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コントロール幻想
強迫衝動の話をうかがったおかげで、十三歳ぐらいのころにもこの強迫衝動にとりつかれたことを思い出したんです。
自分が毎日ある石に手を触れないと祖母が死んでしまう、といった気持ちになったことがあります。
その石というのは学校の帰り道にあったもので、忘れずにその石に触りさえすればよかったわけです。
「強迫衝動」というのは、ガスの元栓を止めたかどうかが気になって出かけられないとか、戸締まりの確認のために何度も家に戻ってしまうといった有名な神経症です。
この種の話はどんなバリエーションであれ、根本には、コントロール幻想があります。
私たちはほとんど、外界をコントロールなどできません。できるとしてもわずかな領域であり、それすらやらないほうがいいくらいです。
しかし私たちは「外界をコントロールできる!」と思ってしまうところがあり、たまたまそれがうまくいくと「コントロールしなければ生きていけない!」といったところまで行き着きます。
ここに矛盾があるのは明らかです。