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クリエイティブになるための読書(98週目)

この週は、文庫の読了が3冊。毎日コツコツと短篇を読んでいるだけで、本の読了数を目標にはしていないけれど、一冊の本を読み終わると嬉しいことに変わりはない。

今週、経営学者の野中郁次郎先生が亡くなられた。先生の本は積ん読しているものがあるので、今後、【評論】枠で、時々、先生の本を読もうと思う。

ご冥福をお祈りいたします。


クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから読んでいた。その後、もっぱら図書館で借りていたのだが、2023年末に引っ越した際、部屋の整理が追い付かず、借りてきた本が売ってしまう本の中に埋もれては困る、と帰省の際に自分の部屋にあった本棚から持ってきて消化していた。今は、自分の本棚にあった本の他、主に、古書店で手に入れた本を中心に読んでいる。

当日、読む作品を選んでから読み終わるまで1時間くらいのことが多い。短い時は30分、長い時は2時間。毎日のことなので、できるだけ時間はかけない。かけたくない。

感想

『アポリネール詩集』を読み終わった。2024年1月に行ったキュビスム展の時に、貧しかった画家らが住んでいた木造家屋「洗濯船(バトー・ラヴォワール)」でピカソらと交流した人と知った。ちょうどこの詩集を手に取ったばかりの頃の偶然。当時の芸術家たちの空気感が知りたくて、この詩集を読み進めるようになった。特に、2024年の4月以降、この詩集を手に取らない月はなかった。「地帯」「マリー」が気に入った。

評論

経営学者の野中郁次郎先生が亡くなられた。経営層に支持されているだけでなく、最近は、野中先生が昔書いた論文が逆輸入される形で、ソフトウェア開発界隈に知られるようになった。ソフトウェア開発業界に身を置いていた私も先生の考えの断片を知っている。先生が生まれ育った押上近辺は、生活圏なので、勝手に親近感も覚えていた。先生と糸井重里さんが対談したことをnoteに書いたこともある。

先生の本は、ちょっとだけ読んで、積ん読してある。亡くなって知る偉大さ、ではないけれど、いろんな方が先生から学んだことをSNSで投稿しているのを見て、先生の辿った道を少しでも歩いてみたいと思った。これから、【評論】枠で、時々、先生の著作を読むことにする。

物語

「10分間の官能小説集」の「ルヘリデの夜」がよかった。話がよかったわけではなく、性行為の表現が映像にしてイメージしやすく、わかりやすかった。自分が官能小説を書くなら、参考にしたい。例えばここ。

 腰を挟む太腿に力が漲って、肩を掴む指先が肌に食い込んだ。女の身体を後ろに倒して深く突き立てると、女の脚が腰に絡みついた。その脚を掴んで、ふくらはぎに唇を這わせてからそっと脇に下ろし、陰茎をつないだまま女の腿を跨いで、自分の膝を外に置いた。膝を前にすべらせて、下腹ごと擦り合わせ、奥を突く。

「ルヘリデの夜」前川麻子『10分間の官能小説集』©2012/‎ 講談社

実績

太字は、気になったもの、気に入ったもの

2024/1/27(月)
・【詩】秘めごとの歌・第一/第四/第九/第十一(アポリネール・堀口大學訳)
アポリネール―人と作品/第十五回改訂のあとがき(「アポリネール詩集・堀口大學訳」)堀口大學
・【物語】ルヘリデの夜(「10分間の官能小説集」)前川麻子

2024/1/28(火)
・【詩】時こそ今は……/羊の歌/憔悴(「中原中也詩集」)中原中也
・第一章・組織における知識ー序論(「知識創造企業」)野中郁次郎・竹内弘高
・【物語】愚かな願いごと(ペロー童話集・新倉朗子

2025/1/29(水)
・【俳句】飴山實(「現代俳句の鑑賞101」)飴山實
・むら八(「東京カレー食べつくしガイド104/380店」)小野員裕
・【物語】小僧の神様(「小僧の神様・城の崎にて」)志賀直哉

2024/1/30(木)
・【詩】新鮮で苦しみおおい日々(「現代詩の鑑賞101」)堀川正美
・数字計算とガウス(「近世数学史談」)高木貞治
・【物語】天魔(「剣客商売(四)」)池波正太郎

2024/1/31(金)
・【詩】客人来たりぬ(「現代詩の鑑賞101」)三木卓
・志賀直哉の生活と芸術(「小僧の神様・城の崎にて」)阿川弘之
・【物語】流行感冒(「小僧の神様・城の崎にて」)志賀直哉

2024/2/1(土)
・【詩】ODE ON SOLITUDE(「英詩鑑賞入門」)ポープ
・『小僧の神様・城の崎にて』について(「小僧の神様・城の崎にて」)高田瑞穂
・トゥエンティ―・ミニッツ(「10分間の官能小説集」)勝目梓

これまで読んだリスト

(同じことを試してみたい人のために。本を選ぶ参考にどうぞ)

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のーどみたかひろ
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。