おもしろいことは、ゆるいつながりから生まれる
ここ2年でぐっと外食や外飲みの機会は少なくなりました。
数少ない機会は気心の知れた人と一緒のことがほとんど。という人にぜひ訪れてもらいたい場所があります。
先日、日本橋にオープンしたY’z BARというバーです。
わずか17席の店のコンセプトは「酒を楽しむ以上の価値を提供する」こと。
「普段の生活では出会うことのない人と話す」ことをサブテーマとしています。
気のおけない友人とくつろいだひとときを過ごしたい人も、隣の席の人やバーに立つスタッフとの会話を楽しみたい人も、いろいろな楽しみ方ができる場所を目指しているそうです。
実はほとんど話したことはなかった
Y’z BARの店主は、実は私が国交省の職員をしていたときの上司です。米津さんといいます。
米津さんとは同じ部署に在籍していたものの、在職中の接点はほぼありませんでした。
役所にはいかにも公務員という雰囲気の人も少なくないのですが、彼は飄々としていてちょっと不思議な人だったのを覚えています。
そんな上司と事務連絡以上の会話をしたのは、地方移住のため退職することになった私が挨拶に行ったときのことです。
それまでほとんど話したこともなかったのに、その日突然、庁舎のドトールでお茶することに。そして「人とのご縁は何が起こるかわからないから」と、LINEの交換もしました。
それからは年に一度、異動のタイミングでメッセージをもらうようになりました。
2017年に私が天草でみかんの加工部門を立ち上げるクラウドファンディングをしたときは応援してもらいましたし、都内に用事があるときは食事をご一緒したこともあります。
あるときは「なぜ地方に移住し、起業しようと思ったのか」を根掘り葉掘り聞かれました。
いま思えば、そのときにはすでに彼も自営することを考えていたのでしょうね。
ゆるくつながっていると、やってくる
そして先日やってきた「店をはじめた」というメッセージ。
3月に天草の食材とのコラボイベントを考えているので、何か提案して欲しいとのことでした。
そこでご提案したのは、いまが旬の牡蠣です。
食べられる場所があると、みんながうれしいという仮説
この牡蠣は去年私達が地元の漁師さんと一緒にはじめたネットショップでも販売しています。
牡蠣といえば北海道や三陸あたりのものが有名ですが、天草で作る牡蠣もそれに勝るとも劣らない。と私たちは自信を持っています。
おかげさまでリピートしてくださる方もいらっしゃるのですが、やっぱりみかんに比べると難しいですね。
1つが知名度の問題。2つ目は牡蠣は好きだけど、取り寄せるほどではないという問題。
牡蠣を開けたことがない人も少なくないでしょうし、食べた後の殻はどうするんだ問題もあるのではと思います。
お取り寄せしていただくにはいくつものハードルがあるのです。
だったら、おいしいお酒が味わえる場所で、牡蠣も味わえたら、お客さんはうれしいかもしれない。
お酒と牡蠣の相性はとてもよいと思いますし、きっと飲む・食う以上の価値を感じるひとときを過ごせますよ。
サイドメニューには、うちの工房で作ったベーグル生地で作ったおかきや、不知火ドライのチョコレートがけ「ぽんdeしょこら」も登場予定です。
食べものをきっかけに、新しい会話が生まれるのではないでしょうか?
米津さんならちょうどいい距離感で付き合ってくれるはずです。
「おもしろいこと」はちょっとした寄り道から
厳しい時期にわざわざ開店?という気はしないでもありません。
が、世界は少しずつwithコロナに移行しつつあります。
「完全に心配なくなってから動き出そう」という心づもりでは、いいときを逃してしまうでしょう。
いま私にできるのは、Y’z BARを訪れるお客さんたちが楽しい時間を過ごせるように、そして3月のイベントがうまくいくようにお手伝いすることです。
「人とのご縁は何が起こるかわからない」
米津さんがそう言っていたのは7年前のことでした。
世の中には「この人とつながっておけば、いいことありそう」という大人の事情もあります。
けれど、おもいしろいことはだいたい思いがけないときにやってくるものです。人と人とのつながりがコンセプトのバーで、天草の恵みをお届けできることに私もワクワクしています。
それは、起こそうと狙って起きたことではなく「なんか、おもしろいかも」という感覚からはじまるのかもしれません。
Y’z BARの最新情報はこちらから。まん防中は予約制で21時までの営業とのことです。
3月のイベントは近くなったら改めてお知らせします。私はみかんが落ち着いた4月以降に行きます。
日本橋近くの方はぜひお立ち寄りくださいね!
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自分らしい働き方をしたい。そう思う人は多いはず。でも、そのためにはさまざまな面で「長く続けられる」ことが前提です。自分らしい働き方、パラレ…
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