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乃井 万
2024年8月1日 12:50
なんと嘆かわしい世の中だろう。 部活からの帰り道、お揃いの棒を持って楽しそうに語らいながら歩いて行く一組のカップルとすれ違った。それがこともあろうに小学生らしき男女だったのである。 蝉の鳴き声が四方から聞こえる。 田園風景を吹き渡る風さえ暑苦しいのに、それに拍車をかけてくれる光景ではないか。 自慢ではないが私、谷東真生は中学2年生の現在まで男子と2人きりで歩いたことなど一度もない。