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『ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア』レビュー
こちらの本の翻訳レビューに少し参加させていただきました。
前職のソフトウェアテスト関連会社を辞めて2年、システム開発の仕事から離れてもう3年が経ちましたが、エンジニア時代は、テストフェーズに絡むことが多くて、今でも関心領域の一つです。翻訳レビューに参加して、本を恵贈いただいたので、後半の3連休に改めて読んでみた感想・レビューを書いてみます。
(技術書の類なので、きっと率直に感じた印象、気に入らない点について直接的なレビューをされるエンジニアの方もいるでしょう。悪い点はそちらの方に任せて、私はいいところだけ書きます。)
以下、Amazonのレビューに書いた内容とかぶります。
最初「本書について」に書いてある通り、ソフトウェアテストの基本を学ぶための本ではありません。
しかし、テストを計画したことがあるソフトウェアテストの技術者以外にもテストに参加したことがある、開発者、テスター、ビジネス担当者、システムの利用者にも役に立ちそうです。
不具合の検出数といったよくわからない数字ではなく、使いやすさ、当たり前の機能を満たしているか、修正がしやすいかといった数値化しにくい「品質」について、何とかよくしようと考えたことがある方にはきっと参考になります。
テストの進め方、実施方法、チェックすべき内容、シナリオのつくり方、…
についてのヒント・アイデアが各ページに書かれています。
ソフトウェア開発同様、テストのうまい人、下手な人はいますが、
(手早くやる、バグを見つけやすい など)
うまい人と何が違うかわからないし、教育もされていないことが多いですよね。そんな時は、
「テストセッションをモブで行おう(Chapter1)」
が参考になるかもしれません。
また、ビジネス側、利用者側にも役立つと書きましたが、用語や文章は、テストやシステム開発に携わったことがないと読みにくいかもしれません。総合テストの打合せに開発者と一緒に参加してる方なら、がんばって読んでみるのもありです。
開発者はテストを計画する時、この標準的なケースで問題が起きるわけがない、と高をくくっている場合がありますが、
「ほら、前にこんな不具合見つかりましたよね?」
と言って
「主要な具体例に焦点を当てよう(Chapter2)」
のアイデアを伝えて、過大なテストケースを実現可能な適性な大きさにしたり、利用者目線で洩れてしまっている具体例を取り上げるのはどうでしょう。
個人的には、
「感情を利用しよう(Chapter1)」
が好きです。例えば、
スカリーパス(恐怖):このパスを辿るとこんな怖いことが起きて、事業継続もあぶない!
エンブレシングパス(恥ずかしさ):こんなミスが見つかったら、プププ…と利用者に笑われる!
他にも、8つの感情視点のシナリオが紹介されています。発言権がある人がやろうと言わなければ、導入できないテストシナリオかもしれませんが、開発者、ビジネス担当者双方にとっても、自分ごとにできるテストにできそうな気がします。
品質、テストに絡む人でマンネリ化している人は、昔、気にしていたアイデアを思い出したり、こういう観点もありだな、と感心したりできる本だと思います。自動化に関する話題が多いのもいいですしね。
気になった方は手に取ってみてくださいね。
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