京極夏彦が語る水木しげるの真髄 #ほぼ日の學校
「ほぼ日の學校」アドベントカレンダー24日目です。
京極さんの作品、全てを読んではいませんが、少し読んでいます。あの分厚い本も数作は読んでいますし、短編も好きです。「嗤う伊右衛門」はとても好きです。
水木さんでいえば、先日、話題の『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』も観てきました。
そういえば、今年、図書館で見つけたこんなんも読みましたね。
妖怪がいるとかいないとかではなく、古代から続く日本について見つめてきた水木さん、命というものの価値を戦争体験を通じて知っている水木さん、心底経験して、感じて、考えてことをエンタメに昇華した水木さんと、影響を受けて、別の上質なエンタメを作った京極さんに興味がありました。
で、京極さんのインタビューを視聴したんですけど、水木さんとの出会いから、京極さんの感じ方から、かなり愉快なインタビューになっています。水木さん、京極さんのどちらか、もしくは、お二人の作品のいずれかに興味がある方は、ぜひ視聴しましょう。
授業紹介
京極さん、水木しげるさんのことたっぷり聞かせてください | 京極夏彦 | ほぼ日の學校 (1101.com)
京極さんの水木さんとの出会い
京極さん、なんと北海道のご出身なんですね! 前にも一度、同じ事実におどろいた気がします。あれだけ日本の古い価値観と社会をご存じだから、古都の近くに住まわれてんじゃないかと思ってしまいます。
いわゆる日本の風景のない北海道に育った京極さんですが、子どもの頃、水木さんの描く日本の風景に懐かしさを覚えたそうです。でも、作品には興味があっても、作家には興味がなかった。それは水木さんだけじゃなく、他の作家さんに対しても。
バブル崩壊で、自分が仕事をしているデザイン業界が大変な状況になります。そんな時期に、水木さんの作品集に出会います。
関東水木会の方と境港の水木ロードに行った際、京極さんが撮って、自ら編集したホームビデオが、水木さんの手に渡り、水木さんに呼び出されたそうです。水木さんに頼まれ、水木さんが持つ8ミリフィルムをすべてビデオに落として編集した結果、ついには、水木さんのアシスタントになってほしいという話が持ちかけられます。実は、このタイミングで小説家デビューが決まっていて、お断りすることになりますが、ここから長いお付き合いが始まったそうです。
水木さんのこと
ぼーっとしている印象がありますが、実は頭の回転が速く、人間観察眼が優れていたそうです。本人も頭の良さを周りにアピールする意義が見いだせず、周りの方もぼーっとした方だと思ってるが、とても頭のいい方だったそうです。
戦争体験や貸本時代の苦労から、太った人(たくさん食べる人)が好きだったり、血筋や財産持ちや格式なんか、一切に気にしてなかったり、独特の基準を持たれていたそうです。
好きなことだけやれ、ということも言われたそうですが、それも、好きなことだけやっていけるポジションを獲得しろ、ということだと京極さんは考えているそうです。
水木さんがやったこと
ウケないと言われた妖怪をウケるようにするには、どうすればいいか。
例えば、柳田国男さんも書いている「ぬりかべ」という、歩こうとしても前に進めない現象が昔からあったとされる。これをどうすればよいか。
感想
水木さんのところでアルバイトもしていた漫画評論家の呉 智英(くれ ともふさ ご・ちえい)さんは、水木先生の一番の作品は、水木さん自身だったとおっしゃったそうです。
私は、これまで、あまり先輩から直接学ぼうという姿勢がありませんでした。よっぽどお世話になった方や大尊敬するような方に出会ってないこともありますが、どこか他人は他人というマインドなんだと思います。
でも、京極さんにとっての水木さんのように、すごく魅力がある先輩はいるのだから、もうちょっと人から学ぶことをしてみようかなということを思いました。
ほぼ日の學校を通じでだけでも、これだけたくさんの人から教えを受けているのだから、もう少し、諸先輩方から直接学んでみようかな。
こびへつらうではなく、おもしろい先輩にもっと近づいみたいと思った京極さんのインタビューでした。