BPF研究会5月「デザイン思考の実践」レポート
「デザイン」と聞いて、皆さんはどんなものをイメージしますか?
美術や建築物といったことをイメージする人も多いかと思います。
デザインにはある目的を達成するために設計する、という意味合いがあることをご存じでしょうか?
5月度のBPFの定例会は、北村さんが講師で「デザイン思考」がテーマでした。
北村さんは普段の業務からデザイン思考を活用しており、今回はデザイン思考を実践するワークショップも実施したので、そのレポートをまとめていきます。
※BPFは30代の中小企業診断士メンバーを中心にコンサルティングスキルを高める目的で活動している、東京都中小企業診断士協会中央支部の研究会です。
それでは本編です。
■デザイン思考とは
最初にデザイン思考の定義に触れておきます。
デザイン思考は、サービスやプロダクトをユーザー視点で考えるための思考法
冒頭にデザインには、ある目的を達成するために設計する、という意味合いがあることを紹介しました。
つまり、ユーザー視点で課題設定をして、問題解決していきましょう、というのがデザイン思考のポイントになってきます。
とは言うものの、「ユーザー視点」で考えるってどういうこと?と考える人もいるかと思います。一つ具体例を紹介します。
■デザイン思考の活用例
GEヘルスケア社によるデザイン思考の活用事例です。
GEヘルスケア社は、MRI(時期共鳴画像装置)でトップクラスのシェアのある企業です。MRIは、病院で検査を受ける時の使われているイメージがありますよね。
GEヘルスケア社が製品開発した当初の話ですが、子どもはMRIを受ける時に「無機質で怖い」といったイメージを持ち、検査を嫌がっていたそうです。そのため、鎮静剤を打つ子どもが多かったと。
ここでいうユーザー視点が、子ども視点になります。
GEヘルスケア社は子どもにとってのMRIで検査を受けるという体験価値を、「楽しくてワクワクするような体験」というように、転換しました。
これにより、「子どもがMRI検査を受ける際に鎮静剤を打つのを減らすにはどうしたらよいか?」という課題を解決しました。
デザイン思考を活用し、「どうすれば、子どもは楽しくワクワクするような気持ちでMRI検査を受けることができるか?」という問いの転換をした、のがこの事例のポイントです。
このようにデザイン思考には、顧客価値体験を変えるような思考ができることが分かります。
■デザイン思考のワークショップを実施した感想
デザイン思考を実践する際、大きく分けると以下の3ステップがあります。
①アイデアの創出⇒②絞り込み⇒③アイデアの可視化
今回は「①アイデア創出」のためのワークを実践しましたが、その中で印象に残った「How Might Be ?」を紹介したいます。
「How Might Be ?」の意味合いです。
個々の課題やアイデアから着想を得て、「答えるべき問い」を再設定
GEヘルスケア社の事例でもありましたが、問いの再設定ということです。
実際のワークショップでは、「在宅ワークが疲れるから、在宅を如何に快適に過ごせるかが課題だ」といった課題について、問いの再設定をしました。が、この問いの再設定がなかなか難しい。
問いの再設定をするには、いくつかポイントがあります。
例えば、「良い面を伸ばす」という考え方です。
この発想を基に問いの設定をしたのがこちら。
「どうしたら我々は在宅ワークを健康的に過ごせるようにできるか?」
もう一つ例で、「悪い面を除く」という考え方です。
この発想を基に問いの設定をしたのがこちら。
「どうしたら我々は在宅うつにならないように過ごせるか?」
実際にワークショップをやってみると分かりましたが、ユーザー視点で問いの再設定をするのは中々に難しいことです。
問いの再設定をするためのポイントは押さえておきたいですね。
■まとめ
今回は、「デザイン思考の実践」をテーマにしたBPFのレポートでした!
講師の北村さんも言っていますが、デザイン思考は1回実践しただけで、いきなり良いものができるとは限らないです。
複数回のワークを通じて、少数の良いものがたまに出るということですので、ワークの実践に慣れておくのは有益だと感じました。
デザイン思考についてもう少し知りたい方は、以前に以下の記事を書いているので参考までに。
それではまた!
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