🔍️ Research リサーチ：UXとプロダクト・デザインの相違点。プロダクト・デザイナーに移行するには。

印刷物などのデザインはグラフィック・デザインででこれをする人はグラフィック・デザイナーと呼びます。プロダクト・デザインと聞くと、日用品などのものをデザインする事と捉える方々が多いと思います。このような立体物が主立っており、これらを手掛ける人はプロダクト・デザイナーと呼ばれていますが、最近はデジタル・プロダクト・デザインも、プロダクト・デザインと呼ぶ考えが出るようになっています。アプリなどのデジタル・デザインもただ見た目の良さをだけを追求するのでなく、使いやすさを考えてデザインしなければなりません。よってアプリデザインもプロダクトデザインと呼ばれるようになってきました。

デジタル・プロダクト・デザインの役割として、プロダクト・デザイナーとUXデザイナーという2つの職種があり、よく混同されています。私も自分自身をプロダクトデザイナーという時もあり、UXデザイナーと名乗ることもあります。では一体プロダクトデザイナーとUXデザイナーの違いは何なのでしょうか？そしてどのような役割を果たす必要があるのでしょうか？今日はUXとプロダクトの相違点を探して行きたいと思います。

全体的な違いの説明

プロダクト・デザイナーとユーザー・エクスペリエンス (UX) デザイナーは似ています。

大まかに説明いたしますとプロダクト・デザイナーはプロダクトのデザインプロセス全体に関与しますが、UX デザイナーはプロセスの実践的なデザイン部分に重点を置いています。したがってUXはプロダクト・デザインの一部だと考えるのが一番いいかと思います。

大まかに言えば、プロダクト・デザイナーはプロダクトのデザイン・プロセス全体により深く関与する傾向がありますが、UX デザイナーは通常、プロダクトのユーザー・エクスペリエンスの改良に重点を置いています。

もちろん、会社によって仕事内容は異なります。 一部の企業では、UXデザイナーがビジネス・プロセスに深く関与することや、プロダクトデザイナーがデザインに専念することを期待する場合があります。

主な特徴の内訳

一目でわかるように、プロダクト デザイナーと UX デザイナーの主な特徴の内訳を以下に示します。

プロダクトデザイナー

プロジェクト管理、ビジネス関連のプロセスのデザイン、ブレーンストーミング、UXデザイン、など製品のデザインプロセス全体に関与します。

$118,339 米国の平均給与
*Indeed による給与見積もり (2021年11 月)

プロダクト・デザイナーは過去にはUXデザイン、プロジェクトの主導、他のチームとのコラボレーションを経験した可能性があります。

UXデザイナー

製品を快適に使用してナビゲートすることに重点を置いたデザイン。 一般的に、プロダクト・デザイナーよりも対象が狭い。

$98,351 米国の平均給与
*Indeed による給与見積もり (2021年11 月)

過去の経験には、ビジュアルまたはグラフィック デザイン、インタラクション デザイン、およびUXの知識が含まれます。

似ている部分

プロダクト・デザイナーと UXデザイナーの両方が、UXのツールと手法に大きく依存しています。 特定のタスクがそれらを区別する場合がありますが、どちらの役割も機能して、完成した製品のユーザー・エクスペリエンスがスムーズで直感的であることを保証します。これは、Balsamiq、Sketch、Lucid Chartなどの一般的な UXツール、またはFigmaなどのデザイン・ツールの使用方法を両方が知っていることを意味します。

→英語メモ

• Both product designers and UX designers rely heavily on UX tools and methods.
  プロダクト デザイナーと UX デザイナーの両方が、UX のツールと手法に大きく依存しています。

• While specific tasks might set them apart, both roles work to ensure the finished product’s user experience is smooth and intuitive.
  特定のタスクがそれらを区別する場合がありますが、どちらの役割も機能して、完成した製品のユーザー エクスペリエンスがスムーズで直感的であることを保証します。

主な相違点

プロダクト・デザイナーは、よりビジネス志向になる傾向があります。

プロダクト・デザイナーは、UXデザイナーよりもビジネスの優先事項をより意識していることが期待できます。これは、典型的なUXデザイナーよりもビジネスチームや製品チームと緊密に連携し、完成した製品でビジネスニーズが確実に満たされるようにすることで明らかになる可能性があります。

