シラフの状態で『ホスト万葉集』を読みました
『ホスト万葉集』を読みました。
歌舞伎町のホストが詠んだ短歌がまとめられた歌集です。
ホストの経営者の方が、ホストの方々との歌会を定期的に開いて、そこで詠まれた短歌を集めたものです。もちろん普段から短歌を詠む人はほとんどいなかったと思いますが、選者には、あの俵万智さんもいます。
もともと歌は、どの時代も、色恋のために詠まれてきたことがあるので、ホストと歌の相性はいいんではないかという目論見もあったそうですが、私は、色恋より、夜の街で体験したこと、感じたことあること、それをホストが詠むから、違う説得力が出ている歌が気になりました。店の仕組みや金銭感覚といったホストの世界のことはわからないので、おもしろさがわからない歌もちょいちょいありますが、ちょっとした用語の解説もついてるので、ざっくり理解はできます。
やっぱり歌人じゃないので、もっと響く言葉もあるだろうとか、言葉が寝られてないんじゃないの、と感じることもありますが、例えば、
歌を詠む人の言葉ではなく、夜の街で働く人のバックヤードで出てきたそのままの言葉ですよね。歌人が「大変か」なんて直接的に言わないでしょう。でも売れないホストが言うから、大変なんだと思える。
うまい表現を狙った歌より、やはりストレートなものが残りました。
気になった歌
■「歌舞伎」に来た
■初指名 ――1年目
■姫と一緒に ――2年目
■泣かないで ――3年目
■シーソーゲーム ――5年目
感想
歌の形におさめることを繰り返していけば、色恋についても、酒についても、この場から、いい歌がもっともっと生まれてくるんじゃないかと思いました。自分だったら、こんなところ切り取るかなぁ…と感じる歌もあったので、次は酒を飲みながら、何かにひっかかった歌を眺めてみたいと思います。
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