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二拠点生活ってどうなの? 経験者が語るデュアルライフ

2021年1月に二拠点生活(デュアルライフ)をはじめたわずか4ヶ月後、我が家は再び天草に戻りました。

戻った=失敗、ととらえる人もいるかもしれませんが、二拠点生活をやってみたこと自体はよかったと私は思います。

「二拠点生活で叶えたものはなんですか?」というご質問をいただいたので、この記事では、我が家が二拠点生活を解消した理由や、二拠点生活のメリットとデメリットについて書いてみようと思います。

二拠点生活は「2つの場所のいいとこどり」ができる

二拠点生活のよいところは、住みたい2つの場所のいいとこどりができること。

「完全な引っ越し」となれば、入念なリサーチが必要ですし、そもそも、その調べることが大変ですよね。

環境をガラッと変えるわけではないので、スタート時点の心理的な負担は比較的小さいでしょう。

我が家がデュアルライフの拠点として構えたのは、同じ熊本県内にある天草の自宅から車で1時間ほどの宇土という場所にある賃貸アパートでした。

私が思う天草と宇土の大きな違いは次のとおりです。

・熊本市内に近く鉄道駅がある
・人口の密集度が高く、生活が便利
・ 光回線エリア

インターネット環境についても一部の地域しか光ファイバーが通っていない天草と違って宇土には光回線があること、天草から通える距離にあるのに熊本市内や福岡・東京方面へも行きやすいことが私にとって大きな魅力でした。

同じ熊本県内でも、通える範囲との二拠点生活なら(といっても50kmくらい離れていますが)、平日は宇土で暮らし、週末は天草に行くという生活を実現するのも比較的カンタンです。

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もし事情が変わったり、その土地が肌に合わなかったら戻ればいい。

そんな気軽さがデュアルライフの大きなメリットといえます。

物と掃除が2倍になる二拠点生活は想像以上に大変だった

ただし、どんな物事にも、表と裏の面があります。もちろん「いいどこり」をしているかのように見えた私達のデュアルライフにも、デメリットはありました。

はじめて分かったのは、2つの家を維持するのは思いのほか大変ということです。

まず家が2つになるということは、物が2倍になります。
冷蔵庫や洗濯機などの家電をはじめ、テーブルや椅子などの家具、鍋やフライパンなどの調理道具も2つ必要になります。

そのための購入費用もかかりますし、もちろん家賃負担も小さくはありません。

掃除の手間も2倍になります。
人が出入りすれば部屋は汚れます。普段から生活している場所なら、何かのついでにちょこちょこ掃除できますが、滞在時間が短いとそういうわけにもいきません。掃除しに天草に行っている感じになって、これは地味にストレスでした。

それともう一つやってみて、思っていた以上に大変だったのが移動です。

移動に片道1時間というのは、都市部の感覚からすれば普通のことのように思えますが、電車やバスの1時間と、移動中は他のことができない自分で運転する1時間とでは時間の使い方が大きく違います。

首都圏を離れた7年目を迎え、すっかり「職住近接」の生活が当たり前になっていた私たちは、通勤のある生活には戻れなくなっていました。

4ヶ月間デュアルライフをしてみた結果、次のことが分かりました。

・二拠点生活を考え始めた去年の夏頃と仕事の状況が変わって天草の比重が重くなった
・物理的に街に近いことのメリットが期待していたほどなかった

どんな物事にもよい面と悪い面があり、それはその人の状況によって変わります。何をメリットやデメリットと感じるかは人それぞれです。

ただ、冒頭にも書いたように、私自身は二拠点生活をやってみたこと自体はよかったと思います。

天草に家族で移住したのは、子どもがそれぞれ2歳と、6ヶ月のとき。
物心ついたときには、天草での生活が子どもたちの世界のすべてでした。
ほんの数ヶ月とはいえ、これまでとは違う経験をさせることができてよかったなと思います。

今回は大人の都合で振り回してしまったわけですが、戻ってきて楽しそうにしています。

1冊の本との出会いが「やってみる」を後押ししてくれた

私たちのデュアルライフのきっかけとなったのは、1冊の本との出会いでした。『日本人は「やめる練習」が足りてない』という本です。

この本で、私はガツン!とやられました。

「継続は力なり」という言葉があるように、私たちの中にはやめることはカッコ悪い。何かをはじめたら、ずっと続けなくてはという価値観が根付いていると感じます。

でも、「続けること」そのものに意味はあるの?それって本当に大事なの?

と考えてみたことはあるでしょうか。

続けることそのものより「その状態にどんな意味があるのか」という問いに、自分なりの答えを持てることの方がよほど大切なことだよ、と投げかけてくれたのは、私にとってこの本がはじめてといっても過言ではありません。

やってみたいなら、やればいい。
やめたくなったら、やめればいい。

今回は天草に戻りましたが、今後どうなるかは分かりません。

子どもたちの進学やライフスタイルの変化に応じて、住む場所を選べる環境をつくる。
そして、そうした生活を実現したい人に向けて、自分の経験を元に発信していく。

想像していることと、実際にやってみることでは空と大地ほどの違いがあります。

私の場合はデュアルライフをしてみたことで、これから数年かけて取り組んでいこうと思うことがはっきりしました。

二拠点生活で叶えたこと、それは「気になっていたことができた」「これからやっていこうとすることがはっきりした」ということです。

真面目な人ほど、一度はじめたら続けなくてはならない。と考えるのではないでしょうか。

『日本人は「やめる練習」がたりてない』という本は、おもしろそうなこと、興味のあることは、もっと気軽にやってみればいいよ。と背中を押してくれます。ぜひ一度読んでみてくださいね。

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横浜出身の私が、地方の田舎町で暮らしていくために考えて、やってみたあれこれをまとめています。新しい環境に飛び込んだチャレンジ精神あふれる人…

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