プロダクト・デザイナーが主導権を握る傾向があります。プロダクト・デザイナーは、多くの場合、製品のデザインプロセス全体を指揮する任務を負っています。製品のすべてのニーズが確実に満たされるように、UXおよびビジュアル デザイナー、研究者、およびビジネス・チームをまとめることができます。このため、プロダクト・デザイナーは、プロジェクトやチームを率いる経験がある程度あることが期待されます。

UXデザイナーは、よりデザインに重点を置いています。多くの場合、UXデザイナーは、製品の実際の視覚的およびインタラクティブな要素をデザインすることが期待されています。

→英語メモ

• Product designers tend to be more business-oriented.
  プロダクト・デザイナーは、よりビジネス志向になる傾向があります。

• Product designers can be expected to be more aware of business priorities than UX designers.
  プロダクト・デザイナーは、UXデザイナーよりもビジネスの優先事項をより意識していることが期待できます。

• This might manifest in working more closely with business or product teams than a typical UX designer might, and making sure business needs are met in a finished product.
  これは、典型的な UX デザイナーよりもビジネス チームや製品チームと緊密に連携し、完成した製品でビジネス ニーズが確実に満たされるようにすることで明らかになる可能性があります。

• Product designers tend to take the lead.
  プロダクト・デザイナーが主導権を握る傾向があります。

• Product designers are often the ones tasked with captaining the entire design process of a product.
  プロダクト・デザイナーは、多くの場合、製品のデザインプロセス全体を指揮する任務を負っています。

• UX designers are more design-focused.
  UX デザイナーは、よりデザインに重点を置いています。

• UX designers are often expected to design the actual visual and interactive elements of a product.
  多くの場合、UXデザイナーは、製品の実際の視覚的およびインタラクティブな要素をデザインすることが期待されています。

給料

さまざまな給与集計サイトによると、米国ではプロダクト・デザイナーの平均給与は UXデザイナーよりも少し高い傾向にあります。

UXデザイナー

• Glassdoor：$102,057（米国平均）

• Indeed：$98,315（米国平均）

• Payscale：$74,635（米国平均）

プロダクト・デザイナー

• Glassdoor：$103,680（米国平均）

• Indeed：$118,339（米国平均）

• Payscale：$84,422（米国平均）

同様の職業を比較する方法は次のとおりです。

• プロダクト・マネージャー: $113,407

• UXリサーチャー: $134,782

• UXライター: $112,726

• UXエンジニア: $125,012

• グラフィック・デザイナー：50,227ドル

• UIデザイナー: $93,440

• 工業デザイナー：65,235ドル

どちらが適切な仕事か見分ける

同様のスキルセットを開発する必要があるため、UXデザインとプロダクト・デザインへの道は互いに簡単に補完できます。UXデザイナーからプロダクト ・デザイナーへの移行は、より多くの経験を積み、より多くの責任を負うようになるにつれて、自然な移行になる可能性があります。

デザインのキャリアを始めたばかりの場合は、UXの概念の理解を深め、主要なデザイン ツールに慣れる必要があります。これが何を意味するかを詳しく見てみましょう。

UXの概念とスキル:
ユーザー中心の考え方は重要ですが、UXデザインは単なる考え方ではありません。UXデザイナーとしてのタスクには、プロトタイプ、ワイヤーフレームの構築、ユーザー・ジャーニーやユーザー・フローのマッピングも含まれます。これらのスキルは、プロダクト・デザイナーとしての仕事の基礎にもなります。

デザイン・ツールと原則:
UXデザイナーは通常、いくつかのデザインツールに精通している必要があります。これらには、Figma、Sketch、および Adob​​e Creative Suite が含まれます。タイポグラフィや色彩理論などのデザイン原則を深く理解していることも強みになります。

プロダクト・デザインに携わりたい場合は、次のスキルも役に立ちます。

プロジェクトをリードする:
プロダクト・デザイナーの多くの職務記述書では、プロジェクトを監督した経験が求められます。これは、現在のデザインの役割に徐々に組み込むことができるものかもしれません。

さまざまなチーム間のコラボレーション:
プロダクト・デザイナーはビジネスチームと協力することが期待されており、データに基づいてベスト プラクティスについて独自の結論を導き出す可能性があります。企業内での製品の重要性と優先順位をより広く理解することが重要になります。

