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クリエイティブになるための読書(88週目)
谷川俊太郎さんが亡くなられた報があった週。谷川俊太郎さんの詩を読んだ。
仕事上、文章を書く機会が多いほうだが、それでも、読み手に伝えられる、達意のある文章が書けない、と悩む日は多い。文章読本系の本を時々「評論・エッセイ」枠に入れていく。
最近、読書の時間がうまく取れない。続けるために、短い時間で読める童話集にいよいよ手を出してしまった。初回は「赤ずきんちゃん」。もちろん、続けた結果、何か新しいものを生みだす、ことが目的なんだけど、続けないことには、物語も体に貯まっていかないので、とにかく続ける。読める時に読めばいい。
クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから読んでいた。その後、もっぱら図書館で借りていたのだが、2023年末に引っ越した際、部屋の整理が追い付かず、借りてきた本が売ってしまう本の中に埋もれては困る、と帰省の際に自分の部屋にあった本棚から持ってきて消化していた。今は、自分の本棚にあった本の他、主に、古書店で手に入れた本が中心。
当日、読む作品を選んでから読み終わるまで1時間くらいのことが多い。短い時は30分、長い時は2時間。毎日のことなので、できるだけ時間はかけたくない。
感想
詩
谷川俊太郎さんが亡くなった。毎週読んでいる「現代詩の鑑賞101」では、時代順にページを進めるのではなく、いろんな時代を横断して読みたかったので、五十音順に読んでいたところ、ちょうど、月曜に読んだ多田智満子さんの詩の後に読む詩人が、谷川俊太郎さんだった。小学校低学年の教科書にも載る平易な言葉でつむがれたものも多く、大人になってから好きになった他の詩人とは印象が違うけれど、大人になって読んだもの、老いすら感じる今読んでも、その平易は詩は十分鑑賞に堪えるし、感じ入り、考えさせられる。詩への向き合い方について、谷川俊太郎さんが話す動画を視聴したことがある。小さい仕事も惜しみなく受ける姿は真似をしたいところ。ご冥福をお祈りいたします。
評論
この「評論・エッセイ」枠で、文章読本系を挟んでみようと思う。仕事以外に、毎日、1,000字から2,000書いているので、書く分量としては、多くの仕事を抱えた本職のライターさんほどではないかもしれないが、まぁ文章を書いているほうだと思う。それでも、読みやすい文章、おもしろい文章が書けているかというとそんなことはない。仕事で書く文章は、今でもちょいちょい、基本的な指摘が入る。わかりやすい文章が書けているとは言えない。文章を書くことをお金に替えれるなら、そうしたい欲求はあるので、改めて、「文章を書く」ということに向き合ってみたい。これから50週なのか、100週なのか、死ぬまで続く作業かわからないけれど、少しずつ「文章を書く」論を取り込んでいく。
物語
トオマス・マン短篇集の「神の剣」。ちょっとヤバめな人が画廊に行って、展示してある絵に対して、この題材は社会を害するので、人前に展示するな、と画廊の店主に訴えるお話。SNS時代、それぞれの正義、信念を誰彼かまわず主張する人たちを毎日を見ているから、特にひっかかった作品。彼の中の真理はすごく伝わってくるし、同情すら覚えるけれど、それは他人や社会から見たら、ただ不適合者の烙印を押す以外、しようがない。5年後、10年後、「神の剣」を読んだ時、どう感じるだろうか。
実績
太字は、気になったもの、気に入ったもの
2024/11/18(月)
・【詩】初夢(「現代詩の鑑賞101」)多田智満子
・【エッセイ】偽装と隠蔽ついて(「ベーコン随想集」)ベーコン 渡辺義雄訳
・【物語】ひとつになるまでの時間(「10分間の官能小説集」)石田衣良
2024/11/19(火)
・【詩】かなしみ/私の家への道順の推敲/鷹繋山(「現代詩の鑑賞101」)谷川俊太郎
・【評論】エリザベスと「無敵艦隊」(「大英帝国衰亡史」)中西輝政
・【物語】神の剣(トオマス・マン短編集・実吉捷郎訳)
2024/11/20(水)
・【俳句】明治三十年(「漱石俳句集」)夏目漱石・坪内稔典編
・【評論】第二の戦後(「異端者の時代」)大前研一
・【物語】陽炎の男(「剣客商売(三)」)池波正太郎
2024/11/21(木)
・【短歌】宮英子(「現代短歌の鑑賞101」)宮英子
・レムニスケート函数の発見(θ函数)(「近世数学史談」)高木貞治
・【物語】好人物の夫婦(「小僧の神様・城の崎にて」)志賀直哉
2024/11/22(金)
・【漢詩】橘頌(「中国名詩選(上)」)屈原
・小説家と日本語(「文章読本」)丸谷才一
・【物語】ある占い(「おのぞみの結末」)星新一
2024/11/23(土)
・【詩】ヒュー・セルウィン・モーバリーⅣ/ヒュー・セルウィン・モーバリーⅤ(「アメリカ名詩選」)エズラ・パウンド
・しずくのなかに別の世界がある(「私という小説家の作り方」)大江健三郎
・【物語】赤ずきんちゃん(ペロー童話集・新倉朗子
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これまで読んだリスト
(同じことをしてみたい人のために。本を選ぶ参考にどうぞ)
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