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狙って売れる方法はあるか? 「ダウ90000」蓮見翔さんの戦略と思い
「ほぼ日の學校」アドベントカレンダーです。
今回視聴した授業
あっという間に、しかも狙って売れたように見える「ダウ90000」。「ほぼ日の學校」アドベントカレンダーの3日目に、夢枕獏さんの授業のことを書きましたが、夢枕獏さんがおっしゃる通り、狙って売れることは難しい。しかし「ダウ90000」のように、ある程度、狙って、その戦略がハマるケースもあります。
「役者志望」の7人を、 仲間に誘った「お笑い志望」。 ダウ90000・蓮見翔って、どんな人?
蓮見翔 (芸人)
異例の「8人組」コント集団。2020年に旗揚げし、2022年、2023年には2年連続でABCお笑いグランプリの決勝に進出。なんだか、すごそうですよね。でも、おもしろいのはここから。本気で「お笑い」の道を志しているのは、グループの主催であり、ネタを書いている蓮見翔さん、彼だけ。残りの7人は、「お笑い志望」じゃなくて「役者志望」なんです。この、なんとも不思議な関係性に自分の夢を懸けた蓮見さんって、いったいどんな人?
売れる方法については、蓮見翔さんが影響を受けた本の著者として挙げた島田紳助さんが、以前NSCで講義された内容にあると思われます。「島田紳助 伝説の講義」で検索すれば、出てくるはずです。自分のできることをX軸、流行りの周期をY軸において、それが交差する時に売れるというお話。蓮見翔さんも分析の軸に、自分たちができること(X軸)と、世間の流行り(Y軸)を置かれていました。もちろん、理屈が分かったからといって、売れるのなら、誰でも売れるでしょう。「ダウ90000」が売れている秘密を知りたくて視聴しました。
授業で学んだこと
インタビュアーの方が時々入れる「すごい!」的なコメントに、無表情になる蓮見さんが印象的です。チヤホヤされても、絶対に「浮かれないぞ」という姿勢が見られました。第一線で売れ続けるかわかりませんが、今後蓮見さんたちが食べていけなくなることは絶対になさそうに感じます。知りたかった「売れる理屈」については、先に書いた通り、島田紳助さんの講義の内容に近いものを感じましたが、それよりも、今のメンバーと一緒にやるぞ、食べさせるぞ、という決意と実現のためにやってこられたことに興味を持ちました。
役者志望のメンバー
大学の後輩たちなんで、弟や妹という感覚だそうで、やりたいことをやってほしいし、食べれるようにしたいという想いが、ずっと蓮見さんの思考の底を流れているのを感じます。蓮見さん自身がやりたいことをやるために、メンバーを犠牲にしたくない、というのは、今の時代の考え方ですね。それができれば本当にいい。
自分がやりたいことが
メンバーのメリットになるように
やんないとなと思って
考えたときに
コントを広告みたいな感じにする
看板というか
(広告)というやり方をすれば
メンバーのためにもなるだろう
ということで
月一でコントライブを
やらせてほしい
そのコントライブのおかげで
演劇でお客さんが入るようになる
という形にするので
ちょっとコントは
一緒にやってください
メンバーも嫌がっていた
わけではないので
コントをやること自体
今もわりとそうですけど
自分に出番があることを純粋に喜ぶ
人たちなんですよね 役者さんは
それがやっぱりすごいなと思います
(略)
メンバーはセリフが
あればあるほどうれしそうだから
本当に役者なんだろうなとも思うし
そういう子たちだから
出番をしっかりあれば
喜んでやってくれるだろうな
とは思っていたので
とにかくライブの回数を増やす
かつまだ学生だったんで
大学生の思い出を減らすような
ことをあんまりしたくなかったから
極力稽古期間も減らして
2日だったかな
2日稽古をガッツリして次の日
本番を月一でやらせてくれ
あとは何しててもいいから
というのでやってましたね
なぜ売れる算段がつけれると感じたのか?
そうはいっても、どうやって、7人のメンバーを食べさせる算段ができたのか。その予感があったと言います。
これは本当に肌感なんですけど
(略)
他の人のネタとかを袖で観てとか
普通にお笑い好きだったので
お客さんとしてライブを観に行って
色んなライブを観ていた時に
自分たちの公演はなんかちょっと
いいウケ方をしているなという
手応えはあったんですよ
単純に笑いの量が
大きいとかというのは
普通にライブに声が大きい人がいる
とかで変わるぐらいのキャパなので
120とかだと全然違うんですけど
自分がウケたいところで
しっかりウケているし
かつそれが尾を引いていたりとか
ザワザワしたりしてたのに
ちょっともしかしたらなんか
あるかもなというのは
なんとなく気づけたというか
私自身、こういう感覚が得られたことは、今の仕事ではありませんが、こういうシグナルを見逃さないようにしたいですね。その良い予感があれば、仕事の取り組みや、目先の仕事の選び方も変わっていくような気がします。
ウケをどうやって作るか?
最後にほぼ日の乗組員の質問に、蓮見さんが答えていたウケを取ることの最初の一歩について。
とにかく一回書いてみて
ウケけたとこスベったとこを
なんでウケたのか
なんでスベったのか
というのをひたすら考える
自分が面白いと思っていることと
世間が面白いと思っていることの
ズレが出てくるので
それを修正する作業ですね
まずは一つをウケれば
いいと思います
1カ所ウケればそれでいいので
このボケがウケるには
誰が言えばいいのかとか
どういうシチュエーションで
言えばいいのかで前半をつくる
これがウケた後に
どういうものなら
同じ種類のものですよね
これがウケた後の続き
シャカシャカポテトを振るのが
ウケたなら食べてもきっと
ウケるだろうしみたいなことを
まずここを一個
絶対にここをウケさせたいんだ
というものを決めて
それがどうやったらウケるか
たぶんここを決めれば
どんなものでもウケさせれは
するんですよ きっと
まず、おもしろいと感じたことについて、どういう流れで、どういうシチュエーションでおもしろいシーンを出せば、おもしろさが伝わるか。それが最初の一歩だそうです。私が仕事でやろうとしている文章でもそれが言えるかもしれません。どうしても伝えたいことをどう表現するか。あとは、その表現を活かして、次の転がりを作る。劇場と違って、文章の場合、フィードバックまでくれる方はいないので、私の仕事では、評価とフィードバックの仕組みも準備する必要があるかもしれません。
感想
笑いという特殊な芸から生み出されるものを使って、今まさに売れている「ダウ90000」の蓮見さんの授業は、とてもおもしろいものでした。以前、視聴して感心したことがある島田紳助さんの理論も、あらためてふりかえってみるきっかけになりました。自分の仕事に照らして、自分ができることが過去の誰の仕事に似ているかを考えましたし(X軸)、記事系のコンテンツの流行りについても、以前より読むジャンルが増えたことで、考えられるようになっている自分を発見できました。これからは、今までよりも、戦略的に自分のやりたいことを作っていけそうな気がしました。ちょうどいいタイミングで見れてよかったです。
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