→英語メモ

• With the need to develop similar skill sets, the paths to UX design and product design can easily complement each other.
  同様のスキル セットを開発する必要があるため、UX デザインと製品デザインへの道は簡単に補完し合うことができます。

• Moving from a UX designer to a product designer can be a natural transition as you gain more experience and begin to take on more responsibilities.
  より多くの経験を積み、より多くの責任を負うようになるにつれて、UX デザイナーから製品デザイナーへの移行は自然なことです。

• If you’re just starting out in your design career, you’ll want to solidify your understanding of UX concepts and familiarize yourself with key design tools.
  デザインのキャリアを始めたばかりの場合は、UX の概念の理解を深め、主要なデザイン ツールに慣れる必要があります。

• User-centric thinking is critical, but UX design isn’t just a mentality.
  ユーザー中心の考え方は重要ですが、UX デザインは単なる考え方ではありません。

• Tasks as a UX designer would also include being able to prototype, build wireframes, or map user journeys or user flows.
  UXデザイナーとしてのタスクには、プロトタイプ、ワイヤーフレームの構築、ユーザー・ジャーニーやユーザー・フローのマッピングも含まれます。

• These skills will also be foundational for your work as a product designer.
  これらのスキルは、プロダクト デザイナーとしての仕事の基礎にもなります。

• UX designers should generally be familiar with several design tools.
  一般に、UXデザイナーはいくつかのデザイン ツールに精通している必要があります。

• If you want to move into product design, it’ll also be useful to have the following skills:
  プロダクト・デザインに携わりたい場合は、次のスキルも役に立ちます。

• Many job descriptions for product designers call for previous experience overseeing projects. This might be something you can gradually build into a current design role.
  プロダクト・デザイナーの多くの職務記述書では、プロジェクトを監督した経験が求められます。 これは、現在のデザインの役割に徐々に組み込むことができるものかもしれません。

• Product designers are expected to work with business teams and might draw their own conclusions about best practices based on data.
  プロダクト・デザイナーは、ビジネス チームと協力することが期待されており、データに基づいてベスト プラクティスについて独自の結論を導き出す場合があります。

• Having a wider understanding of a product’s importance and
  priorities within a company will be important.
  企業内での製品の重要性と優先順位をより広く理解することが重要になります。

まとめ

プロダクト・デザインはUXデザインと同じではありません。プロダクト・デザイナーは、UX デザイナーが行うことやそれ以上のことを行います。

UXデザイナーは、行動パターンの調査に重点を置き、アプリケーションがユーザーのニーズを解決するさまざまな方法を探り、デジタル製品のユーザー エクスペリエンスの最適化に着手します。

プロダクト・デザインはすべてのプロセスです。それは、「全体がその部分の合計以上のものであると見なされる」エクスペリエンスを全体的にデザインし、ユーザーが製品とやり取りするすべてのタッチポイントとともに、消費者のライフサイクル全体を通じてこのバイアスを維持することです。

プロダクト・デザイナーは、マーケティング チームと緊密に連携し、彼らが何をし、なぜそれを行うのかを理解することが重要です。

デザインの問題を解決しようとするとき、UXデザイナーは主に「体験」を構成する製品の機能性と美学に関心を持っています。プロダクト・デザインはそれを超えています。人間の瞬間をコンテキストで考慮し、製品のエコシステムのすべての側面を組み込みます。

プロダクト・デザイナーは、問題の特定、調査、検証を支援し、ソリューションの調査、設計、テスト、出荷を行います。

UXデザインはプロダクト デザイン プロセスの一部にすぎず、プロダクト・デザインのバナーの下に存在する多くの異なる分野の 1 つにすぎません。これらには、問題の特定と検証、ユーザー調査計画の作成、製品の情報アーキテクチャのガイド、コンテンツ戦略、インタラクション デザイン、ビジュアル デザイン、UIデザイン、UXデザイン、およびユーザビリティ テストが含まれますが、これらに限定されません。また、プロダクト・デザイナーは分析を利用して、既存のユーザー データを収集したり、製品のパフォーマンスを評価したり、製品デザインを調整したりします。

私も色々勉強中なので、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。

［参考資料］

Essential Product Interview Questions | Toptal®

https://www.coursera.org/articles/product-designer-vs-ux-designer-the-difference-explained