたからである。
例えば身近なものに目を向けると「コップは水を飲むものだ」とか「ノートパソコンのキーボードは手で打つものだ」とか「テーブルにはモノを乗せるものだ」とか当たり前と考えていることを書いてみる。「コップは水を飲むものだ」の文章の言葉の一部を色々変えてみると「コップはビールを飲むものだ(ビール専用のコップ)」「コップは植物を育てるものだ(コップ型の鉢植え)」など、面白そうなプロダクトのアイデアが浮かんでくる。
このように常識的で凝り固まったことを書ければ書けるほど、発想の転換の種を用意することが出来る。あとは、発芽させるためにいろいろな角度から試してみれば良い。上記のように言葉の一部を変えるでも良いし、ブレインストーミングしても良いが、例えば、以下のような"問いを変えること"も考えられる。
問い「自分のUIデザインを上達させるにはどうしたらよい」
問いを一部から全体へ → 良いサービスを作れるようになるにはどうしたらよい? → UXデザインを学んでみる → UIデザイン以外を経験することで結果、UIデザインを上達する
問いの常識を破壊へ → UIデザインをなくすにはどうしたら良い → UIデザインを自動化する → ノーデザインツールの発明 → UIデザインをしないためのUIデザインを行って上達する
問いが他人に向くとどうなる? → 他人が嬉しいUIデザインとは → ユーザーリサーチを用いたUIの決定 → 他人に見てもらい自分のUIデザインを上達してもらう
もちろん、問いを変えて発想するのもなかなか骨が折れる(というか骨が折れた)。しかし、あくまで視点を"問い"という観点で変えたものなのでこれに固執せずとも全てやってみれば良いと思う。
このように問いをはじめとした視点を変えることで、「常識的で凝り固まった固定概念を持つ人」が「リフレーミングされた非常識なアイデアを量産する人」へとリフレーミングされうるのではないかと思う。これにより、多くのアイデアを考えることができ、"良いアイデア"が生まれる可能性が高くなると考える。