いつもの思考を疑ってみる。そしてAIに聞くだけじゃダメなこともある
定期的に、数人のメンバーで集まって、日頃抱える問題をあーだこーだ話す会に参加している。直近は「ある人の条件に合う仕事を探す」といったことを話した。
ある人に合う仕事を探す
仕事を探すには、いろいろと条件があった。ここでは問題の詳細を明らかにしないが、一部の条件を取り上げてみる。
・長時間は働くことが難しい
・体を使う仕事を避けたい
・新しいことを覚えるのが得意じゃない
など、条件にすると10個くらいの項目になった。
ただのわがままということでなく、その人の状況、取り除けない制約に基づくもの、というところが厄介なところだった。
「障害」を書き出す
最初に、ある仕事を得ることを目標にして、その「障害」になることを書き出してみた。上記の条件は、そのまま「障害」と言えるものかもしれない。
「中間目標」を設定する
次に、書き出した「障害」に対して、それを解消できた状態を書き出した。
例えば、
・短時間勤務でOKの仕事が見つかる
・体を使わない仕事が見つかる
・新しいことを覚える必要がない
みたいな感じだ。これを「中間目標」として設定する。
「中間目標」が達成される順番を考える
今度は、それらの「中間目標」がどういう順番で達成されるだろうか、を考えた。上記の場合は、同時に満たされる並列な目標になるだろうか? 複数の中間目標がある場合、達成される目標の順番がある。順番は、時系列であることもあるし、ある目標の前に前提として達成しないといけないこともある。
「アクション」を考える
今度は「中間目標」を達成するためのアクションを考える。達成されるべき中間目標の順番があるので、アクションはだいたいその中間目標の順番で行うことになる。また複数の「中間目標」をたった一つのアクションで達成できることもあるかもしれない。
上記の思考の結果、今回は、割といい答え、実行計画にたどり着けた気がしている。
ChatGPTに聞いてみた
同じ課題をChatGPTにも尋ねてみた。
しかし、出てきた答えは、指定した条件を満たすものしか出てこなかった。条件と「障害」を単に否定したもの、その集合の共通部分となる答えしか出てこなかった。
もちろん対話ができて、掘り下げて聞くことはできるので、たった質問一つでChatGPTが劣っているということではない。
でも我々は、問題を考える時、その障害をどう捉え直すことができるか? ということをして、おもしろいアイデアを出すことができた。例えば「新しいことを覚えることが得意ではない」といった条件(障害)がある時、新しいことはしなくていいんじゃない? とか、それは他の人にお願いすればいいんじゃない? という提案もできる。
長時間勤務が難しいという条件も、集中した長時間が難しくても、単純作業なら平気かもしれない、と「障害」や「目標」の再解釈をし直すことで、新しいアイデアを生み出すことができる。
問題の再解釈という点で、人間同士でやるほうがうまくいくことがある。もちろん、ChatGPTとのやりとりで、違和感や制約条件への疑いから、再解釈を促した質問もできるし、複数人が集まっても、前提や常識にとらわれてしまっていて、再解釈の余地がないと思い込んでしまうこともある。
問題解決を図る時にうまくいかないことがあれば、普段のやり方を疑ってみることも大事だろう。いつもの思考、AIへの質問の仕方を疑ってみることも大事だと思う。最近は、プロンプトが出回っていて、その通りに入力すれば答えにたどり着けると思ってる人もいるだろう。しかし、問題解決の過程に前提や条件の再解釈の余地があること、再解釈する方法があることを覚えておきたい。
もし、最近、諦めてしまった問題があれば、ぜひ、もう一度、見直してみてください。疑える条件はなかったでしょうか? 皆さんの問題がうまく解消されることを祈っています。
※参考
紹介した方法は、こちらにあるあるやり方を参考にしています。
「TOCfE」「アンビシャスターゲットツリー」で検索してみてください。
【アンビシャスターゲットツーリーってなんですか】| TOCfE事例箱